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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【2度目の人生編~世界散策の章~】
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そして少年は叫び行方をくました

【珊瑚の楽園】


「1週間立っても特に異変もモンスターも現れなかったな」

「そうだね…そろそろ戻ろうか」

「この辺の岩盤の質が賢者の石で出来ていたとは思わなかったねぇ」

「ソヨミもご苦労様だったね」

「良いんじゃ。暫くは新しい自宅兼魚屋でのんびりさせて貰おうかねぇ」

「家は出来てるだろうから楽しみだね」



とんでもないスピードで作る家は平気だろうか…。



「そうね…」

「どうしたんだルヴェル?元気ないじゃないか」

「そっそう?」

「そんなに海が気に入ったのか」

「えぇ!そうね!」

「また今度皆で来よう」

「それじゃ陸地に向けて帰るよー」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【???島】


《???浜辺》



「皆で出迎えてどうしたんだ?」

「うぇーい!ビワト元気だったか!」

「父さんテンション高くない?」

「良いことがあったからな!」

「どんな?」

「トレニアがー」



父さんの後ろから母さんが現れ首筋に手刀を入れて気絶させ首根っこを掴んだ。



「ビワト、お帰りなさい」

「ただいま」

「早速ですがビワトには私から話すことがあります。出来立ての私たちの家に来て下さい」

「えっあっはい」



オレはそのまま新しいアシュクラフト邸に連行された。新しい家に着くまでにオレはシルトの街の人たちから可哀想な人を見る目で見られた。




【新アシュクラフト邸】


《居間》


「単刀直入に言います」

「…ゴクリ」

「トレニアとタズルが結婚します」

「えっ…もう一度?」

「トレニアとタズルが結婚すると宣言しました」

「ワン・モア…プリーズ…」

「現実を見なさい」



えっタズルとトレニアが結婚?なんで?へっ?いつの間にそんな関係になってたのか!?そんな雰囲気一切出してなかったよな!?なぁ!?



「ナニモキコエナイ…コレハユメダ」

「……うぃ~」

「ちっ…目覚めるの早いですね」



最悪のタイミングでフジトラは目覚めた。



「ビワト~残念だったにゃ~…うぃー…ヒクッ……ガッハハハ!まぁ…15歳をヒクッ…過ぎてるから結婚はぁ出来ふわらぁ~」

「シルトの街の連中知ってたんだな!?そうなんだな!?」

「トレニアもタズルさっしょく【でぇ~とぉ】してたぞ」

「どうして…ドウシテなんだ!?…結婚の約束してたじゃないか…」

「しょれはお前ひゃちが小さい頃だろぉ~?もうやくしょくの期限はしゅぎてるんだにょ~うぃー…」



その場の空気が氷点下になった。



「ビワト、フジトラに関しては私がこの後たっぷりとシバきますから武器は置いていきなさい。当の本人たちの元に行くのなら尚更です」



流石母ちゃん良くわかってやがるな…。



ゴトッと懐にしまっていた(ぶつ)を落として八つ当たりだが父親の頬に1発入れてから家を出た。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



【????島】


《絶景の崖》


「ビワトどうしたのですか?」

「目付きが…」

「ボクの妻となるタズルが怖がっているから雰囲気どうにかしてくれませんか?」

「ソンナコトナイヨォ~オレハフタリヲ祝福シニキタンダヨ。オメデトウ。マサカ二人ガヒソカニツキアッテイタナンテ…ソレニ悪イコトヲシタナッテ謝リニキタンダヨ」

「その辺の事に関しては仕方がなかったと聞いていますから…それに彼女に関しては一目惚れだったのですよ」

「ヘェー」

「ルヴェルに対してナンパしたのは僕にヤキモキさせるためだったんだ」

「本当に彼女は―――」

「彼は―――」



オレは二人の会話を流すことにしたがふたりは手を繋いでイチャイチャしだした。


「…ソレナラ何デ直グニ言ッテクレナカッタノ?早メニ言ッテクレレバ俺ハサッサト身ヲ引イテ今頃ハ傷心旅行ニ行ッテタノニ」

「えっ」

「トレニア…」

「なっなんでしょう?」



そして深く息を吸い吐いて心をオチツカセタ。



「…オ前トハ絶交ダ…友人ダト思ッタノニ…」

「そうですか…(男の嫉妬もなかなかですね)」

「ダガ一応祝福シテオクヨ。本当ニオメデトウゴザイマス。二人トモ幸セニナッテネ?」



ソレダケ言ウトオレは振り返り叫びながらその場から走った。



「怖かったですがシアレさんの言うとおりでしたね」

「彼には悪いことをしたか……あれ?」

「どうかしました?」

「急に体が重くなった?」

「多分疲れが出たのでしょう。緊張感が凄かったですからね」

「うん…シアレさんとフジトラさんには仕方ない事で彼が落ち着くのを待つことなく結婚したいならしろと言われたけど」

「結婚式のドレスとかも用意してくれるとも言ってましたね「こうなる可能性も考えて居たからそこまで考え込まなくても良い。きっとビワトにも相応しい女性が現れる」と…本当に出来たご両親ですね」

