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盗賊  作者: おにじん
2/9

「時間が経てば変わるものなんだな…」

グレムは路地裏に住んでいる子供や路地裏にあるゴミなどを見てそう呟いた。


 グレムは路地裏に来て昔のことを思い出しながら歩いていた。

だが、そこには昔の景色とは全くもって違う景色が広がっていた。


 路地裏で声をかけ花売りしていた少女、路地裏で追いかけっこをしていた子供。

様々な記憶が蘇って来たが、昔と同じ物は何一つ残っていなかった。

ただ一つ、昔と同じ姿をした路地裏だけがそこにあった。


 しばらく歩いていると元々孤児院のあった場所へとついた。

そこの近くには懐かしい物が落ちていた。

 ボロボロになったウルフのぬいぐるみや孤児院生活の時に使っていた食器、服

などがそこには落ちていた。

他にも何かないかとグレムは暫く歩き回った。


 歩き回っているうちにグレムは段々と昔の生活を思い出していき、

太陽が真上に登る頃には鮮明に昔のことを思い出していた。


「あの頃は生活が充実していなくても十分に楽しかったな…」

今思い返せばそうだ

孤児院では生活が充実していなくても仲間がいた。

同じ境遇の子や他の事情で孤児院に入った子

様々な子がいた。


 だが、境遇が違っても孤児院の子供達は仲良く、楽しく毎日を過ごしていた。

グレムもなんだかんだで楽しく過ごせていた。


 どんな事があろうと助け合っていた。

ある子がこけて泣いた時は皆で泣きやませようとした。

ある子が外の子にいじめられていた時は皆で助けに行った。


 その他にも色々な事はあったが、

楽しくなかった日はなかっただろう。


「なんだかんだで楽しかったなぁ…」

と呟きながら更に昔のことを思い出そうとする


「って、こんな事考えるなんて柄でもねぇな…」

と、頭をかきながらグレムは更に昔のことを思い出そうとする思考を止めた。


 こうして物思いにふけって孤児院の周りを歩いていたら

予想以上に時間が経っていたらしく、空が茜色に染まっていた。


「そろそろ帰るか。」

そう呟きながらグレムは孤児院の前から去って行った。


 路地裏から道への境界線のような場所でグレムは立ち止まって呟いた

「あー…何か面白いものでも見つからねぇかなぁ…」

そう言いながらグレムはジャンプしながら道へ出た。


 路地裏から出たときには思いの外時間がかかったのか

既に空は黒一色に染まっていた。


 グレンは別に急ぐ必要もないのでゆっくりと歩いて帰ることにした。

面白いものがないかを探しながら。


 久々に孤児院の時のことを思い出したグレムは少しだけ心が軽くなった気がした。

そして、灰色に染まっていた世界が少しだけ色付いて見えた。


「思っていた以上に俺の心は壊れていたんだなぁ」

そんな世界を見ながらグレムはそう言い自嘲した。


 今思ってみれば確かに心が擦れていく原因はあったと思えた。

孤児院に入ってからお世辞にも贅沢な暮らしをしていたと言えないグレムだが、

十分に平和な生活をしていたと言えた。


 実際に孤児院時代の頃に他の子供から物を盗んだ時は、

食べ物は普通に食べたりして無くなったが、

ぬいぐるみなどを盗んだ時は欲しいと言う感情と悪戯をしたいと言う感情があり、

どちらかと言うと悪戯の意味合いが大きく、

盗ったおもちゃで遊んで飽きたりしたらこっそりと戻しておく。

 あまり食べない子や食欲がない子から食べ物を盗む、と言うのが普通で、

悪戯と言い訳できる範囲内で物を盗んでいた。


 だが、孤児院が潰れてからは自分の生活の為にと言う意味合いが大半を締め、

ふざけた物ではなく文字通り精神をすり減らしながら物を盗んで生活していた。

途中から、楽しいと感じ始めたり娼館へ通い始めたのは自分の気を紛らわす為だったのかも知れない。


 平和な生活をしていたのにいきなり精神をすり減らすような

生活をしたらそうなるのは必然であろう。


「それに気づいたとしても何かが出来るかと言われると結局何もできないけどな。」

グレムは奴隷のような扱いを受けて収入も少ないような場所で働きたくないし、

そうなった時には結局これしか生活する方法はないと思いながら呟いた。


 そしてグレムは段々とネガティブな考えになっていきそうな思考を切り替えた。


「そんなことばかり考えててもしょうがない。」

と言いながら、最初の目的である面白いものがないかと言う考えを頭に巡らせた。


 そう考えながら歩いて暫くした頃にグレムの視界に一つの建物が留まった。

奴隷商だ。


「そう言えば、まだ奴隷とかは買ったことがなかったな。」

グレムは奴隷商を見てそう言いながら奴隷商へと向かって歩き始めた。


そして奴隷商の目の前へ着いたグレムは扉を開けて入ることにした。


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