波乱の学園生活
【エイスワイズ学園】
《図書館》
「あれ?何してたんだっけ」
「確かビワトのご先祖様を調べましたよね?」
「そうだっけ?記憶が曖昧になってないか?」
「ですねぇ~…」
すると突然放送が流れた。
【1年B組ビワト・アシュクラフトさんとシナエ・ウッドフランドアさん~学園長の部屋に来て下さいー】
「うわっ初日からいきなり呼び出されましたよ~!」
「オレたち何もしてねぇよ」
「行かないといつまでも呼び出し食らいますよね~」
「行くしかないだろうな…あの学園長様は何を企んで居るんだ」
オレとシナエはなるべく急ぎ足でば…モーリン学園長の元へ向かった…学園長の部屋に着く前にカルエ先輩たち【生徒会】の人たちと合流し何故か背中を調べられた。
これでよしと何かしていたが先輩たちは「何でもないよ~」と何かをはぐらかされた。
【学園長の部屋】
「これで集まったかしら?」
学園長の部屋にはオレとシナエの他にトレニアとフリアとエクルの面々が集められていた。
「学園長…何か有ったのですか?」
「えぇ【シルト街】と【アルフェルス王国】が何者かに襲われたと連絡が有ったの」
「えっ」
オレは戸惑い言葉を発せられなくなっていた。
「たった今連絡が有ってね…街の人たちと領主兼ギルドマスターフジトラの無事は確認されたわ。
アルフェルス王国では貴族が王族に対して謀反を起こしたらしくてね…ワタシの諜報の子からの連絡がきて騎士団も内部分裂して内戦状態でルディア姫を逃がすのに騎士団総長と共にこの学園に向かって来てるわ」
ルディア姫?…あれ確か母さん今日から3日間ルディア様と言う方の護衛をするって言ってなかったけ?
「そうなると学園も防衛戦線を張った方が良さそうですね」
「えぇ、もしかしたら工作員が内部に侵入している可能性もあるからその辺も頼んで良いかしら?」
「お任せください!」
「アシュクラフトの本筋が入学するとトンでも事件が初日からマジで起きるな」
「何かスミマセン」
「いーのいーの、あたし達の過ごしてた期間は小さいなりに事件は起きてたけど、ここまでのは初めてだから楽しみだわ~!」
「学園長様いって参ります」
「カルエちゃん!」
「えぇ、行くわよ皆!生徒会を執行します」
そう言うと生徒会の面々はウキウキしながら学園長の部屋から出ていった。
「どうして我々が呼ばれたか話してもらっても良いのですか?」
「エディスと比べて何て素晴らしい子なのかしらね、貴方達姉弟はあたしの事を婆って言わないし」
「学園長様?」
「話がそれて悪かったわね、あなた達を呼んだのは1年生の中でも入学テストでトップの成績で入学してきた上位の生徒だからと【依頼】が来ているの」
「依頼ですか~?」
「差し出し人は【アルフェルス王国騎士団総長様】からの依頼でね。
入学したてで顔が割れていないあなたた1年生に【姫様の保護】を頼みたいらしいの」
「アルフェルス王国の姫の保護ですか…」
フリアは熊耳をピコピコしているがどこか不安げである。
「荷が重いですね…この5人で出来ますかね?」
「ガチのアタッカーがふたりとガチの魔法使いがひとりに両方をこなせるのがふたり居るのだから…それぞれの役目を果たせば良いのよ」
ガチのアタッカーってオレとフリアか?魔法使いはどうみてもトレニアだよなオールマイティーなのがエクルとシナエか。
「それに失敗したとしても誰も文句は言わないわ」
「普通は言うだろ」
「言わないわよ~こんなペーペーを寄越せと言うんだから…どうする?この依頼を受ける?」
「物は試しか」
物は試しかじゃねえからエクル、異国の姫の保護だからな。
「エクルが行くみたいだからあたしも従者として着いてくわ」
こっちも軽い気持ちで行くなフリア…。
「もし行かなかったらふたりに怒られそうですね…策は移動しながら考えるとしましょうか?」
余裕だなトレニア。
「私も行きましょうかね~異国のお姫様に恩を売るチャンスです~」
最後の方失礼だろシナエ!最後の方欲望にまみれてやがる!
「ビワト君はどうする?」
逃げ道ないよな。
「もしかしたら逃げている方にかなりの確率で身内がいる可能性があるので行きます」
「「「「えっ」」」」
「受けてくれるのね…もう一度だけ諜報の子から連絡が来るからそれを聞いて向かいながらではなく少し作戦を立てたら出発しなさいな」
連絡が来てその情報を聞いているとかなりのピンチに陥っている事がわかった。
実際はアルフェルス王国騎士のほとんどが貴族側に寝返りアルフェルス王国の騎士団総長と姫を慕っている3人しか居なかった。
副団長とか魔術部隊等の他の部隊も貴族側にいるらしく追撃を受けているらしい。
「詰んでるんじゃねえか!」
「結構な修羅場だったみたいね~でも影の実力者がルディア姫側に着いているからどうにかなってるみたいね」
「この依頼はどこまですれば良いのでしょう?」
「学園の敷地内まで護衛出来れば良いわ、学園に攻撃を仕掛ければどうなるか向こうも知っているからね」
「…そうなると敵が仕掛けてくる攻撃を受け流したり防いだりしながら大人達の全力疾走と並んで走らないといけないのか」
「うわ~…私の体力持ちますかね~…」
「そこは安心しなさい」
「どういう事ですか?」
「ビワト君のご先祖の【ティルクス】からこういう時の為にと寄贈されたに乗り物があるの」
「そんなのが有るのか」
「これを使うと敵側は卑怯だぞって言うわね」
「どれだけスゴい奴なんだよ」
「ビワト君は聞いてないの?」
「聞いてないっす」
「あら?」
その乗り物の説明を受け皆引いていた、そしてこの乗り物を使っての救出作戦を立て校庭まで行き学園長が先祖が使っていた馬車を取り出した。
「この馬車を引けるのは直系の長子のビワト君だけよ、フジトラも在学中に乗り回してたわ」
「この馬車は横転もしなければどんな攻撃でも弾きどんな悪路であろうとも物ともしないって凄いですね」
「この馬車を作れるのはもういないからね~それに乗り手を選ぶから」
「皆準備出来たぞビワト」
「わかった」
エクル達は馬車の中に入らないで馬車の外側に何故か付いている取っ手を掴み準備を完了していた。
「馬車の外側の取っ手を掴んで乗るなんて初めてよ」
「私もですよ~」
「我もだ」
「僕もですよ」
「この体勢を見ても何も言わないのね」
「疲れたら広すぎる足場に腰を据えられるし」
「…どうみても乗ってても戦える用の馬車よね」
「特注の馬車ですね~」
「逝ってきます…出発するぞ」
「ちょっ…逝って来るって…行ってくるの方じゃないのね」
オレはこの馬車を大昔から守護している幽霊馬の手綱を掴み馬車を出発させた。