そして新たな物語が始まる
【エイスワイズ学園】
《学園長室》
「全く…ルトラウスとサニカたら…この世界に未練は無いと観測者を探し出して継がせるとは…」
「良いではないですか…あのふたりが居ないと言うことは昔に起きた大戦の様な出来事が起きる心配は暫く無いのですから」
「そうなんだけどねー…退屈になりそうー」
「縁起でもないことを言わないの」
「分かってますって…プレシセア先生」
「私もそろそろ行きたいですね…」
「もうこの世界は先生が居なくなっても平気だと思いますけど」
「でもあの人とした約束がまだ叶えられていないですからね…せめてその願いを叶えないと…」
「無理なさらないでくださいね」
「そうね……モーリンはまだ行かないのね」
「えぇ…ワタシもまだまだ魔術の研究したいですから…ワタシが行くのはかなり先ですよ…今の世代から100世代後には考えます」
「ふふふ…これからの若葉たちは一体何を見せてくれるかしら?」
「そうですね…キツかったら学園に来てください…いつでも貴女なら学園に先生として迎えますからね…貴女の心が壊れたら元もこもないのですから」
「えぇ…ありがとう…モーリンちゃん」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【エイスワイズ学園】
《食堂》
学園の食堂は学科ごとに分かれているらしい…今日は好きな場所に座って食事を取ってほしいとの事だった。
「…かなり時間が経ってたんだな」
「私も驚きですね、父さんたちに鍛えて貰ったときと時間の経ち方が違います~」
「そうだね…」
「それにしてもエスピエンドの領主さんの娘さん面白い表情してましたね~」
「あぁ…あれか…オレ何かしたのかと思ったよ」
「ビワトは何もしてないですよ~」
「あれは僕がした事だよ」
「あの娘とは縁がなかったんですよ~」
「バッサリ言ったな」
「うん」
「悪いけど隣良いかしら?」
声を掛けてきた人を3人で見ると男女が立っていた。
「別に構わないよ」
「良いですよ、隣来どうぞ~」
「ありがとう」
「悪いな」
「困ったときはお互い様だ」
ひとりは魔族の角を持った高貴オーラが出ている少年でもうひとりは熊耳?を持つ少女だ…オレにはなんとなく正体がわかった。
「その角は本物なんだね…カルエ先輩の様に隠さないんだね」
「そうだが……角を隠すの苦手なんだ」
「カルエ先輩と似てる角だな」
「え~?」
ビクッとあからさまな反応したなこの人。
「もしかして」
「その先は言わなくて良い…カルエは俺の姉だ」
「おや」
「お~」
「何でわかった?」
「その辺は相手の魔力とかで分かるだろ」
「エクルがカルエさんの弟だと分かるなんて凄いわね!」
熊耳をピコピコしながら少女が…。
「我は姉貴と比べられたくないから隠していたつもりなんだがな…角で見極めるとは」
「普通は見分け付かないと思うけど…」
「そうなのか?親からその辺は鍛えられたからかもな」
「自己紹介しましょうか~」
「お前たちは言わなくて良い、我の祖父から今年の学園は有名どころが多く入るからと言われていたからな」
「お前さんは妖精の系譜でそこの魔法使いは先代観測者の弟子で前の席に座ってるのは例のアシュクラフト家の倅だろ?」
「その情報を手に出来ると言うことは…貴族か王族だよな?」
「そうだ、さすがアシュクラフトの本筋の倅だ…俺は現魔王の孫だ」
カルエ先輩…魔王の孫だったのか魔王の血族か…ならあの無限に見えるあの魔力は納得だな。
「ちょっ…話し方が子供らしくないわね」
「君は…」
「あたしは【フリア・フェンネリーエ】って言うの」
「あぁー…ハイビーストの系譜の血筋の人だね~」
「ふたりは昔からの知り合いなのか?さっきの戦闘の時からつるんで居たみたいだが」
「くされ縁よ」
「それを人は幼なじみって言うんですよ~」
「何か愉快な感じがするわね」
さっきから聞くのに徹していたトレニアが言葉を発した。
「僕はルトラウス様たちから生きる為の知恵を教わっていたんだけど…世間を知るために学園は良いと言っていたけど…どういう意味か分かった気がするよ」
「そうか………さっきから吸血鬼のご令嬢が遠くからこちらを見ているのだが…」
「気にしたら負けだよ」
「席を確認すると既に派閥じゃないけど出来てんな」
「その辺聞かなかったの?」
「シエナ普通の喋り方出来んのかよ」
「うん」
「……まあ親から聞いてたけどここまでとは思ってなかったよ。これからはこの五人で動くことになりそうだなこりゃ…」
「8年間宜しく?って事ですかね~」
「そうなりそうだ……あんの爺さん言った通りになりやがった…」
…魔王の孫が不吉な事言ったぞ…何を見たんだ現役魔王。
「何かの縁よね、きっと…アシュクラフトの本筋と8年間か…濃い8年間になるわね」
「ふふ…楽しい8年間になるかもね」
「オレとしてはのんび」
「無理ですよ」
「無理だね」
「無理よ」
「無理だろうな」
「えー…そんなに?…出会ったばかりなのに言っちゃうか?オレとしては学園生活のんびり過ごしたいんだけどなー」
こうして勇者をしていた者は歴史を…自らの人生を変え天命を迎えそして新たに生まれ変わり新たな人生の時間が進みだした……この学園での生活は波乱に満ちそして楽しいことも溢れているであろう。
こうしてまた新たな惨n…物語が始まって行くのであった。
これにて完結とさせていただきます…誤字だらけで申し訳ありませんでしたが報告などしてもらって感謝しています。
ここまで付き合っていただいてありがとうございました。
学園生活などは番外編として気が向いたら書かせて貰えたらな~と考えています。
最後にもう一度だけ…本当に本当にありがとうございました。