「そうだ…ね」




トレニアはタズルを抱き寄せてイチャイチャしだした。そんなふたりを覗くのが複数…。




「あーイチャイチャしてる若いな~……それにしても勿体ないことしたな。タズルのお嬢ちゃん」

「魔法が解けたふたりはどうなることやら…」

「確かに…妖精の祝福が解けましたね…普通の生活に戻れますかね?」

「若いから大丈夫でしょ」

「これまで出来ていた超人的なことが急に出来なくなりますし…【妖精の祝福】が解けた方を見るのは初めてですから通常の生活に戻るまでの観察させて貰いましょう」

「名前は匿名にしろよ」

「わかってます」

「一目惚れ同士か…コレも観察対象になるかもしれないわねっ」

「お前はこういうの好きだよな」

「そりゃね!アタイはこういうの好き」

ナフィーレ(親方の妻)は昔からですね」

「ぐへへ…泥沼の関係に陥らないかしら…」

「娘よ…止すんだ」



そこへシアレとボコボコになったフジトラがやって来た。



「…孫を見るのはもう少し先になりますね」

「シアレたちも来たね」

「あの様子だと直ぐにでも籍を入れるな」

「その辺はご心配なく。親友の残した娘ですので結婚式やウエディングドレス等は準備は用意させて貰ってます…少し手直ししないとですかね」

「わたくしも手伝います」

「お願いします」

「その辺はやっぱり用意してたんですね」

「抜かりなくな。だがビワトと結ばれてくれれば…」

「フジトラ、それはもう過ぎたことです。こちらとしては近所の人の付き合いとして関われますから困っている様子なら普通の生活に慣れるまでは手助けします」

「それにしても最近の若者は早いな~」

「まぁ…20年前に世界規模での成人年齢の引き下げがあってから凄いわよね」

「……ビワト叫びながらどこまで行ったんだ?」

「魔力の感知が出来ませんね」

「………これだと暫く戻って来ないな。まぁビワトも15だし平気か」





その一方では…




「わっはは!やはりこうなったぞ。オレの勝ちだな」

「最近は純情な愛と言うものはなかなか無いのか」

「ほら掛けてた物を寄越せ」

「あぁ…【世界樹のブランデー】が持ってかれた」

「コレは元の世界に戻った時の楽しみにしておくか」

「さて…私はビワトの捜索に行こうかね」

「おっ行くのか?」

「ルヴェルが心配して空を飛び回ってるからね。暫く空けるよ」

「それは構わないが…そうだ。俺たちが作った街はどうだ?」

「良いんじゃないか?海竜が生息しているみたいだからこれくらいでね。壊して作り直せとは言わないよ。後は置き手紙しておくから宜しく」

「普通に話してから行けば良いだろうに」

「皆が変な熱に浮かれてるから無理、今作らせたら手抜きになるからパスで。一応どの場所にとか書いておくから落ち着いたら作って置くように。あと養殖する魚を【火天の宿屋】にある生け簀に入れておくよ」

「わかった。気を付けてな」






トレニアは宿から出たあの日にタズルを見て一目惚れをして実は押せ押せでタズルにアタックをしタズル本人も悪くないと思っていました。

実はトレニアの一目惚れにはビワトが関わっていてそれは上のフジトラたちが言っていた通りの【妖精の祝福】により魅力的になっていてからです。

そしてトレニアはビワトという邪魔が入らないタイミングで今がチャンス!とプロポーズしたのでした。




追伸として


妖精の祝福を失った者はエンロウが言っている通り普通の人間の生活に戻ることになります。

それは妖精の祝福によって【不運】から守られていたのが無くなり【不運】が人並みに起きるからです。

世界は広いと言うことで妖精と結ばれる人はかなり少ないですが居るには居て最後まで添い遂げたカップルの殆どは幸せな人生を歩んでいますが途中で妖精から離れると順風満帆に行っていたのにその辺に暮らす人たちの様に通らなくなり堕落した生活になる人も出るためシアレは適度に手助けをすると言っているのでした。



ですがご安心ください。ふたりは仲良くやっていけるでしょう…ギャグ担当の夫婦として。





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