リバンテールから脱出(上級者編)
【リバンテール大陸】
《魔の森》
「…平原を越えてもまだ暗いのかよ」
「ここはリバンテール大陸だからね。暗くて当たり前だよ」
「暗目のスキルがないと景色は見えないからな」
「ひっ!」
「お前もいい加減ビビるの止めて慣れろよ」
「なぜ慣れないと行けないんだ!」
「暫くはこの景色がずっと続くからな?」
「…………」
隣にいる野郎……【タズル・フレイスヴィレッジ】は絶句していた。
「どっどのくらいしたら抜けるんだ?」
「んー…後8時間は掛かるんじゃないか?お前さんはレベルが上がっても嬉しそうじゃないな」
「当たり前…ひっ!」
馬車もどきを覗くのは…。
「エンシェントオーガ…か…ははっこんなのが外に出たら災害級のモンスターでSランクの冒険者が3人出てくるぜ。それを容赦なく引くサンゴも凄いけど」
「あっレベルが上がったぞ」
「私もだよ」
「…あれ?レベルのアナウンスがならない…」
「こっちもだ」
「高レベルの冒険者たちの仲間入りしたのかもな」
「町に着いたらギルドでレベルを調べて貰えば良いんじゃない?」
そして馬車もどきがエンシェントオーガ5体に囲まれていた。
「やっぱり凄いね、ピーのスピードに追い付いて走ってる」
「相変わらずこの辺のモンスターは凄いな」
「感心している場合か!」
「棍棒で馬車もどきが殴られてる!」
エンシェントオーガたちが持っている棍棒は【アダマンタイト性の棍棒】である。A級の冒険者でもそんな良い武器持ってないぞ!
「殴っても効いてないの見て何か叫んでる!」
「ひぃ!オーガの仲間呼びだ!」
【エンシェントオーガEは仲間を呼んだ!】
どしんどしんと何かが現れて…イェァアアア!あっあれは!
「あっ気絶しやがった!お前だけ現実から逃げるなよ!」
タズルはフッと意識を手放し馬車もどきの揺れで体が揺れていがテープみたいなので押さえられている。
「まさかエンシェントオーガがエンペラートロールを呼ぶとは…」
「それにしても随分と大きいね」
「確かに」
「ふたりで納得しあってんじゃねぇ!」
「そんなに焦らなくても平気だぞ?」
「普通は焦るわ!エンペラートロールが持っている棍棒は【オリハルコン製の棍棒】何だぞ!この馬車もどきでも壊れるわ!」
エンペラートロールがオリハルコン製の棍棒を振り上げた。
「母ちゃーーーーーん!!」
「人はピンチの時や瀕死になるとお母さんって言うよな」
ガン!と大きな音がなったが馬車もどきは揺れることもなく佇んでいた。
「…………あれ?」
オレは目を開けると直ぐ横にある窓ガラスの方を見た。そこには半分に折れたオリハルコン製の棍棒が転がりエンペラートロールが驚きに戸惑っていた。
「ガツンとしてやれ!サンゴ!」
「まっまさか!」
「嫌だったら目を瞑って耳に指を突っ込んで聞こえない様にすると良いよ」
「ひぃいい!」
そして目の前で行われる強行と繰り返され…以下省略。
「おいおい…また前の奴見て気絶しやがった」
タズルはオレの叫んだ声で起きたがエンペラートロールが肉塊になり馬車もどきがまた血と肉片にまみれる瞬間をまた見て気絶した。
「あんたたちふたりはモンスターを肉塊にするの好きだな」
「別に好きではないぞ」
「私たちもレベルが低いからね。他にやりようがないんだよ」
「それに安全に帰りたいからな」
「そっそれはそうだけど…」
「嫌だったら隣で延びてるタズル君と同じように寝ていると良いよ」
「コイツと一緒にされるのはなんかシャクだな」
「無理は良くないぞ」
「無理はしてない」
「今回はこのまま行くよ」
「えっ」
「嫌でもこういう状況になるから」
えっまだ続くの?
「続くぞ?」
読まれてる…。
「はぁ~…コイツ見たいに気絶出来たらな…」
「今よりもグロい景色が現れるだろうからな」
「えっ、今よりもっと酷い景色があるの?」とビワトは不安になった。
「主発するよー」
「今は抜ける事を考えような!」
あぁ…無情…ふたり組が馬車もどきを進ませる度にモンスターミートが量産されそのミートを目指し新たなモンスターが現れーピロリン♪【ビワトはレベルが上がった】…少しは空気を読め。
そして隣の奴は目覚めては気絶を繰り返すこと今回で15回目だ、いい加減慣れろよ。そんな事はよりオレを気絶させてくれ!
もうモンスターミート見たくない!生々しい音も聞きたくねぇ!
「おっ、そろそろ森を抜けるよ」
「次はどこに出るんだ?」
「確か一番危険な【魔結晶の洞窟】だな」
「いっ一番危険…?」
「逃げ場がない、迷ったら出られない、モンスターも強いの3拍子が揃ってるから」
「……他に道は?」
「残りは【病魔の山】のルートと【魔物達の平原】のふたつのルートだね」
「マトモなのがねぇ」
「何てったって魔の大陸だからな」
当たり前の様にさらっと言いやがる。
「どうして洞窟を選んだんだ?」
「魔病の山はとんでもない死に方したモンスターを見ることになるからパスだ」
「魔物たちの平原は魔物たちが外から入ってきた冒険者や拐ってきた動物を使った宴を開いていてその中でも知能がクソ高い魔物が居てな、そいつが厄介なんだよ」
「魔物たちはその平原から出ないのか?」
「出なくても侵入してくる冒険者とが勝手に入ってくるからね」
「どうして冒険者たちは危険を犯しても侵入するんだ?」
「平原の中心に万病に効く【エリクサー】が湧く泉があるんだ」
「エリクサーだって!?」
「そっエリクサーが湧いてるんだ、エリクサーを汲んで帰って来れば一生遊んで暮らせるからね」
「現に王命でエリクサーを汲みに行っている冒険者が今日も挑戦しているかもな」
一旦そういった話に区切りを着け。ブルルンと音を鳴らしながら洞窟内を走る馬車もどきに付いている窓ガラスから景色を眺めることにした。