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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【2度目の人生編~世界散策の章~】
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幻の大陸の終わり

「…とこしえの宝玉は大丈夫なのですかな?」

「この宿屋の中にあるから大丈夫だ」

「城の様な場所の天辺が光ってたのって…」

「あれはただとこしえの宝玉に反応して元祖魔王城の天辺に置いてある【水晶】が反応して光ってるだけだよ」

「ん?…元祖魔王城」

「浄化の魔王が居住していた城だよ。あの女神の事だからあの城に隠されてると思って飛び去ったからね」

「この宿の戸締まりをしたのはもしかして」

「うん、女神の魂がこの宿に入ってこれないようにするためだね。それにこの宿の本当の名前【様々な魔方陣が常に機能している宿屋】って名前だけど、それだと言いづらいから【天光の宿屋】と呼ばれているんだよ」

「なんか凄そうですな」



話込んでいるとルヴェルが目覚めた。



「あれ…ワタシは…何を」

「ルヴェル」

「あれ、力が入らないわ」

「ルヴェル、私たちの少し長い話を聞けるだけの体力はある?」

「あるけど、どうしたの?」

「今からつい先ほど起きた事を話すのとこれから起こる事を話すよ」



ルヴェルは寝っころがりながら話を聞いた。



「そんなことが起きてたのね」

「だから暫くは休んで貰って良いかい?」

「…えぇ、ビワトにも不運が来るのは嫌だもの良いわ。暫く契約石の中に入って休むわ」

「悪いね…昔の私たちなら解けたのだけど」

「ふふっ良いのよ。対処法を知っていたんだからそれだけで充分じゃない」

「まっルヴェルもこの大陸が役目を終えるのを見てから休むと良い」



二人は一ヶ所だけカーテンを全て開いてから祈りを始めるとまた元祖魔王城の天辺が輝きだし光が溢れだした。

そこへ真っ黒い何か元祖魔王城の天辺に入って行くと紫色の光に変わったがそれ以降は特に変化なく宿が揺れた。

そして元祖魔王城が崩れ大陸の大地が更に輝きが最高潮まで増すと大陸がゆっくり崩れ始めた。

ルウカは少し悲しそうな表情をしていた。

そして紫色の塊が崩れた元祖魔王城から出てくるとこちらの宿にやって来て到るところを必死に叩く音と声が響き渡ってきた。



『良くも高貴なアタクシを騙したわね!!出てきなさい!卑怯者ども!』



サンゴとルウカはカーテンが全開の窓の側に向かうとその窓に美しさの中にどす黒い何かがある表情の女性が現れた。



『やはりお前たちか!!浄化の魔王!大魔法使い!』



今この女神の魂は何て言った?



