時空間亀裂事件
【エイスワイズ学園】
《1年B組》
「ビワトたちは無事だったか」
「なかなかスリリングでしたね。夜の学園」
「へぇ…夜の学園探索して見たいかも」
「わたしからしてやるもんじゃないですよ」
「教室がバラバラねぇ」
「この学園ってホント不思議なのね」
「それにしてもジレン先生遅いですね」
「確かに、ホームルーム始まってるのに」
そう、すでにホームルームが始まって15分経っていても先生がこちらに来ていないのだ。
「学園長の介抱してんじゃないか?」
「有り得そうだよなー」
「なんだ、ヤライ何か会ったのか?」
「何にもー」
ピンポンパンポン~♪
【教員たちの都合により1時間目から自習とします~生徒の皆様は自習を始めてください】
「えっ」
「それにしても何時になったら他のクラスメイトたちが帰ってくるんだ?」
「あっ忘れてた」
「居たな他のクラスメイト」
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【エイスワイズ学園】
《職員室》
「こっこれは…どういう事ですか?学園長」
「そう言うことよ」
「ちゃんと説明してください!生徒たちが!」
「イレギュラーが発生しちゃったのは予想外ね…まさか過去の人と駆け落ちするなんて思わなかったわ」
「時空間の歪みはどうなっているんだい?」
「特に何もないわね…筒がなく時間が流れ、どこの時間軸も歪みはないのよ」
「困ったねぇ、過去から戻らない生徒たちの認識が消え始めちゃってるから…」
「それに過去から戻らない生徒たちはだいたい跡取りが既に居る子供たちだからな…両親たちからの捜索願いが出ないと来た」
「ホントにアシュクラフトの本筋が入ると次から次に問題が起きますね?」
「そうとは限らんぞルッル先生、アシュクラフト家の入学は約20年分の溜まりに溜まった悪意が爆発する周期と一緒なのかも知れんぞ」
「一旦この話は終わりにするよ」
「そうねー…この件は白理ちゃんと黒司ちゃんに相談かしら、焦っても元もこもないし」
「ホントに変だねぇ…今までこんなことはなかったのに」
「その辺も調べないとね」
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【1年B組の畑】
「ひぃ!混合種のミントが復活してる!」
「根本から処理したよね?」
「嫌がらせか?嫌がらせなのか?」
「俺たちの努力が!」
「ここに向かっている道中に罠に嵌まったのが大量に居たし」
「ホントに迷惑ですぅ~」
「さてどうしましょうか?」
「ねぇ?」
「どうしたんだシナエ」
「空を見上げてください」
「へっ?」
クラスメイト全員で空を見上げると空の色が可笑しくなっていた。
「えっ!まだ朝よね?なんで夕方の空と夜空があるの!?」
「空間がネジ曲がってるんだ!」
「まさか会議中の学園長が仕出かしたか!」
すると。
【屋外に出ている生徒たちだけに言います!この学園に何者かが時空間亀裂の攻撃を仕掛けてきました!屋外の生徒たちは今から学園から直ぐに離れなさい!学園の中に居る先生たちで亀裂を押さえますがいつまで持つかわかりません!空間の亀裂に巻き込まれればどこに飛ばされるかわからない!下手をすれば死んでしまいます!時空間亀裂に巻き込まれないように逃げなさい!】
「びっビワト!」
「おう!皆!このまま東の方向に走って逃げろ!!こういった事態に強い人たちが住むピンクオルシェルア共和国を目指せ!!」
「えっ!」
「このまま走るのですか!」
「ここも時空間亀裂の範囲に入っている!行くぞ!」
事態を飲み込めないクラスメイトたちを魔法で引っ張って走り出した。
「うっひゃー!早いわ!」
「じっGがかかってるぅ!」
「何なんだよぉおお!」
「ビワト君間に合いそうなの!?」
「わからん!ギリギリかも!」
このままだとクラスメイト全員を巻き込んだ時空移動になるな…どうする?……ピンクオルシェルア共和国の女王とピンクの神様も今回の事態に勘づいているだろうし…コイツらだけでも!
「エクル!」
「なんだ!ビワト!」
「お前たちをこのまま吹き飛ばす!」
「なんだと!」
「このままだとクラスメイト全員がバラバラになる!それを避けるために頼んだぞ!!」
「よせ!ビワト!何をするきだ!」
「えっえっ!」
「オレの心配は無用だ!どんな環境でも生きていけるように訓練されてるから!!」
クラスメイトたちを魔法を使って押し出し時空の歪みの範囲のギリギリ外までどうにか飛ばせた。
「また、絶対に再開しようぜ!」
「「「「「ビワト!」」」」」
クラスメイト全員をギリギリ間に合う形で追い出せた。その直後に時空間の歪みにオレは巻き込まれ意識が遠のいていった。
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【エイスワイズ学園】
《学園長室》
「学園長先生、学園に残っている生徒全員を安全な部屋に確保出来ました」
「ご苦労様、生徒会の子供たち」
「学園長…何が起きたのですか?」
「学園周辺の時空間をいじくり回され時空に閉じ込められたの」
「…大丈夫でしょうか?」
「ワタシでもこんなに滅茶苦茶な空間に閉じ込められるのは初めてだわ」
「そっそれじゃ…」
「大丈夫よ、空間がネジ曲がってるって事はワタシの世界の理から解放されているって事よ?」
「それって…」
「数多の魔術や術式を試せるってこと、食事面や生活面は安心してちょうだい。こういう時の為に卒業生たちが…色んな物を卒業記念として沢山残してくれてるからね」
「では我々は卒業記念品の中でも代々生徒会にだけ伝わる物や術式の準備を始めます」
「頼んだわよ、ワタシの方も記念品の中から使えるものと使えない物の整理するように先生たちにも指示しないと」
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【ピンク天空王国】
「ラブナシカ様!」
「大丈夫よ、全て見ていたから。学園にはアタシの娘や逞しい生徒たち…そして卒業生たちが残したアイテムがあるから…アタシたちが助け出すコロまで持ってくれるわよ」
「大変な事になったわね♥️」
「ホントっ迷惑ね!アタシが帰って来たタイミングでやってくれるんだから!」
「今回限り私も協力します」
「あっ貴女様は!」
「プレシセアちゃんはまだ力を使わないでちょうだい…ギリギリまで見守って欲しいの、アタシはこんなことで古い友人を失いたくないの」
「まぁ…」
「それじゃアタシたちも動きますね♥️」
「えぇ頼んだわよ。ナーヘル」
「お任せくださいな♥️」
ナーヘルたちは地上に降りていった。
「さてこちらも今回の件を引き起こした犯人を探さなくちゃ!」
「ふふ、私も久し振りに車を運転しようかしら?」
「そう言えば合ったわね。古い友人がアタシに譲ってくれた車両がね?」
ふたりは顔を見合せてニッコリと微笑みながら【ピンク天空王国】の秘密の部屋に向かい、かれこれ数万年振りに【バギー】のエンジンを掛け出発した。




