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第3話 冒険の準備

属性は火、風、土、水の4属性での相関があり、レアなものとして魔と聖がある。魔は主に便利魔法、聖は回復魔法の適性がある。魔法は、誰かに教わるか、魔法の書を読む必要がある。スキルは一人につき一つまで。属性はたまに2つ持っている人もいるらしい。

「かあさん」


「アオイ、浮かない顔ね、どうだったの?」


 いつもとは様子が違う様子に、かあさんは少し心配そうだ。


「俺のスキル、<きおく>だった」


 それを聞いてかあさんは、なぜ俺が浮かない顔をしているか分かった様子だ。


「そう、それだったら、村の図書館の管理者を引き継ぐにはとっても有用なスキルね。でも、あなたは村を出たいのよね」


 それを聞いて俺はびっくりした。俺が村を出たがっているのをかあさんは知らないと思っていたのだ。

友人のトールには、話していたが、それ以外の村人には言っていない。ハジメさんに今朝打ち明けたが、あのあとすぐに帰ってきている為にハジメさんから聞いた可能性は薄い。


「え、、なんでそれを。」


 俺は心底不思議そうな顔をしていたのだろう。そして母さんはこういった。


「シゲルさんに聞いていたのよ。アオイは冒険者になって村を出たいと話すだろうということを。そしてこれを渡すようにってね」


 シゲルさんというのは俺の父親だ。母さんは父さんのことをシゲルさんと呼ぶ。父さんは女性には一切興味がなさそうだ。なぜ母さんと結婚したのか、おれが出来たのか気になっていたが、ついに聞くことはできなかった。

そして渡されたのは、1冊の本。


「この本は、シゲルさんが得たこれまでの知識や経験が書いてあるの。そして冒険している今でもこの本の内容は増えている。この本の文字が読めなくなったときはシゲルさんが死んだという証拠」


 母さんが、時折この本を夜遅くにとてもやさしいまなざしで読んでいる時があったけれど、これは父さんが生きていることを確認していたのか。


「この本はあなたが望んだ情報を文字として表示するわ。もちろんシゲルさんの知っている知識の範囲だけどね。世界中を旅しているシゲルさんだから、知らないことはほとんどないと思うけどね。使うときは、本をもって知りたいことを考えながら、<オープン>と言えば、文字が映し出されるわ。」


 これは国宝級のアイテムだ。これまで人目に触れないように使ってきたことがとてもよくわかる。

これがあれば、よほどのことがなければ死ぬことはないだろう。

 そして私からはこれをあげるわ。そういって母さんはいつも身に着けている腕輪を胸に抱えながら、<リリース>と唱えると腕輪の色が一瞬光った、そして<インストール>と唱えまた光った。

母さんはその腕輪を渡してきた。


「これは私のスキルを入れてあるわ。これを使えば、1日1回1分だけ相手と会話できるわ。その間は相手は絶対に攻撃できない。ただあなたが攻撃しようとか敵意が出てしまうとすぐに解除されてしまうから気を付けてね」


 この腕輪もかなりのレアものだ。以前は父さんが母さんに危険が及ばないように何かスキルを入れていたのだろう。よほど母さんのことを心配していたかがわかる。しかしなぜスキルを入れ替えたのだろう。なんのスキルが入っていたかはわからないが、父さんの入れたスキルならかなり強力な気がするけど。

不思議そうに見ていると、母さんは言った。


「これは一つだけスキルを入れられるもの、以前は父さんが私の周囲に<にげる>を入れてくれていたのよ。相手が私に敵意をもった場合、私への認識を一定時間なくすものなの。とはいっても、私のスキルがあるから使うことはなかったのだけどね、シゲルさん心配性だから」


 と、母さんは笑っていた。スキルを消したのは、相手のことを考えながらスキルをいれないといけないらしい。つまりその人専用のスキルなのだ。要するに最高のプレゼントだ。父さんは、ほんとに母さんを思っているのだろう。


「これ、いいのかな。すごくありがたいけど。。」

 

 そういうと、母さんは少し眉をつりあげて、


「いいのよ。私は大丈夫、それよりあなたが心配なのよ、ホントは一緒についていきたいんだけど、足をひっぱってしまうから」


悲しそうな表情をした。きっと父さんとも一緒に冒険に行きたかったのだろう。


「ありがとう、大事にするよ」


 そしてそのあと、トールのところに行こうと家を出た。家を出るとすぐそこにトールがいた。トールは心配そうな顔だ。きっと俺と冒険に出られるか心配なのだろう。

俺は無言で、親指を天に向かって突き出した。それをみてトールは無邪気な子供のような笑顔で飛び込んできた。

 その後、俺たちは隠してあった冒険道具を取りにきた。

道具というのは、干し肉と剣と防具とゼニーだ。剣と防具は村にもあるが魔物が急に襲ってきたときの為に村で保管してあるものしかない。

 規模が小さいために武器屋はないのだ。この剣と防具は、村の近くの川にながれてきた死体から頂いたものだ。よく洗ってはあるが、血がついており、ところどころボロボロになっている。

 近くの町にいったらすぐに武器と防具を揃えたいところだ。ゼニーは10万程度。トールと二人で旅をしようと決意してから、コツコツと貯めてきたのだ。

 お金も使わない、良く手伝いをすると村ではお人よしの二人と思われていたが、実はただの金の亡者だった。とはいえここからは命にかかわるから使うべきところで惜しまずに使っていこう。

よし明日の朝に旅立とう!


続きます。


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