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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【2度目の人生編~世界散策の章~】
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ビワト捜索隊

最初の文章に間違って表示していた【サンゴの持ち運び式の家】を【新アシュクラフト邸】に直させていただきました。

大変申し訳ありませんでした。


【新アシュクラフト邸】


《リビング》


「ビワトが行方をくらまして1ヶ月ですか…」

「トレニアたちも籍を入れ正式な夫婦となり挙式を挙げさせたし俺たちのしゃしゃりでる幕は終わったな」

「怒濤の1ヶ月でした」

「それにしても挙式の最中に赤い文字で【オメデトウ】の文字と共に一応祝福の品を空の上から落としてきたのは流石に驚いたぞ」



挙式がカオスになり掛けたからセッティングした俺たちはかなり焦ったが直ぐ後に先生たちの祝いの品で事なきを得た。



「私たち親ですら潜んでいる場所を掴めないとは…私たちの息子は立派に育ちましたね」

「サンゴとルヴェルも行方をくらましたし」

「もしかしたらふたりがビワトの側に居てくれているのかも知れませんね」

「そうだな…さて俺たちも仕事に行くか」

「はい…まだ開拓は終わってませんからね」

「ルトラ先生はどうする?」

「俺はもう暫くのんびりさせて貰う」

「それじゃ失礼します」

「おう」




ふたりは行ったか…サンゴは養殖場を作り魚を養殖しろと置き手紙を残し私の家を回収してビワトを追いかけに行ったし……暇だ……あっそうだ、少ししたら新婚夫婦を茶化しに行ってくるか。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






【皆が暮らす島とは別の島】


《洞窟前》


「やはりここね」

「ルヴェルと私の追跡方法は合ってたね」

「しれっと結界を張ってやがるわ」

「でも早めに見つかって良かった……水の上を走ってここまで来たのか」

「かなり頑丈な結界が張られてるわ」

「タズルに【妖精の祝福】の力を分けていたのが自身に戻って来たから余計だろうね。まさかここまでとは…考えが甘かったね」

「どうやって説得に入ろうかしら?」

「今は殻に籠ってるから難しいだろうね。今日の所は近くに私の家を出して私たちも休もう」

「確かにここまでくるのに大変だったわ」

「今日はルヴェルは頑張ったから何が良い?」

「んー…海鮮丼と茶碗蒸しが食べたいなっ」

「わかった、作ろう」

「わーい♪」

「…匂いで誘えないよね?」

「一応結界の側に置いておきましょう?」

「それが良いか」




サンゴの日記


ビワトを捜索してから33日目にてビワトが潜伏していた島を発見し説得を試みたが呼び掛けに答えず黙ったままだった。

今日は休むことにし次の日に掛けるとしよう。


追伸 翌日ビワトが籠ってる場所に向かうと海鮮丼と茶碗蒸しがキレイに完食されていたので満足である。




ルヴェルの日記


ビワトを捜索し発見してから2日目かしら?

ビワトは相変わらず閉じ籠ったまま…どうしたら失恋の傷を癒せるかしら…。

本当は干渉しないで放っておいた方が良いの?

サンゴから習った料理を作ってみた。少し焦げちゃったけどサンゴは行けると言ってくれた卵焼きとおにぎりをビワトが籠っている場所に置いておいたわ。


追伸 感想はなかったけど少し焦げちゃった卵焼きとおにぎりが完食されていた…サンゴの言っている通り食べて貰うと嬉しいものね♪

でも相変わらず返事もしてくれなかったけど。




サンゴの日記2


ビワト発見から3日目に洞窟の中から啜り泣くのが聞こえた。

声を掛けたが反応なし…どうしたものか。

暇なのでルヴェルと交代でこの島の散策とビワトの観察を交互にすることに決めた。

今日は魚の煮付け定食とプリンを作って洞窟前に置いておいた。



追伸 今回も完食したので良しとしよう。



ルヴェル日記2


ビワトを発見して4日目の夕方に異変があったわ。

洞窟の中で突然ビワトの苦しそうな声が聞こえ始めたから竜に変身して洞窟を吹き飛ばそうとしたけど強力な結界の前では防がれその爆音でサンゴが驚いた表情をして戻ってきた。

