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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【2度目の人生編~世界散策の章~】
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驚愕の真実 2

「コレはコレは……やはりあの濃密な魔力はカーウェンの爺さんだったか」

「おや…アタシの孫の前と後ろに立つのは死んでいった爺さんと婆さんの転生体か」

「お久しゅうございます。元観測者様方とカーウェン殿」

「久し振りだな。どうだ俺とサニカ(・・・)が居ない世界はとても過ごしやすいか?」

「元観測者が居なくなってかなり快適になったぜ」

「そうか……まさかお前たちが今回の時空間亀裂を引き起こした犯人だったとは思いもしなかったよ」

「元観測者様は既に知っているのですね」

「情報が駄々もれだったよ」

聖王(ベルールカ)よ、もう俺たちを先生と読んでくれないか」

「呼ぶわけないじゃないですか名前を呼ばれるのも吐き気がします。……お前たち老害…いいえ、ゴミが居てくれたお陰で憎きシルトのガキどもをわたくしの手で殺せなかったのですから」



オレとルヴェルはベルールカと言う人物の表情を見ておののいたがカーウェンじっちゃんやルウカたちはけろっとした表情をしていた。



「その割にはレンゲやルヤーノには手を出さないんだな?」

「この二人は【転生魂術】を使い既にシルトの住人の肉体を捨て新たな体に作り替えてますから」



その言葉を聞いた3人はまた驚いた。



「…いつからシルトの住人を憎んでたのじゃ?」

「そうですねー……わたくしたちが子供の頃からです。よく母や父が言ってましたよ。「シルトの街があるから我々は自由がないし好きな事が出来ない。観測者たちが居るからこの世界は停滞し発展しないのだ」とね?」

「魔族たちもそろそろお前たちゴミが作り上げた平和に飽きた。いい加減に本能をさらけ出し好き勝手暴れたいんだぜ」



好き勝手言っている魔王たちはとても恐ろしい表情をしていた。学園は大丈夫だろうか…エクル…お前は俺たち【シルトの街】どう思っていたんだ?



「……呪われたり操られてないね。本心みたいだ」

「俺たちが作り上げた平和はもう必要なくなって居たのか。そうか」

「べ…聖王様はどうしてシルトの住人を憎む?」

「お父様たちが昔からそう言っておられましたから」

「そうか」



じっちゃんは衝撃的な事を言った。



「シルトの街に嫁や婿が来る者は…国に所属していない者か【異世界の住人(・・・・・・)】じゃというのに…」

「何を言っている!【シアレ】は魔王国の住人で俺の息子の警護をしていたぞ!!」

「はぁ…」



じっちゃんがため息を着いたら魔王たちの殺気が強くなった。



「そうだ!矛盾しているではないか!だったらレンゲはどうだったんだ!ルヤーノは聖王国出身だぞ!」



今度はルウカが喋った。



「ルヤーノもシアレも生まれて間もない魂の状態で異世界からこの世界に迷い込んで来ている異世界の住人の魂だった。

この世界は様々な世界から客人が良く来るだろ?その影響で生まれたての異世界の魂が迷いむんだ。

そしてこの世界の魔素などを取り込み新たな肉体を製作してあたかも元々ここに居ましたよ?な感じで馴染み天命を迎えると光となり消える。

アシュクラフト初代当主ティルクス以降の家を継ぐ者は必ず異世界のさ迷う魂を伴侶として娶ってるからこそ、その伴侶が眠る場所には何も残ってないだろ?」

「だが【転生魂術】を使っても影響は無いではないか!」

「当たり前さ【転生魂術】は新しい肉体をその場にある術の対象生物や物を混ぜ合わせて新たに作り替えてる術だからね。

だからレンゲもルヤーノも魔力の根本的な部分が違うのか。…ルヤーノの体の一部が残るようになり二人合わせて残りの寿命は3年って所だね。一体どんな素材を使ったらそうなる」

