親友にぶっちゃけた
「何かすみませんでした」
「うちの魔王がすみませんでしたね」
じいちゃんとばあちゃんが「行方知らずの魔王ここにいるよ」とバルセイルさんを呼んで魔王を引き取って貰うことになった。
「貴女と言う人は、勝手にそんな事されると国が混乱するでしょう」
「確かに…すまぬ事をした…が!ミストルと言った者!我輩の夫になるティルクスの腕に噛みついて何をしておる!」
「栄養補給」
ミストルは吸血鬼のアルーヴさんと人間のイシェーラさんとの間に生まれた半吸血鬼でオレが小さい時に一度吸血されて以来何故か栄養補給として1ヶ月に一回~二回吸血されるようになった。
「ミストル人前でやるもんじゃないですよ」
「……お爺様の指示でも嫌だ…一般人達の前ではやないから安心してよ」
「くぅ~この者がバルセイルの孫だったとは!」
ミストルは約三千年生きているバルセイルさんの実の孫だったと言う事が判明したが、村の皆は知っていたらしい、知らなかったのはオレだけだった。
ミストルのお爺さん大物だったYO!この人前回の時すっごい強かったけど途中から手を抜いて戦ってたな…俺がじいちゃんとばあちゃんに育てられたと途中から気付いていたみたいだったな。
「バルセイルにアルーヴが結婚してミストルが生まれたと報告したら狂喜乱舞だったね」
「喜び爆発しますよサニカ母さん!アルーヴは私の愛しのアネットが産んでくれた愛息子であり約千年ぶりに私の血を引く愛孫が誕生したのですから!シェリナもすっごい可愛いですが!」
「興奮するのはわかるがバル…サニカ母さん呼びが出てるぞ」
「確かに、ルトラ父さ…こほん…ルトラウス様」
「バルセイルがここまでべらべらしゃべるのを見たのは初めてだ……そういえば気分がハイテンション状態で公務をしていた時があったな」
「あらあら、バルセイルさんがここまで興奮してるの久しぶりに見ましたわ。こんな姿を母さんに見られたら笑われますよ」
「おばあ様もかなりの長生きなのね」
「フェルチェは相変わらずズバズバ言いますね…魔王様には悪いですが正式なお手続きをして頂かないといけないのでので持ち帰らせて頂きます」
「お爺様は魔王の国の宰相引退するの?」
「えぇ、私も久々の休暇が欲しいので引退して最初に作られた麓の村の方に戻りますが、アルーヴ達の邪魔はしないから安心してください」
「そっか、父さん達に連絡いれといた方がいいよ」
「サプライズで行こうと思いますので内緒にしておいてくださいね」
「うん」
「シェリナも大きくなっているでしょうから会いに行くのが楽しみです…帰りましょう魔王様」
「未来の夫よ!我輩の名前を覚えておいてくれ!我輩の名はカフェルネ・R・バルバロッサと言うのだ!」
と言ってバルセイルさんに魔王は連れられ帰って行った。
「ミストルが父ちゃん呼びしなかった」
「お爺様の前だからね、テス僕に話すことがあるんじゃないの?」
突然言われたから「なんの事だ?」とはぐらかそうとしたがばあちゃんに話しておけと言われた解せぬ。
フェルチェさんはフロクセア村に帰って行ったじいちゃん達も避難先に帰って行った。
オレも一度フロクセア村の近くにある隠れ里の屋敷でミストルとラセス達と過ごすことにした。
「ミストルこれから話す事はじいちゃんとばあちゃん…それから魔王が知っていることだ」
「ルトラウスさんとサニカさんが知っていることはなんとなくわかるけど、身内以外の人物が知ってるって事が僕は気に入らないから」
「ちゃんと全て話すから」
それからオレは前回の記憶を持ちやり直しをしていることを全て洗いざらい話した。
「…前回は僕は生まれてなかったんだ…だから魔王は僕が居たことで対抗してきたんだね」
「アルーヴさんは独身を貫いていたよ…魔王の奴ミストルに対抗してたのか?…おかしな奴だな」
「鈍感だねテスは…それにしてもアイツらからそんな風に扱いを受けていたんだ…」
「オレが鈍感?」
ミストルがため息を吐いた。
「…魔王といずれ結婚するの?」
「まだ考えられないよ」
「そっか」
「それに今はふたりで旅するの楽しいしな…魔王対策をとらないと回りに迷惑かけるよな」
「僕も協力するよ、リバンティエルに行って帰ってくるまでが今回の目的だもんね」
「迷惑かけたからオレが料理当番す「今日はふたりで作ろうよ」
「わかった」
ふたりで料理を作りラセス達と食事をとりゆっくり休んだ。