「俺たちは既に転生して今はただの人間だ…そんな人物はもう居ない」

「君も変わらないね。反省したかと思っていたけど昔のどす黒いままじゃないか」

『煩い!煩い!!どうしてこの大陸が崩壊を始めている!!とこしえの宝玉はどこだ!!』

「さぁ?お前には教えな…いや、お前では見つけられない」

『小癪なぁ!!』

『いい加減になさい、我が祖父と母を貶めて起きながら…まだそんな事を言っているのですか?』

「「!?」」



サンゴとルウカは驚いていた。

その様子を見ていたカーウェンのじっちゃんも窓側にやって来てその姿を見て「プレシセア先生」と言って驚いていた。

オレもルヴェルを抱えて窓側に向かった。



「あの人は…」

「まさかプレシセア先生まで現れるとは。それに隣の方は……先生がお探しになさっていた方に出逢えたのですか?」

「おい、サンゴ」

「言わなくって良いさ。相変わらず元気そうだよ」



そして窓の外では事態が動いた。



『貴様はあの木偶の坊どもの生き残りか!!』

『木偶の坊ではありませんよ。つい先ほど終わりを迎え全ての始まりに還った深き森の聖域に住んでいた住人です。それにしても本当に懐かしい宿屋が目の前にありますね』

『話を逸らすな!!』



女神の魂が肉体を具現化させて美しいエメラルドグリーンの髪を持つ女性の首を掴んだが、エメラルドグリーンの女性は全く効いていない様だった。



『はぁ……僕たちがまだ生きていた時から色々と邪魔をしてきてくれたけど。僕たちにはそんな攻撃は効かないよ?』



キラキラと魂を輝せている黒髪の男性が女神の具現化した腕を掴むと女神の魂は苦しみだした。



『ぐぅぅう!この光はなんだ!体が焼ける!…貴様は何者だ!』

『覚えてないのか……僕は君が首を掴んでいる女性を愛するただの人間の魂さ…離してくれるかい?僕の愛する人を』

『まぁ』



女神の魂にとって男性の輝きが毒なのか苦しみエメラルドグリーンの髪を持つ女性の首を離し距離を取った。



『私の輝きで削ってあげようと思ったのに』

『君は容赦しないからね。僕はあの人に関わって君が穢れて欲しくないんだ』

『ふふふ…ありがとう。もうこの大陸も無くなってしまうのね』

『僕たちが生きた時代は神話と呼ばれて本当にあったのか?って言われてるみたいだからね。でも最後にあの二人の姿と君の生徒だった子と会えて良かったと思ってる』

『そうね…お元気そうで良かったわ』

『では僕たちは顔を出したし、そろそろ次の旅路に行こうか』

『はい』



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「あっ二人がこっちに手を振ってるよ」

「プレシセア先生、ご苦労様でした」

「また…次の旅路で会おう」

「…………………」




二人は手を振ってにこやかに微笑み男性が女性を側に寄せて光となって消えていった。



「サンゴ、良く目と魂に焼き付けておこう」

「そうだね。大昔を知る者としてね」



距離を取っていた紫色の女神の魂は宿屋に近づいて来ると必死に窓を叩き浄化されたくない!消えたくない!と叫んでいたが遂には光に呑まれ消えていった。



「あっ……一瞬で何も無くなった…あの女神の魂はどうなるんだ?」

「行き先は決まってるからねぇ」

「ビワトたちは縁がない場所だからそこまで気にすることはないぞ」

「…そういうものなんだな。何もない空間になったのにこの宿は平気なんだな。この大陸とオレたちが生まれた世界って繋がっているのか?」

「いや、この大陸と向こうの繋がりはこの大陸を隠す時に浄化システム以外の関わりを全部ぶった切ったらしいから関係ないと聞いている。そして消滅したから浄化システムが停止しするからかつて無いほど荒れるだろうな」

「そんな事も出来たのね…」

「ではどうやって戻るのですかな?」

「普通にこのドアを通って竜の谷に向かいたいと思えば行けるよ。この宿屋は【日天の宿屋】と同じくノーリスクで数多の空間に繋ぐことが出来るみたいだから。

誰の目にも触れないように私を通していつでも行けるから今はこのままで」

「ルヴェルはビワトの持つ契約石の中へ」

「それじゃ、この厄介なのが解けるまでね」

「絶対にこの契約石を守って見せる」

「熱々じゃのう」

「なぁ、サンゴさんやい」

「なんだい?ルドヴィカ様」



急にルウカの奴どうしたんだ?



「この宿ならアレが使えるんじゃないかい?」

「あー…科学を使っちゃう?」

「テレビに映る映像を見てからでも遅くないと思うぞ」

「だね」



するとサンゴはテレビとやらをガチャガチャと弄ると突然その何かに竜の谷の様子が映った。



「映ったぞい…どれどれ……ん?」

「どうしたカーウェ………ん?」



ルウカとじっちゃんが頭の上に?と浮かべていた。



「どうしたん………あれ?竜たちが…」

「ルヴェル近づいてオレたちも見てみるか」

「えぇ」



ルヴェルを伴いオレたちも映像を見た。

そこに映っていたのは学園が中央にドーンと現れ竜の谷のドラゴンと共存?していた。



「……既に学園が表に出てたよ」

「魔王たちの様子を見て様子を伺い近寄るのを止めたのか」

「モーリンの事だから他にも何か理由がある?」

「一部の王族に挨拶もしないで生活していたのかのう?」

「オレはエクルたちに何を言われても良いから会いたいな」

「ビワトはそうなるだろうな」

「ビスカちゃんはどうなんだろ」

「確かめに行くかね」

「その前にオレとサンゴはやるべき事がー「それは却下」



サンゴはルウカに最後まで言わせなかった。



「俺が何を言うか分かっているのか?」

「うん」

「何をしようと言おうとしたのですかな?」

「……私たちが生まれ変わった地球系列の世界に心残りがなければ白理たちによって作られた制限があるこの肉体を捨てて新しくこの場所で作り直すかここに保管してある【転生するためのアイテム(神級)】を使って転生するかでしょ?」

「「えぇ!」」

「ろくでもなかったぞ」

「なんで分かった」

「君とは本当に長い付き合いだからね…ろくでもないことを考えているときは私だけがわかる事をするのさ」



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