まさか…
「いってぇ…」
「……ここは体育館か…ビワト。
フリアやシナエにトレニアは居ないか?」
「魔力感知ならお前でも出来るだろ」
「あの妖怪ババアに制限を掛けられているみたい何重にもな、腹の底でババア連呼してたのがいけないか?」
「マジか、そんな事言ってたのか。……わかった感知してみる」
体育館周辺を調べたが禍々しい魔力を直ぐ近くで感じ取ったがシナエたちの魔力を感じられなかった。
「この辺りから感じられないが」
「歯切れ悪いがどうした」
「直ぐ外から禍々しい魔力を感じられるー」
直後に体育館の扉を破壊して誰かがやって来たが見覚え有りすぎて困る。
「さっきから待ってても来ないからこっちから来てやったぞ」
「ほぉ…お前たちが未来から来た子供か!」
「あんたたち何で待ってられないのよ…困ってるでしょう心の準備ぐらいさせなさいよ!」
「ほぇ~フジトラとエディスに似てるね~親子だってわかるよ」
ぞろぞろとやって来る若かかりし頃の父とエクルの父親であろう人物とオレの父と張り合いながら来ていた、クラスメイトたちも全くコイツらは的な感じで付いてきている。
「よかっなぁ?フジトラ貴様のような者でも息子を持てたみたいだが」
「うるせぇなエディス」
「入学当初のふたりに似てるわ」
「マジだな!」
「ホントに未来から来たのね」
「………帰りたい」
「奇遇だな我もだ」
「えっもう帰るのか?速くね?」
「あなたたちが仕出かしたからでしょう!」
「別に構わないだろうシアレよ」
「ごめんなさい、落ち着きないけど根は真面目だから、もう少しだけ付き合ってくれないかな?」
「無理だよ、母さん(あっやべ)」
「えっ誰の事?」
「もしかして居るの?この中にフジトラの嫁になる子が!」
と女性陣がそわそわし出した。
「ごめんなさい……過去に来る前に学園長に女性を呼ぶときに【お母さん】と呼ぶようになる魔法を掛けられてるんです…勘違いさせてすみません…」
と無理やりな言い訳をした、そわそわしていた女性陣が「何だ、学園長の呪いかと」言い出してそわそわの雰囲気が無くなった。
「俺はまだ好いた女は居ないぞ」
「何か嫌な呪いだな…ババアめそんな魔法を隠し持っていたのか」
「そうだ、ゆっくり話したいから学園のカフェテリアに移動しない?」
「それが良いかも!」
「殿下、我々も」
「そうだな…フジトラと一緒なのはいやだが」
「エディス、ケンカ売ってんのか?あぁん?」
「フジトラ止しなさいよ。でも良かったわ!息子同士は友好的にやって行けるのね」
「あたしたちの時もそうだったけど…一緒に飛ばされて来るのは8年間を共に過ごすと決定されているからなのよ」
「だとすると残りの3人は…」
「心配ないわよ」
「えっ」
「ここに来られなかった子は親が学園出身じゃない場合は過去の学園に来れないの」
「へぇ…」
「後は親がジュオルス学園の出身だと無理らしいです、そして来られなかった子は眠りに着いている状態らしいわね」
「その辺は配慮しないんだな」
「何て言ったてよu…学園長クオリティだからね!」
この人妖怪ババアって……昔からそうなんだな。
「さて移動、移動!」
こうして不穏ながらも両親とエクルの父とそれぞれの8年間一緒に活動仲間と共にカフェテリアに向かった。
カフェテリアに向かう途中…エクルから父さん達の時代にはなかったアイテム【心で伝わり君】をつかって念話していた。
『ビワト、お前の母親がこの中に居るのか』
『うん…未来が変わると嫌だから言わないけど』
『さっきの無理やりかわした感が凄かったが…妖怪B…学園長クオリティだもんねで済んだのはな』
『確かに』
『それでビワトの母は誰なんだ?』
『……聞くか?エクル』
『その辺は父から聞けなかったからな』
『ここに来て母さんをかっ拐っての結婚の意味がわかったよ』
『へぇ?』
『オレって魔族とハーフだったんだなって』
『えっ』
『母さんがオレにバレない様に人間に化けてたんだなってわかったよ。髪の色とかも隠しているとは』
『…………まさか』
『うん、エクルの父親さんの従者がオレの母親です』
『えっ!そんな雰囲気出してないぞ!』
『でもこの時既に付き合ってるらしいからね?父さんと母さん』
『学園全てにバレずに交際してんのか!』
『学園長にすらバレないとは末恐ろしいし母さん呼びしてもお付き合いしてる本人たちはスルーしたからね』
『他には手を出してないのか』
『母さん以上の女は居ない!母さん一筋って昔から言ってるよ』
『我々が来たことでバレるんじゃないのか?』
『どうだろう…バレない理由があるらしいけど』
『…その辺はツッコミを入れたら大変なことになりそうだ』
『触れて良い事と悪い事があるからな…』