農業に従事る生徒達
「ここが例の畑だ」
「広大な荒れ地だ~」
「耕す方法はお前たちに任せる鍬を使って耕しても良いし魔法を使ってでも良いぞ」
「まずは草刈りからだろうな、俺は資料を取って来る」
「「「「「はい」」」」」
物凄い勢いで走り込んで行った。
「どうする?」
「こんなの簡単ですよ魔法で一発…」
「ここは手分けして自力でやるのが良いと思うのです!…こんな経験なかなか出来ないです!」
と申されたのはクラスメイトのひとりでノエルと言う竜人族の少女である。
「ですがこの様に草刈りを始めた方が良いと思うのですが」とトレニアが風魔法を使い方草を刈った。
「…体力を着けたいと思ったのですが」
「やったことがない子は新鮮だろうけど…家で農作業手伝っていた者としては魔法を使った方がいい気がするぞ」
「者は試しだよ」
「わたしは自力でやりますです!」
「ならおれも協力するよ!」
「あたしも!」
こうして帰って来たクラスメイトを含めた14人での作業が始まった。
3時間後…
「トレニア君の言うとおり…魔法使って正解だったわ」
「でしょう?」
「うん、私もそう思います~」
「なんなのこの広さ」
「普通12歳の子供たちにさせる量じゃないわよ」
「本当は海が良かったなーって思ってたんだけど…畑で正解だったかもな」
「それな」
「海の方はかなりキツかったかもね」
「魔法を使わないと言った自力組は見事にへばってるし」
へばっている自力組の5人は…。
「もう無理です……死んでしまいます」
「広すぎない…?」
「なんなのここの草…固すぎるよ…」
「根っ子が絡まって無理…」
「これもしかしてハーブか?ハーブなのか?」
「だとすると根絶するのは自力では無理ですね」
最初に自力でやると言ったクラスメイトのノエルさんは申し訳なさそうに言った。
「……都合が良いのはわかるですが…魔法使う組の人たち残りをお願いしても良いですか…?」
「だってさ」
「まだ魔力残ってる人たちで始めましょう」
「お~」
魔力使う組で残りを刈り取った。
「そう言えばビワト…オルシェルアピンク王国に滞在していた時だが…猫を被っていただろう?」
「そうそう!猫を被ってたよね~!」
「まぁ…バレているだろうけど…猫を被っているとお小遣いくれるんだよ」
「それでなのね」
「猫を被る必要あるのですか?」
「痛いところを突くなトレニア」
ドドドドド!とジレン先生が大量の荷物を背よってようやく帰って来た。
「もうここまでやったのか!今年の生徒は鍛えるのが楽しみになってきたな!一応鍬を人数分持ってきたから…お前たちは昼食を取りながら俺の手本を見ていろ」
ジレン先生は鍬をオレたちで協力して草を刈った地面に向けて振りかぶったら地面がかなりの規模の地面が抉れた。
しかもガッハハハ!と言いながら耕していき10メートルほどが耕された。
「………一発で地面がかなり抉れたぞ」
「やはり先生は脳筋でしたね」
「僕たちでは根っ子ごと耕せませんよ」
「こちらも魔法で操作した方が早い気がするです」
「あっ遂に魔法使うことにしたの?」
「はいです」
「一度やってみて決めるようにすることにした」
「さぁ!お前達もやってみろ!」
「一度鍬でやってみて駄目なら土魔法が得意組で掘り起こそう」
現クラスメイト全員は「意義なし」と言った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「…やはり鍬を捨てたか」
「真の農家ではないのでそこまでの根性はありません」
「上に同意です」
「先生は良くハーブの根っ子ごと耕せますね…おれには無理です」
「力あるのみだな!」
「かなり深い所の土ごと掘り返しました……魔法でですか」
「これなら良い畑になるだろう!種まきは明日の朝だ!」
「先生~」
「どうしたスノリア」
「良からぬ事を考える人がいるかも知れないので早めに罠を仕掛けても良いですかね?」
猫族出身のクラスメイトが言った。
「そういう事を考えるのはまだ早いと思うが」
「まだ早いって事はあるんですね…妨害」
「まぁ…この畑は8年間このクラスの土地だからな…死なない程度の罠を仕掛けるのは許可する」
「…どんな罠を仕掛けるですか?スノリアちゃん」
「ふふふふ…原始的な罠と魔法トラップを10ヶ所ほど…」
「俺たちも掛かりそうだが」
「そこは心配なく…悪意ある人しか掛からないように調節するわ…そのために皆協力してね」
オレたちはスノリアの指示に従って罠を仕掛け帰宅の時間になりシナエとトレニアはさっさと帰りフリアは女子友と共に寮に向かった。
「ビワトはどうするんだ?家に帰るのか?」
「オルシェルアピンクには用は今の所ないからな」
「エクルに聞きたいことがあったんだが」
「何だ?」
「寮の生活はどうなんだ?」
「ビワトが思うより平穏だし、まだそこまでの問題は起きてないぞ」
「Aクラスに絡まれたりはしてないのか」
「したくても出来ないんだろう…何て言ったってトンでも寮母の【ビスカ様】が居るからな」
「えっビスカ…もしかして…」
何だ…ビワトが急にキョロキョロし出したぞ。
「どうしたビワト」
「何でもない…まぁ何事もなければ良いよな」
「そうだな…?」
「それじゃオレたち帰るよ…またな」
「あぁ、またな」
ビワトは素早くルヴェルに乗りルヴェルもまた素早く雲の上に消えていった。
「なんだったんだ?」
するとドドドドと土煙を上げながらやって来たお方がひとり。
「あー!また逃げられた!」
「寮母様ではないですか」
「あら…エクル君…そろそろ寮に戻らないと駄目よ?」
「友人を見送っていたので」
「あら」
「ビワトと知り合いなのですか?」
「えぇ…昔に訓練してあげた時が合ってね…その訓練が終ったらあんな風に避けられるようになったのよ。
全く、あたしの魔力を感知するとすぐ逃げるのよね」
「そうなんですか」
「まぁ良いわ…この学園に通っていれば会えるだろうし…そろそろ夕食の時間ね、エクル君も寮に戻るわよ」
「そうでした」
寮母様と共に寮に戻った。




