目の前で凄い出来事が起きた
「ここなら何の影響も受けずに出来るぞ?」
「確かにそうだけど」
「全く違う体になれば誰にも影響を受けないのだぞ?今がチャンスなんじゃないか?」
「……【風の勇者】が作ったヤバいアイテムが確かにあるけど…私たちが生まれた地球はどうするんだい?」
「気になるなら異界の旅人として様子を見に行けば良いと思わないか?」
「…君という人は」
そこへじっちゃんが口を出した。
「ワシもルトラ先生に賛成ですぞ」
「どうしてだい、カーウェン」
「白理様たちにデザインされた肉体を捨てる事がこの場所なら安全にしかも一瞬でできるのではないでしょうか?」
「確かにそうなんだけどね」
「出来るんかい」
「未練があるのか?向こうの地球に」
「特にないよ。生徒たちはもう巣だったし、それに私たち二人があの国での最後の生き残りで外の国からは煙たがられていたし」
「ならどうしてだ」
「何度も転生してその度に記憶を持ち越して居るけど……今回は自分たちでやるし記憶の引き継ぎも出来るかどうか」
「……確かにそうだな……とでも言うと思ったか!おりゃぁあ!!」
「なっ何をするきだ!ルウカ!」
「ビワト、ルヴェル、カーウェン!俺たちから離れろ!巻き込まれたくなければな!」
するとじっちゃんはオレとルヴェルを抱えて離れた…何気に老人の動きじゃない。
ルウカはサンゴを何かの技で動けなくするとどこからかアイテムを取り出した。
「それは!」
「そうだ、伊O……【風の勇者】が偶然にも作り出した。人生をやり直す事ができるアイテムだ!」
「やっぱりお前が隠し持ってたんかい!」
「この肉体を元にして新しく作り替えるぞ!」
「止めんか!バカ!下手をすればヤバいモンスターが誕生するぞ!」
「止められない止めらない!」
「なっ!」
ピカッと二人は一瞬で光に包み込まれその光がバーンと爆発した。
煙がモクモクと立ち上っているが二人のシルエットが煙の中から見えた。
どうやら成功したらしい。
「良くも…やってくれたねぇ!」
「コレしか方法は無かったから!コレで俺たちを縛る者は居ないし障害は無くなった!これから好きな事ができるぞ!」
「いい加減にっ!」
「おやおや…」
するとサンゴらしき黒髪で濃い金ブロンドのメッシュが入っている少女はルウカはらしきの濃い金ブロンド色で黒いメッシュが入っている少年を何かの技で締め上げていた。
「痛だだだ!」
「良くも強硬してやったね!体は確かに楽にはなったけども!やって良いことではないでしょうが!」
するとじっちゃんが仲裁に入った。
「まぁまぁ…落ち着つくのじゃ。今すぐに鑑定してみますじゃ」
【ステータス】
ルウカ・A・澄谷
レベル1
性別 ♂
年齢 5
称号 いつも巻き込む人
種族 人間
職業 宿屋の従業員?
体力 50
魔力 30
力 10
守備 5
魔防 10
技 20
【スキル】
【アイテムボックス(極)】【修理技術(極)】【運転技術(極)】
【エクストラスキル】
【精神が極太い(極)】【叡知を持つ者】【転生者】【自縛から解放されし者】
【ステータス】
サニカ・R・澄谷
レベル1
性別 ♀
年齢 5
称号 いつも巻き込まれてる人
種族 人間
職業 宿屋の主人
体力 30
魔力 50
力 5
守備 5
魔防 10
技 10
【スキル】
【アイテムボックス(極)】【生活魔法レベル50】
【エクストラスキル】
【様々な魔方陣が常に発動している宿屋とドアの召喚】【転生者】【自縛から解放されし者】
「あら、二人の名前が変わってるわ?」
「名前が前前世のに戻ってる…」
「俺の場合はビワトたちに呼ばれまくったからで、サンゴの場合もサニカと呼ばれ続けたからだろうな」
「いっそうの事、名前に関しては前のままでも良かったのでは?と思うんだけど」
「それだと何か不自由なんだろうよ」
「ファミリーネームが同じなのって」
「お互いの肉体を混ぜ合わせ血縁的にも兄弟やいとこのようにかなり近いからファミリーネームが同じなんじゃろう」
「あれ?でも髪の色まで変わってないか?サンゴは白髪だったしルウカの黒髪は分かるけど…今のルウカを見ると濃いブロンドだし」
「あー…それね」
