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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【2度目の人生編~世界散策の章~】
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極上の結晶真珠

【魔結晶の洞窟】


《地底湖の周辺》


「戻ったか」

「うん」

「タズル君、服が濡れているじゃないか」

「そっそんな事より、まだパンツ一丁なのか!」

「ちょうど今地底湖から上がってきたばかりだからだよ、ビワトは今地底湖の底から帰ってきている所だから待っていたのだ」

「先に着替えたらどう?」

「ならタズル君も一緒に着替えるか?」

「僕はー「服のサイズ聞いてからするから先に着替えてなよ」

「わかった」


ルウカは岩の影に向かい服を着替えに向かった。


「自分のサイズいくつ?」

「あっ…Mサイズだ」

「わかった、アイテムボックスにあったはず…一旦制服を脱いでこの服を着ると良いよ」

「……感謝する」

「制服はこちらで乾かすから着替えたら貸して」


タズルはルウカとは反対の方の岩の影に向かった。


「さて…火お起こしして焚き火を作ってボックスから魚を取り出して焼いとこう」


ビワトとタズルが居ないことを確認して異界の文明の道具を使って火を起こした。


「コレでよし、処理してある串付きの魚を焚き火の近くの地面に刺してと…」

「おっ今日は焼き魚か」

「うん、ミート出したら多分食べられないだろうから」

「今はな、それにしてもビワト遅いな」

「マップを見る限りゆっくりこちらに戻ってるみたい」

「この地底湖は幻想的だからな…」

「大結晶シャコ貝何匹取れた?」

「5匹取った、暫くこの場所には戻ってこれなそうだからな。一匹は食べちゃおう。景気付けとして」

「捌いてね。ルウカが」

「分かっているよ」


暫くしてタズルが戻ってきた。


「良い匂いがする…」

「もう少し待ってね。ビワト君もう帰ってくるから」

「まだ料理は出来てないからセッティングしておいた椅子に据わって居てくれ」

「わかった」


タズルは素直に椅子に据わった。地底湖からブクブクと泡が立ち初めビワトが浮上してきた。


「よっ良かった…帰ってこれた…」

「おーい、ビワト!自力で戻ってこれそうか!」

「無茶ぽいから助けて…」

「了解した!」


水面に浮かんでいるビワトに向けてロープ付きの浮き輪を投げ掴んだのを確認し岩場の足場に引き寄せてルウカが回収して焚き火に前に置きバスタオルで巻いた。


「ギリギリだったみたいだな」

「途中で…魔力が切れて…寒っ」

「でも、どうだった?」

「地底湖の底を…見て初めて…景色で感動した」

「初めてで地底湖の底に行けたのか!」

「うん…お土産に結晶シャコの真珠取ってきた」


ビワトは大きな【結晶真珠】をサンゴに渡した。


「確かに…これは地底湖の底じゃないと取れない大きな結晶真珠だね」

「【結晶真珠】って!オークションに出れば数百万の値が付く宝石じゃないか!」

「それは表のオークションだな…ここまでの大きさの結晶真珠なら裏ルートで数千万だ」

「そんなのピンクオルシェリアの王が被る王冠に付いている奴以外で初めて見た!」


タズルは物凄く興奮している。


「それにしてもビワトも良く結晶真珠の中でも極上の【ゴールド結晶真珠】を見付けたね」

「えっ」

「気付かなかったんか」

「地底湖の底にある中でも見付けるのが困難なんだよ?ゴールド結晶真珠は」

「ねっ値段を付けるならいくらになるんだ?」

「億の世界だろうね。傷もないし色もはっきりしてるから」


タズルはその言葉を聞いて口をポカーンと開けていた。


「……アイテムボックスの大事な物入れに入れておこう」

「うん、それが良いよ。決してオカマのお姉さんに見せちゃ駄目だよ?狙われるから」


サンゴから真珠を返して貰い大事にしまった……また聞こえては行けない言葉が聞こえたな。……確認するときはアイテムボックスの中でしよう。


「おっ億のせっ世界…!」

「それだけ貴重と言うことさ」

「ビワトもう動けるか?ひとりで着替えられるか?」

「あぁ、少し楽になったよ…オレの制服ー」

「違う服を用意しておいたからそれに着替えて。制服は綺麗にして返す」

「わかった…この場で着替えるから服をくれるか?」

「コレがそうだ」

「お前も岩の影で着替えてこい!」

「何でだよ」

「良いから!」


ビワトはタズルの剣幕に負けて渋々近くの岩の影でルウカから受け取った服に着替えて戻った。この服良いな…動きやすいし着心地良いし。


「ではビワトも戻ったから食事にしよう」

「洞窟をでて寝る場所はこちらで用意出来るから安心してね」

「タズル、話を聞いているか?」

「あっうん…聞いてる…それより食事をするんだろ?」


いただきますと言って食事を取り始めた。


「今日のメニューは何だ?」

「今日の昼食?は結晶シャコ貝の刺身と結晶シャコ貝炒め物と事前に仕入れて置いたローズマスの塩焼きだよ」


すると焼き魚を食べていたタズルがむせた。


「今、ローズマスって言ったか!?」

「そうだけど?」

「コレ旨いな。川の魚って生臭いと思っていたがこれだと生臭い匂いが無いのと旨味が凝縮している!」

「食レポありがとさん」

「まっ幻の魚が!食卓に上がっている!」

「冷めても美味しいが熱々が良いな!」

「マジ旨いなーおかわり有りか?」

「うん、ひとり2本までね」

「結晶シャコ貝の炒め物も旨いぞ、ビワト」

「そっちも戴くかな」

「お前はなんで平然と食べられんだ!」

「食べないと損だし高価な食材を無作法で食べられるなんて最高に旨いからな」

「タズル君も食べないと損だよ」

「何も考えないで食べると美味しいぞ」


タズルは思考を放棄して食べる事にした…フレイスヴィレッジ家で食べる時より美味しいと感じたのだった。


「…ほんの少しだけ美味しい」

「そう?そう言って貰えると嬉しいねぇ」


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