サンゴに何があったのか説明したらサンゴが見たこともない黒い刀を取り出し「ビワト、すまんな」と言って洞窟に向けて一振りしたらビワトが籠っている洞窟と連なる山が真っ二つに割れた。

ワタシのブレスを弾いた結界をスパッと切ったのを見てわたしはサンゴを本気させるのは止めようって思ったわ。

真っ二つ割れた洞窟の中心に目的のビワトが体躯(たいく)座りしていたのを発見しサンゴは風魔法でビワトを持ち上げ安全な場所に運んだ。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【とある島の中心】


《ビワト発見から5日目の明朝》


「ビワト~体躯座りしてないで返事して」

「……………」

「この感じ…何代目かの当主を思い出すよ」

「……………悪いがもう少し放って置いてくれ」

「喋った」

「発狂しながら出ていくから心配になったのよ?」

「ルヴェルとサンゴはこの事は知っていたのか?」

「それは…」

「あぁ、知ってた」

「あの1週間は…」

「あの1週間はトレニアとタズルに本当は結婚するのか?早くないかとフジトラたち(島に居る人たち)がふたりを説得していたんだ」

「………」

「最初に連絡が来たときは私もルヴェルも【青天の霹靂】だったよ」

「……でも隠す事はなかったんじゃないか?」

「私はビワトが帰ったらタズルに告白をすると意気込んで居たのを知っていた者として、あの1週間で「タズルが思い留まりビワトの告白をタズルが振ってからトレニアと付き合ってくれる」のだと思っていたんだ」

「(ばっバレてただと…)……でも揺るがなかったと?……本当にオレを一人にしてくれ」

「わかった。だけどこの島から出るんじゃないよ?何かこの辺り周辺の海域で怪しい動きが今日に限り見えたからね」

「ビワト…」

「ほら、ルヴェルも行くよ」



それだけ言うとサンゴはルヴェルを連れて離れて行った。



「…………それにしても…サンゴは凄いな………オレの結界ごと洞窟と山を一刀両断しやがった」



…本当はわかってるんだ…コレはオレの気持ちの問題だと。まさかトレニアに負けるとは……まぁ…3年前のアレ以降は気を使って居たつもりだったけど…父さんに言われた通り実際は小さい頃のあの約束は期限切れだったんだろうな。

暫く恋愛関連からは離れたい…マジで恋に敗れると胸がチクチクする…ふたりの晴れ姿を見たらぶち壊したい衝動に駆られたし…オレはダメな奴なんだと悪循環に陥るし…あー好きだ嫌いとか何で人間はそんな感情があるんだ…。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【サンゴの持ち運び式の家】



《リビング》



「サンゴ、どうして離れたの?」

「あのまま絡んでいたらまた行方をくますよ」

「…前例があるのね…」

「聡いね。……何代前のアシュクラフト当主で婚約者を寝取られた事件が起きたときがあるんだ」

「へぇ…」

「その時はルウカが絡みまくって寝取られた当時の当主がキレて本気で行方をくらまして私たちでも見付けられなかったよ」

「それで当主様は帰ってきたの?」

「帰ってきたのは行方をくらましてから5年後だったね」

「ごっ5年も!」

「そしたらどこで捕ま……婿を連れて帰ってきたよ」

「女性当主様だったのね」

「まぁ…当時の当主は気が強くプライドの高い子だったから元の婚約者よりもかなり優秀でイケメンな婿を抱えていたね」

「凄いわ…」

「帰ってきた時に発した言葉も「婿を探し連れてきた!次世代の心配はなくなったぞ!」って言ってた」

「男らしい人ね」

「そんな事もあったからビワトも本気で隠れれば見付けられなくなっちゃうかもしれないからね」

「……ビワトがこちらに来てくれるまで待って見せるわ」

「あの様子だと今日の内に来るかもね」

「だと良いのだけど」





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