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元勇者の転生人生記録  作者: 冬こもり
【2度目の人生編~学園の章~】
110/555

オレの暮らしていた場所

『ビワト……シルトの街の方角から血と焼ける臭いがするわ!』

「何だと!」

『どうしましょう?』

「街には父さんが居る…何かあった時は何があろうと家に戻れと家族で交わしているからな…家に戻ろう」

『わかったわ』


ルヴェルはスピードを上げ何かを感じ取ったのか姿を惑わす【透明の霧】を魔力で作り出し姿を隠しながら家に向かった。


「グラン!何が合ったんだ!」


そこには血に染まりながら同僚の使用人を殺し回っているグランの姿があった。


『ビワト!まだ私の【透明の霧】の効果で向こうからは見えないわ…今は大人しく事が過ぎるまで大人しくしていましょ?』

『ルヴェルおまえは冷静なんだな』

『当たり前でしょう?ビワトと一緒にその辺りは鍛えられているのだから…何?ビワトは訓練を受けても駄目なのかしら?』

『……10歳で戦場ど真ん中に放置されたの思い出した』

『どんな事があろうとも慌てるな…そう家訓にあるでしょう?』

『お前が居てくれて良かったよ…うん…もう平気だ…様子を見ていよう』



「おい!約束が違うじゃねぇか!いつになったらここの一人息子は帰ってくる!」

「発信器替わりになる虫を付けて置いたのですが…反応が無くなったのですよ」

「グラン!もしアシュクラフトの倅が帰って来なかったらどうなるかわかってんだろうな!」

「えぇ…分かっております」

「親分!シルトの街にはありませんでした!」

「なぁ~に?【時空の鍵】が見付からなかっただと!だがアシュクラフトに全責任を押し付ける工作は出来ているな?」

「そっそれが!」

「まだあるのか!」

「アニスの姉御から連絡があったのですが!」

「どうした!」

「シアレの首を取ることは出来ましたが我々の組織の存在が明るみになりました!」

「何だと!」


母さんの首を取った?……冗談だよな?


「全く手際が良くないわね~」

「ストレア様!」

「作戦が5割しか成功してないじゃない!」

「「申し訳ありません」」

「これじゃあたしや潜入していたアニスやグランの数十年どうしてくれるのよ、グランとアニスには申し訳ないけど…あの子は助けられないわ」

「わかっております…」

「【結晶竜】ってホントに厄介ね~特に姿を隠すのが上手いのが生まれていたなんて予想外だったわ~それにフジトラも本気を出して来るだろうし…撤収しないと騒ぎになるわ」

「戻りましょう、我らが仕える御方の元へ」

「せめてこの村の女たちと遊びたかったぜ」

「それは許されていないわ、皆殺しを実行しなければどうなるかわかっているの?」

「だから皆殺しをやってのけただろう」



こうして野郎どもは姿を消した。



『ルヴェルこの家より街に行くぞ』

『えぇ…』



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「こっこれは…」

『………心配して損だわ』


シルトの街には死んだであろう人たちが起き上がりもう復興を始めていた…全員見事に血だらけだ。


「あっビワトだ!」

「どうしたの?そんなに慌てて」

「どうしたの?じゃないから!パン屋のおばちゃんとワック!血だらけなのに何やってんだ!」

「何って…復興よ?」

「ぼくも殴られたけどそこまで痛くなかったよ」

「どうなってんだ!」

「あらビワトちゃん~リンゴ食べるかい?」

「八百屋の婆さんも血だらけでなにしてんだ!リンゴも血だらけだよ!」

「そんなにカッカしちゃ駄目さね」

「駄目さねっじゃねぇよ!」

「もう帰ってきたのか」

「ヤストお前も血だらけじゃねぇか!」

「なに興奮してるんだよ…ほら婆ちゃんのリンゴを遠慮しないで食えよ」

「リンゴ食えよじゃねぇ!だからそのリンゴ血だらけじゃい!」



オレは興奮が止まらないのでその場を離れた。



「はぁ~家燃えちゃったわね」

「フジトラ様に報告して材料を貰ってこようかね?」

「まぁ建て直せば良いな」

「ビワト!どうした!今日は早いな」


こちらはがっつり脇腹にナイフが刺さって居るのに元気に走り回っているヤバい奴が現れた。


「早いなじゃないから!ゴルセス!脇腹にナイフ!ナイフ!」

「ん?こんなのかすり傷だよ」

「かすり傷じゃねぇよ、刺し傷だから!」

「どうしたフジトラの所の倅よ」

「親方ぁああ!親方は背中にがっつり剣が刺さってる!」

「あん?こんなのかすり傷だよ」

「親子揃って何言ってんだよ!」

「あら~ビワトちゃんどうしたのそんなに慌てて?」

「あっ……マハナ姉さんも背中にナイフが刺さってるぅ!」

「こんなの痛くも痒くも無いわよ」

「おや!ビワトじゃないか!フジトラ様知らないかい?」

「もぉお!やだぁあ!この親子!みんな刃物刺さって居るのにピンピンしてるぅ!」

「こんなの訓練に比べれば痛くも痒くも無いわ」

「また同じ事を言った!親子だよ!親子!」

「わかったよ、後でタオの診療所に行くよ」

「後でじゃねぇよ」



またまた街を散策する為にオレは走り出した。


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