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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【2度目の人生編~世界散策の章~】
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クレイバール島にて

「君たちにも家を渡すけど、どの辺りがいい?」

「拙者は用意された家なら良いで候う」

「わたしは知り合いが多い所がいいです」

「俺はどうすっかな……」

「君は女難の相が出てるね」

「……魔男だから?」

「そういえば君は魔女の一族から生まれ出た男児だったね」

「魔女の一族ですか?」

「結構な名門で候う」

「えぇ!意外です!」

「家事とかはねーちゃんたちに教え込まれたから完璧に出来るぜ!」

「そうなのです……ヤライが教室の清掃を担当するといつもピカピカになってましたね」

「養われるのは嫌で候う。何か手伝いがしたいでござる」

「その辺の役割も決めるから大丈夫さ」

「そうですか。就職活動がないのはいいですね」

「そういえばどうして俺たちを人が居ないような場所に案内したんだ?」

「君たちの中に居る物を取り出すためさ。後でカルエたちもやるから」

「え!」

「マジか!」

「作用でござるか」

「少々痛いかも知れないけど…マジェリルカ!」

「はいはーい。チクってするわよ~」

「あっ次いでにルヴェルもやっちゃうか」

「「え」」



ルヴェルだけが引き寄せられノエルたちの元にセッティングされた。

すぐさま4人の足元に魔方陣が現れ小さく収束していき4人は少し苦しんだが4人の中から黒い靄が溢れでるとマジェリルカちゃんがキラキラした粉が入った瓶を取り出すと振り撒いた。

すると黒い靄はキラキラした粉により中和されたのか色が変わっていき最後には無くなっていた。



「一瞬とても痛くなかった?」

「心臓が握り潰されたと思ったです!」

「………………まだヒリヒリするで候う」

「はぁー…チクってするのを遥かに越えてた痛さだったわよ?」

「マジェリルカちゃんは何をしたんだ?」

「魔王ベリックスたちがお前さんたちを縛るために作ったの悪意の黒い鎖を無理やり引きちぎったのじゃ。

ルヴェルはヤバい執念の黒い靄を時間を掛けずに無理やり浄化したから痛かったんじゃろうて」

「コレでもう大丈夫なのか」

「大丈夫じゃ」

「皆の元に戻るとしようか」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


【クレイバール島の西地区】



《大広間》



「サニカ!ようやく戻ってきたか!」

「どうしたんだい。そんなに慌てて」

「この世界の日が少し動いたんだ!」



皆で空を見上げると太陽らしき星が動いていた。



「……ホントだね」

「少し調べて見ましょう」

「そうだね。……もし不安だなーと思ったら【日天の宿屋】に泊まり込みなさい。この島に住む人たち全員泊まれるだけの部屋はあるから」

「ならこの事を島にいる島民に知らせてくる!」

「行ってらー」



シルト側の島民数名が軽やかに駆けていった。



「それでサニカ先生はどうするんだ?」

「私は調べたい事があるから自分の家で休むよ」

「そうか!(日天の宿屋で夜通し酒を飲んだりして騒げるな!)」

「それじゃ今日はこのまま解散と行こう!」



大人たちはそそくさと自宅に戻ったと思ったら酒瓶を持ち込み【日天の宿屋】に吸い込まれる様に入っていった。



「………君たちはどうする?君たちの家に案内しようか?」

「はい。お願いします」

「エディスたちは宿屋に行かなくて良いのかい?」

「今日は子供らと沢山話したいと思っている。何かあれば先生たちの家を訪れる」

「そうかい、ではノエルさんたちは私に着いてきてね。ルウカは星術の道具のセッティングを頼んだよ」

「あっ名前に関してですがここにいるわたし達を含めて呼び捨てでお願いします」

「…分かった」

「あれ?ルウカは?」

「ルトラ先生は先にサニカ先生の家に向かいましたよ」

「……行動が早いね、悪さはしないと思うけど……私は子供たちをそれぞれの持ち家候補の家に案内してくる」



サニカはヤライたちを引き連れて行った。



「オレたちはどうするか」

「ワタシたちの家に帰りましょうよ。何かあればマフェ……エディスさん一家と同じようにサニカの家に行けばいいとか思うわ」

「それもそうだな」



オレとルヴェルは手を繋ぎながら家に戻った。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【ビワトの家】


《リビング》


「はぁ~…やっぱり自分の家は落ち着くな~」

「もう、オジサンじゃ無いんだか」

「明日からは本格的な暮らしになるのか」

「そうねぇ…前にフジトラ様やルウカが各々の組織を作り運用を始めるって言ってたから…その手伝いかしらね」

「そうなるよな…昨日は早めに寝……」

「どうしたの?」

「窓見てみ。遂にこの島に夜が来るみたいだ」

「え!嘘っ!」



オレたちは窓に向かうと数十分しか経っていないのに太陽らしき天体が沈み星が輝いていた。

そして夜が来た。



「夜空を見てみ。数個の星が良く見える」

「本当ね。この世界の空間にある太陽の光によって照らされてるのかしら?」

「これが異世界に来た感じなんだな」

「…いつかは向こうの世界が懐かしく感じるようになるのかしら」

「きっとそうなるだろうな…」



暫く二人で眠くなるまで夜空を眺め、その日を終えた。




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