貼り付けにされて~魔神の一味~
誤字報告ありがとございます。
クレイバール島の整備された道の端に移動し助手席のサンゴが例の【返還の杖】を持ち向こうの自世界に向かう準備をしていた。
「さて、最初は魔神をおちょくる為に魔神の神殿に乗り込むぞ」
「えっ」
「この車は一切のありとあらゆる攻撃が効かないから良いものの…」
「きっと魔神の奴らは悔しいくて顔が赤く染まるぞい」
「では出発進行!」
馬車モドキが動き出しスピードを上げて行った。
そしてサンゴが杖を使い小さな次元の裂け目を開けその中に突入した。
サンゴは小さな次元の裂け目を杖を使い閉じた。
「空間を移動するのってこういう感じなのね」
「この空間を生身で平然と移動できるのも居るから恐ろしい物だよ」
「サニカ先生たちは生身では移動できないのですか?」
「昔は出来たが今は無理だな。時空間の魔法が向こうの世界で使われ過ぎて安定してないからな」
「この馬車モドキだと移動出来るんだね」
「そうだぞ、このピーだけは特殊な構造で作られているから快適かつ便利なのだよ」
「さてそろそろ向こうの世界に着くよ」
サンゴがそれだけ言うと真っ黒い穴がポッかりと開いていた。
「闇に支配されつつあるんだな」
「……サンゴ」
「言わなくて良いよルウカ。この黒さは魔神の力じゃないね」
「ふむ…流石のワシでも感知出来ますじゃ」
「このスピードのまま飛び込むぞ!」
ルウカは真っ黒い穴に突っ込み進んで行くと何故か魔神の神殿が跡地風に荒れていて魔神の神殿の中央だと思われる場所に魔神らしき黒い塊とその仲間たちが十字架にかけられていた。
そして少し離れた所では【プレリローグ】の人たちと思わしき人たちも十字架にかけられていた。
「何だ、あれは」
「魔神たち世界を支配出来てねぇ!」
「何が合ったのかしら?」
「…俺でも分からん。昨日と今日で一体何が…時の巫女も貼り付けにされてるぞ」
「近くに寄らない方が良さそうだね」
「なんか前にもあった様な…?」
「前って?」
「……1000年前くらいかのう?」
「【十字架事件】の奴か…取り敢えず、魔王たちの元に向かうか」
「プレリローグの者たちも救う価値はないからそのまま行くぞ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【魔結晶の洞窟】
《出入り口…付近》
「………ここって例の大陸の数あるうちの入口だよな?」
「そうだが?」
「魔神はこの辺りには手が出せないんだな」
「この辺りの魔物は強いからね」
「魔神の攻撃を普通に弾くのがいるからのう」
「えっ」
「何度も襲撃があれば魔神の力の波動を浴びて変異するのが出てくるからな」
オレとルヴェルは絶句し引いた。
「途中でまた地底湖に行けたら行くか」
「行けるならもう一度潜りたいな」
「時間があるようなら寄っていこうか」
「ほうほう…魔結晶の洞窟の地底湖かのう…あそこは景色が良いのう」
ルウカは馬車モドキを発進させ移動を開始した。
【魔結晶の洞窟】
《地底湖》
「「…………………」」
「ふぉっほほ…凶悪なモンスターが発生しておるわ」
水竜の一歩手前まで進化した何かの魚が渦潮を発生させていた。
「あのモンスターに対して蹴りを喰らわせて良いが…サンゴを見ると出来ないな」
「レッツ・フィッシング」
「時間が掛かるようでしたらワシらで止めを刺させて貰いますぞい」
「うん、構わないよ」
するとサンゴは地底湖に釣糸を垂らすと直ぐに魚のモンスターが食い付いた!
「おっ…結構引きが強いか?」
「そこまでじゃないね。ビワト、ルヴェル少し離れてくれるかい?そろそろ上がるよ」
「もう釣れるの?」
「ルヴェル、じっちゃんの近くに行こうか」
「えぇ…」
サンゴはすぐさま魚?を釣り上げ地面に叩きつけルウカが止めを刺さしカーウェンのじっちゃんが魚?を調べていた。
「フムフム……これはまた珍しいですのう。魔の大陸に生息する弱小の【フジノトキマス】が進化した見たいですぞ」
「だから紫色の鱗を持っているのか…珍しい個体だったな」
「でも貝が食い漁られてないと良いんだけどね」
「その辺は俺とビワトで調べてくるぞ」
「ワタシもビワトたちと一緒に地底湖に潜りたいわ!」
「ここではマーメイドリングは使えない筈じゃ」
「そうなの?潜ったとしたら途中で引き返さないとかしら…」
「ここは自身の力で試すしかないからね……カーウェンも潜ってきな」
「そうじゃな……せっかくじゃから潜ろうかのう」
「ルヴェルは戻って来たら私の手伝いをしてね」
「はーい」
サンゴ以外は地底湖に潜る準備を始めた…20分後。
「それじゃ行ってくる」
「楽しみだな~」
「気を付けてね」
「まぁ…無理せず潜りますぞ」
「きゃー♪」
ザバーーンと地底湖に四人で飛び込み地底湖に潜った。
四人で順調に潜って行くと前にみた時より少し水が濁って地底湖の珊瑚が白くなっていた。
珊瑚の様子を見ていたカーウェンのじっちゃんがフム?と水中で触ったりして調べていた。
ルヴェルはそろそろ限界が来たようで上にあがろうとしていたがルウカが引き止め何かの魔法をルヴェルに掛けると苦しむ動作が無くなった。
さらに奥に行くぞとルウカが指示して四人で進んで行った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
地上に残った人物は魚を解体していた。
《地底湖の周辺》
「コイツは…地底湖の結晶珊瑚も食べているから結晶化も始まっていたか……それにしてもしぶとい緑色の河童も出てこないし…ルヴェルも戻ってこないね(それにさっきからこちらを見てくるのが居るね…どうしたものか)」