空から押しかけ魔王が降ってきた
勇者の引き渡しの為にマクスウェル教皇が直々に来ることとなりカリーナ姉さんをフェルチェさんが呼び出して半壊した村を浄化しながら直して2日がたった。
「もう、母さんたらこんなことで呼び出さないでよ!」
「家直すのに貴女の力が必要なのよ」
「父さん呼び出してよ!」
「パパはボルケルミア火山に行ってるから連絡とれないのよ」
「7日前にボルケルミア火山にしか生えない薬草送ってきたわよ!」
「あら、そうなの?……パパたらわたしの返事を無視してるのね?」
「カリーナ姉さんに頼まれた木材持ってきた」
「ありがとう、ティルクス」
「僕は鉱石持ってきたよ」
「ミストルもありがとう…さて最後の母さんの家を作り直しますか…よいしょ!」
あっという間に家が建った。
「カリーナご苦労様ね」
「わたしは帰るわよ」
「もう少しここに居なさいな、紅茶入れてあげるから」
「嫌です」
「フェルチェさん、カリーナ姉さん村の周辺の見回り行ってくるね」
「僕も着いてい「村長!マクスウェル教皇様の一団が村に到着しました!」
「あら?早いわね、シェイルーン教会本部からここに来るまで早くて10日かかるのに」
なんという早さでやって来たんだろうか…すると金髪のイケメンがはや歩きでやって来た。
「先生!カリーナが来ているとは本当ですか!」
「その前に罪を犯した勇者と仲間たちを教皇の檻に入れなさい」
「少しだけお待ちを…所でこの茶髪と銀髪のガキは誰です?」
「麓の村の旅人よ」
「!……カリーナの事を姉さんと呼びベタベタ触りやがる例の小僧どもか」
「ルトラウス様とサニカ様に直接鍛えられた子供たちだから手を出しちゃ駄目よ?」
「!!」
「僕この人嫌い」
「オレも同感だ」
「わたしも苦手なのよ」
「カリーナ!私と結こ「かの者から守りまたえ【淑女聖域の守り】」
カリーナ姉さんはオレとミストルとフェルチェさんも含めて結界で覆い隠した。
「さっさと勇者と野蛮人達を引き取りなさいよ」
「カリーナ!悪かった!謝るから姿を見せてくれ!」
「さっさと帰れ!ド変態!弟分たちに向かって睨みを入れるなんて最悪よ」
「フェルチェ先生!なんとか言ってくださいよ!」
「わたしはマクスウェルちゃんをこんな子に育てた覚えはありません」
「そこをなんとか!少年たちよすまなかった!」
「教皇相手にカリーナ姉さん容赦ないね」
「こいつが訓練生の時に母さんにナンパしててね、人妻だとわかると今度はわたしに付きまとってきたの、そこで色々されたわ…」
「僕はカリーナ姉さんの旦那としてこの人を認めないよ」
「絶対なんかあるな」
「まずは罪を犯した勇者たちを檻に仕舞いなさい」
「わかりました、仕舞ってきます」
教皇が「どこじゃワレェ!シバいてくれるわ!」と言いながら離れて行くとカリーナ姉さんは結界を解いた。
「帰っていい?」
「一応ここに居てくれるかしら、いざとなったらシェイルーン教会本部に強制送還するから」
「わかったわ…また弟分に何かしてきたら許さないんだから」
しばらくして教皇が戻ってきた。
「お待たせしました、これで安心です」
「さっさと帰りなさい」
「この冷たさが良い、どうしたらカリーナは私とけっ「ようやく見つけたぞぉおお!!」
マクスウェル教皇がいた場所に空から女性が降ってきて教皇が地面にめり込んでる……ん?こいつもしかしてオレが前回の時に殺した魔王じゃないか!ミストルたちを避難させないと!
「空から女性が降って来るなんて今日は面白いわ」
「ナイスタイミングね!」
「誰だろうこの人…人間じゃないね」
「魔王!何しに来た!」
「「「魔王!?」」」
「ソナタの妻になるため魔王を辞めてきた!勇者よ我輩と結婚しろ!!」
「いきなりなにいってるの?…テスが何でコレが魔王って知っているんだろう?」
「キャー!逆プロポーズ!!」
「なかなかの美人さんね…お赤飯炊かなきゃかしら?」
ミストルは相変わらず冷めてるな…カリーナ姉さん興奮しすぎだ、フェルチェさんは冷静だなぁ…って赤飯いらないよ!