「前に我々のステータスを見たときに一部を交換中って出ていただろ?それを解くと本来は俺がブロンドになりコイツが黒髪なのだよ」
「え」
「ここに居る者たちの秘密としといて欲しいのだが」
「それは言わなくても」
「そういわれると気になりますな」
「そうだろ?今は無くなったが俺たちがそれぞれ身に付けていた【銀のブレスレット】と【金のブレスレット】を使い【性別】を交換していたのだよ」
「「「え!」」」
「あっ言った」
「本来はサンゴが男でルウカが女だったってこと!?」
「ルトラ先生は転生先では姫として生まれサニカ先生はそれに仕える男性騎士だったと…でもステータスを見るとその通りでしたな。特に攻撃力」
「それにしてもよくもアイテムを使ったね!失敗したらどうするつもりだった!」と言いながらサンゴはルウカに飛びかかった。
「俺たちはコレで本当に自由になれたから良いじゃないか!」
「良くない!それとこれとは話が別じゃい!前の体は30代後半でまだ寿命もたっぷりあったでしょうが!」
「ぎゃー!」
「子供がチャンバラしてるみたいね」
「ホントだよ。あんな風にわちゃわちゃしてるの初めて見た」
それから約30分後まで続いた。
「はぁ…はぁ……一時休戦しよう」
「仕方ない……応じよう」
流石5歳児の体である。早くも体力の限界が来たようだ。
「五歳児が難しい言葉をペラペラと…」
「わかる気がするな。コレで五歳児か…」
「数多の前世含めると精神年齢が数万歳じゃ」
「……ワタシはそろそろ寝に行くわね」
「わかった」
「また出てこれるまでね」
ルヴェルはオレのオデコに軽くチューしてから竜の姿になり契約石に入って行った。
オレとじっちゃんはサンゴとルウカが落ち着くまでお茶を飲みながら過ごした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「それにてもやはりある程度のスキルは失ったな」
「でも極って付いてるスキルもあるけど」
「混ざりあった事で統合されたのかもしれないね」
「無くなったスキルは記憶を全て持ち越した代償としてほとんどのスキルを失ったのでしょうな。何年前でしたかな…ルトラ先生が持っていたアイテムと似たような物を使い同じ事をしたアホがいましたぞ」
「あぁ……ムエファンか」
「ん?ムエファン?」
「タオの曾祖父じゃ。先生方が使った奴の弱い奴バージョンのアイテムを使って記憶喪失となり幼女化した奴じゃよ」
「えっ」
「……やっぱりいるんだ…そういう人」
「うん。今はタオの所でナースしてるよ」
「「え」」
あのキレイ処が集まっているナースの中に元男が居るだと!?
「この姿になった事でまたフジトラたちに説明するのか…面倒だね」
「その前にモーリンの元に行くんだろ?」
「挨拶しに行くよ。その前にビワトたちにも毎回悪いけどステータスに乗っている名前で呼んでね」
「わかった。ルウカに関してはそのままだな」
「この肉体は本当に縛られている感覚がないから最高だぞ」
「私たちのせいでビワトたちが白理たちやヤバい奴らに狙われたらこの宿と日天の宿屋に籠れば害されることなく永遠に暮らせるから安心してね」
「さらっと怖いこと言った」
「この姿でモーリンたちに逢うのか」
「その辺はまぁ…うん」
「それよりルトラ先生はピーを運転が出来るのですかな?」
「大丈夫だ。俺たちが運転するピーはどんなに姿になろうとも運転出来るように作られているから」
サニカに【車庫】と言う所に案内され馬車モドキに乗り込むと運転席と助手席がウィーン、ガシャンとカスタムとやらされて五歳児でも運転出来るようになった。
※実際に五歳児に運転させたら犯罪なのでやらせては行けません。もし運転させるならテーマパークやサーキット場にある子供が運転できる専用の車かゲームセンターにあるマリ○カートなど子供が遊べるアーケイドゲームで遊ばせてください。
「では行くとしようか!」
「安全運転だからね」
「ほっほほ。モーリン先生たちがどの様に反応するか楽しみですじゃ」
「そうだな…(3年ぶりにエクルたちに逢えるのか…どんな反応するか少し不安だな)」
車庫が開きブロロロロと馬車モドキが動きだし流星の谷にあるエイスワイズ学園へと向かった。