「後は…シルトの子供たちが強い理由はそういった異世界の人間や異種族の魂の力を色濃く引いているから肉体も強く育つ」



オレとルヴェルはただ黙って見ている事しか出来ないが……仕方ないよね。だって怖いもん。エクルたちはどうなっているか聞きたいのに聞けないな。




「そろそろ、お暇を貰いますかのう」

「まて!この世界を停滞させていた元凶を逃がしてなるか!それに今はかなり弱体化している!お前たち行くぞ!」



魔王たちが動き出すとサンゴが直ぐに動いた。



「何万年も隠し続けてきたドアよ、数十万年の時を経て開く時がきた!私を中心とする危害を与えられそうとしている者と大切な子らを天光(てんこう)の内側に運びたまえ!」



サンゴを中心とした所からサンゴの魔力とは別のとても安心する優しい魔力が溢れだしオレたちをどこかへ飛ばした。















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




【天光の宿屋】


《リビング》


「………ここは…?」

「目覚めたか」

「じっちゃん」

「ここはあの【日天の宿屋】よりも先に作られた【無敵の宿屋】シリーズのオリジンの場所らしいぞ」

「……え?まだあのチート宿屋が合ったの?」

「おや、目覚めたみたいだね」



サンゴが階段から降りてきた。



「うん」

「ここは1度この宿を作った【火の勇者】の手から他の人物に譲渡されていたんだけど。その方が私の元にやって来て私に鍵をくれてね。内装とか弄らないでくれていたみたいだ」

「まだそんなヤバい宿が合ったんだな」

「この宿屋を知っているのは私とルウカとラブしかもう居ないから、奥の手として隠していたんだ」

「見たことない物がいっぱいあるな」

「ここの内装は異世界の【地球】の【日本】という場所で良く使われている【和式】と言う奴さ」

「へぇ」

「この宿がある場所はどこなんだ?」

「【幻の大陸】と呼ばれる【魔神】や【時空維持委員会】の連中や今の【魔王】たちやシルトの子供たちですら来れない場所だよ」

「そんな場所がまだ…」

「この場所を知っていた俺やサンゴ…そしてラブナシカですら通常は行けなくなっていた場所だな」

「外の様子を見てきたが……昔と変わって無かったぞ」



オレも立ち上がり窓の方を見ると大陸全体が輝いて見える。



「ワシもこの場所からとてつもない程の力を感じるのじゃ!」

「じっちゃんがハッスルしてるよ。あれ?そう言えばルヴェルは?」

「ルヴェルは上空をから大陸を見て回って貰ってるぞ」

「1日で回れるの?」

「上空からだとな」

「へぇ…オレが最後に目覚めたのか。あれ?オレってブレスレットしてたっけ?」

「この宿の時間の経過が特殊でな。

この宿の持ち主が作ったアクセサリーを身に付けないと大変な事になるから着けさせて貰ったんだ」

「それでか」

「他のデザインが良ければあるぞ?」

「このまま良いよ」

「そうかい?ならルヴェルが帰ってくるまでお茶でも飲みながら待つとしようか」



サンゴが何かのカラクリから飲み物と茶菓子を取り出し持ってきた。



「そのお茶は?」

「数十万年前に【火の勇者】が作ったお茶と茶菓子だよ、嫌ならお茶を入れ直すよ」

「えっ!」

「…………」



取り出されたお茶と茶菓子をじっちゃんは見ていたが【火の勇者】か作ったという言葉に惹かれて飲むことにしたようだ。



「オレも貰うよ」

「そう?」



オレもサンゴから飲み物と茶菓子を受け取り一息着くことにした。そしてお茶を口に含んでみた。



「あっ…旨い。茶菓子も美味しい」

「この様な茶菓子はサニカ先生かルトラ先生の手作りでしか食べた事がないのう」

「こういった料理が受け継がれた【火の勇者】の血を引く【宿屋一族】が3000年前にはギリギリ居たけど途絶えちゃったからね」

「えっ」



サンゴがははっと乾いた声で笑ったのを見てオレは先の事は聞かないことにした。



「長い歴史があると色々とあるからのう~…旨っ」

「じっちゃんのお茶菓子を食べる手が止まらない」



そして素晴らしいタイミングでルヴェルは戻ってきた。



「この大陸ヤバいわ!とてもキラキラしてて凄いわ!……って皆何を食べてるのよ!ワタシもちょうだいっ!」

「ルヴェルも手を洗って椅子に座って待ってて。茶菓子とお茶を持ってくるから」

「はーい!」



のんびりとした時間を過ごしリラックスした。

ルヴェルもみたことがない美味しい茶菓子を食べて凄く喜んでいる。



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