ありがとう追放してくれて!
「これでどうかしら?」
「服のサイズピッタリです」
「制服より着心地良いですね~」
「確かに」
「そう?なら良かったわ」
秘密の入口に何故か大量に置かれた生地の中からタニアさん言われた生地を持ってきてシナエとエクルとトレニアはタニアさんに制服にそっくりな服を作って貰っていると。
プルルルル…
「あっ来ましたね」
「ビワト、スピーカーモードにして皆が聞ける様にしておいてね」
「わかっています」
「……魔国でも有力な血筋のシアレ様が本当にビワト君のお母様だったなんて」
「真実を知った本人が一番驚いていたからな」
「ふふふ…魔国以外だと魔族は差別を受ける時があるものだからね…ビワトは旦那様に似てくれて良かったーっていつも思うもの」
「スピーカーモードにするから静かにしてくれ」
ガチャ
『ビワト君そろそろ戻ってきても平気よ』
「わかりましたもう少ししたら戻ります…な」
『待ってるわ』
ガチャと手短に言われ一方的に電話を切られた。
「……何か軽くないですか?」
「そうですね…学園長の声にしては大人しめで気持ち悪いです」
「面倒だから正面突破した方が早いな罠かも知れないが」
「もしかして金でも握らされたかしら?」
「えっ賄賂っていう奴…」
「卒業生に信用されてない学園長って居るのね」
「まぁ…私たちの在学中の時も仕出かしましたからね…もしそうであれば本当にどうしようもない人です」
「それじゃ、行きます?」
「あぁ頼む、我の筋肉で蹴散らしてくれるわ!」
「止めなさいルディア…王族らしく交渉しなさい」
オレは馬車に全員乗せて秘密の入口から学園の外に出て正門から学園に戻っていった。
【エイスワイズ学園】
《学園長室》
「遅かったですわね伯母様」
「学園長と現役の生徒会を退散させるとはなかなかだな」
「当たり前です、わたくしは女王になるのですから」
「どうせ王族特権のカジノで使える物かお金を譲ったのでしょうけど」
「ルディア様あなたが持っているティアラをマリエラ様に返しなさい」
「何を言っている眼鏡、このティアラは父上が我に託したのだそう簡単に渡せるわけないだろう」
「あなたが継いでも共に歩む者はほぼ居ないのはお分かりですよね?」
「眼鏡君…あなたがクーデターを起こし現王家に楯突いた責任はどうなさるつもりです」
「そんなのわたくしとお母様でこの国を救った者として」
「無理でしょう」
「【とある組織】を利用したお馬鹿な貴族たちは情けなくてどうしようもないくて泣けてきます」
「我が国ではそんな組織に頼まなくても意義申し立てが一般の平民の身分であろうと王族に対して出来る法律があると言うのにどうしてその意義申し立てを貴族たちはしなかったのですか?」
「出来なかったのでしょうね…勉強足らずで」
「平民の癖に未来の王に向かって!」
「はぁ……そんなに王座が欲しいならくれてやる、本物かどうか確認しろ、ほら受け取れ初代裸マント眼鏡」
ルディアは初めて裸に剥いた元クラスメイトにティアラを投げた。
「………確かに本物のティアラです」
「これで良いのだろう?我らはこれで失礼する」
「…ここで告げておきます!ルディア・マリオン・アルフェルスと騎士団総長シアレ・ドリティス・アシュクラフトとそこの平民3名を国外追放とします!この発表は国にわたくしが戻ったら直ぐに国民に向けて発表します!」
「どうどお構い無く」
「これでようやく国の外に出られますわ~」
「自由になる夢が叶ったわ~!」
「私も旦那様とのんびり過ごせる様になります」
「我も力の追求が出来そうだ」
何故か追放を命じられた人たちはスッキリした表情をしていた。
「帰りますよ!マオルグ宰相!もし我が国の土を踏んだら王族に対しての侮辱でその場で処刑してやりますからね!ふん!」
どかどかと新女王?と宰相は去っていった。
「さてとビワトたちは上手く行ってるかしら?」
「こちらはどうしますかルディ」
「これでようやく女装をしなくても済むようになるのか」
「長かったですね~ルディ様」
「これでようやくお前たちを妻に迎えられる…お前たちはホントに我で良いのか?」
「何年待ったと思っているのですか?」
「かれこれ25年以上ですよ」
「それにルディも私たちをホントに娶って良いのですか?」
「何を言っている…ソナタらは十分若いではないか…我は小娘は好かん、お前たち見たいな気の知れた女たちが良いに決まっているだろう」
「まぁ!」
「はい、はいそう言った話はここを出てからにしましょう」
「すまんなシアレ」
「別に構いませんよ、あなたたちは世界ギルド認定のS級冒険者様なのですから滞在先はどうしますか?」
「しばらくの間はデリア、タニア、ソノカを充分に愛でたい何せ25年も待たせたからな」
「宿場街【風の宮】にあるペンションを借りて休息取れば良いと思うわ。ギルドもようやく本来のルディになったと知ればそれくらいは猶予をくれるわよ」
「なら魔法で飛んでしまいましょう」
「それが良いわ!」
「ルディもそれで良いかしら?」
「我は構わん」
「仲良く四人でイチャイチャしてきなさいな。少し落ち着いたら旦那様にも顔を見せて上げてね」
「わかっている、今度は友人としてお前たちに顔を見せに行く」
「私はこの足で旦那様の元に向かいます」
「シアレ…ビワト君は良いの?」
「ふふふ…あの子なら大丈夫ですよ。
何て言ったって私と旦那様の子ですし…あの場所に行くように指示しましたし。
それに学園長を見つけたからお仕置きについては現生徒会の子たちがやると連絡がしましたから」
「全く学園長たら頑張って生徒会の子たちが押さえていたのに賄賂を受け取り明け渡すって…全然懲りないわね」
「それが学園長クオリティって奴よ」
「それで通ってしまうのが嫌ね」
「全くだ」