「魔王何しに来た!」
「ついさきほどから言っておろう、ソナタの妻になるために魔王辞めて来たと」
「ミストル君、屠る為に動くのはまだ止めなさい」
「話を聞こうじゃないの」
「僕は認めないよ」
地面にめり込んでる教皇を放置してフェルチェさんの家ではなく隠れ里に魔王を連行した。
「さてと…お話良いかしら?」
「良いぞ」
「ティルクスの事を勇者って呼んでるけど何でかしら?」
「この者は勇者であろう?」
「ティルクスは勇者じゃないわよ」
「ティルクスと申すのか…良い名だな」
「テスが魔王って言ってたよね」
「我輩はもう魔王ではないぞ?辞めてきたからな…そうか、勇者として選ばれなかったのか…城で待っていたが来るわけないな、やはり我輩が動いて正解だったのう」
「どうしてティルクスの妻になるために来たの?」
「この者からキラキラしたものを感じたのだ!あと優しさと強さと器が大きい、それから魔力の量が半端ないのだ!」
「ても僕は小さい時からテスと一緒に居たけど会ったことないよ?」
「ふん、ソナタが知らないティルクスを我輩は知ってるからな」
「僕が知らないテス?」
魔王の奴、前回のオレの事を知ってるだと?…前回の時にハゲ猿たちとの旅を知っているのか…ミストルが蛇にらみしている…魔王の足がかくかくしてる…力の差を本能はわかっているんだ。
「そうだ、前ん「待て魔王、今魔王をやってるのは四天王の誰がやっている、次の魔族の王は四天王から選ばれるんだろう?」
「もしかしてソナタ……我輩に仕えてくれた四天王たちは引退した、我輩が魔王を辞めたときにな…さっさと城を出ていったから次の魔王は知らぬ」
「う~ん…ルトラウス様とサニカ様に連絡した方が良さそうね?」
「僕が連絡するよ」
「……マクスウェルちゃんの連れの近衛聖騎士たちが隠れ里の周辺をウロウロしてるわね…ウザいわ」
「近衛聖騎士は入れないものね隠れ里に、大事なお話ししてるから…秘技【強制送還】」
フェルチェさんが容赦なくマクスウェル教皇とその一団をシェイルーン教会本部に強制送還した。
「これで良いかしら?」
「容赦ないのだな」
「ここなら話を聞かれてないから聖戦じゃ!って老害どもが動くことは無いわね」
「カリーナったら枢機卿たちの事を老害なんて言わないのよ」
「…ソナタらは魔族の事を差別しないのだな」
「私たちは差別意識で育てられた子供と違うわよ?」
「確かにそうねぇ~そんな事をしたらお二人に怒られちゃうわ」
「僕達が暮らす村は純粋な人間、人魚、ドワーフ、ホビット、ワーキャット、コボルト、狐人、吸血鬼、エルフ、ダークエルフ、オーガ、妖精と天使とかのハーフと先祖返りがそこらじゅうにいるからそこまで気にならないよ」
「なんと!魔大陸シェーレアリセの大陸でないのにそんな村があるのか!それにプライドの高い吸血鬼と中の悪いエルフとダークエルフも共存したいるだと!」
「シルトフォレスト山にあるシルトフォール村って知ってる?」
「シルトフォレスト山……魔境だと!」
「「ぷっ!」」
「あらあら…魔族の方々からシルトフォレスト山は魔境って言われているのね」
「シルトフォレスト山は我々魔族ですら攻め落とすことが出来ない魔族でも太刀打ち出来ぬ魔物がうようよいる山だぞ!そこに村があるだと?あり得ぬ!」
「僕たちが暮らしているのは確かにそこだよ」
「わたしもそこで生まれたわね、ここに居る子供たちもそうよ?」
「なんということじゃ…」
「魔族は魔神を信仰しているんだろ?仲良くなるのは無理」
「魔神は我々魔族と人類の共通の敵じゃ!」
「えっ信仰してないの?」
「魔神は外側から来た追放された邪神だからな…この世界を奪おうとして失敗した愚か者だ…我輩らに宗教などない!」
「だったら魔族が人間側の大陸に攻めてきてるのは何でだ?」
「人間が奴隷として魔族の子供や女を拐うのと侵略してきているから対抗しているのだ」
「えっ…ルトラウス様とサニカ様は世界各国に魔族に手を出してはいけないと条約を作っているはずよ?それも大昔から」
オレは前回の時に魔族が人間を拐って魔神を復活させようとしているから親玉である魔王を殺せと世界各国の王に言われたが……前回の各国の王は魔神教にそそのかされてか傀儡の王されてオレが麓の村で育って強かったから利用されていたのか…魔神を復活させるために魔族が邪魔だったのか。
「その話は本当か?」
「だとしたら魔神教がこそこそ作っている地下の教会を潰しに行くのと閉じ込めた空島に居るバカを村人総出で懲らしめにいかないとだな」
一斉に振り返るとじいちゃんとばあちゃんが立っていたが、後ろの方には見たことのない男性が倒れていた。
「ルトラウス様、サニカ様来られたのですね…後ろに居るのは…マリウス!」
「どうして父さんが連れてこられているの!」
カリーナ姉さんのお父さんだったとは。
「ボルケルミア火山の主が住む場所だけに生えるフェニックス草を取ろうとして死にかけていたから拾ってきたんだよ」
「まぁ!…わたしの連絡が届いても返事出来るわけないわね…もう!なんて無茶をしたの?マリウス」
「今はそっとしてやりなさい」
「さて君が突如辞める宣言して行方をくらました魔王カフェルネだな?」
「突然バルセイルから連絡来た時は驚いたよ、上司が自由になる為に突然辞める!って言って行方をくらましたって連絡入ったときは驚いたよ」
「ソナタらバルセイルの事を知っているのか!」
「バルセイルは私達が育てた子供達の一人だよ」
「わたしはバルセイルさんは歳で隠居してたと思ってたわ」
「母さん知り合いなの?」
「サニカ様達が最初に引き取って育てた子供達の一人よ?」
「「えぇ!?」」
本日二度目のオレの驚きの声と…そして魔王も叫んでた。