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ひのきのぼうでも勝てますか!?  作者: リレー小説に参加して下さっている皆さま。
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第四話:内灘太郎様

今回担当の“内灘太郎”様のマイページ『http://mypage.syosetu.com/1044214/』

 "ハチ"――俺が知っているハチとは、蜜を集めることに心血を注いでる全長5cmくらいの虫と、寒い雪国でも頑張って働いた結果、銅像になられた忠犬くらいだ。


「な、なぁ……。あいつって何……?」


 俺の後ろに控えている2人に確認した。

 まかり間違っても――


「ハチですがなにか?」


 全長1mもあるであろう生物はハチとは呼ばないのである。


「ま、マジで――!?」


「はっ、さすがレベル1ね。そんなことも知らないの?」


 そして、さっきからちょくちょく小馬鹿にしてくるルクスは仲間とは呼ばないのである。


「本当にハチか!? あれ!? 俺の知ってるハチとは違いすぎるんだが!?」


「貴方の知ってる知識なんてたかが知れてるでしょ? 初心者だからビビってるんじゃないの?」


 ……俺は、自分と仲間には優しいが、それ以外には厳しいのである。

 どうも、他人への厳しさには定評のあるユージンです。


「ほう……。そうか、ルクス……」


 俺はニンマリと笑って、ルクスの顔をじっと見詰めた。


「な、なによ……?」


「俺はレベル1だからなぁ~。初心者だからなぁ~、戦い方も知らないんだ。ちょっとルクスさんや? 先にお手本を見せてはくれませんかね?」


「は……?」


 ここで更にごり押す。


「その方がレベル1には良いとは思わないか? リーネ」


「えぇ、言われてみれば確かにその通りですね!! ルクス、お願いできますか?」


「しょ、しょうがないわねぇ」


 リーネに頼まれたルクスは渋々(かなり大きめの)ハチと戦う事を承諾した。


「ちょっとどいてなさい、ユージン。すぐ片付けるから。あと、そのひのきのぼうを貸しなさいよ? 貴方のお手本となるように戦ってあげるから」


 ルクスは俺からひのきのぼうを受け取ると、1歩前に出て、ハチと対峙した。

とりあえず、俺は後ろに下がって、戦闘に巻き込まれないように避難する。

 ルクスはこちらに顔だけを向けながら、戦闘のレクチャーを始めた。


「いい? まずモンスターと対峙したときに、1番大事なのは、こうやってモンスターをしっかりと視界に捉えて――」


「捉えて?」


「ね、ねぇ……ユージン」


「何ですか先輩」


「……あれってハチよね?」


「そうですが先生」


「ちょ、ちょっと大きすぎない?」


「でもハチですが師匠」


「あ、あれってもしかしてハチじゃなくて――」



「ハッチーじゃないの!?」



「……ハッチー?」

「ほ、本当ですか!? リーネ!?」


 ハッチーという単語を聞いて、リーネは驚愕の表情を浮かべている。

 え? ハチとハッチーって似てね? つか、同じじゃないの?


「ハッチーってなんだ?」


 教えてリーネ先生!! という感じでリーネに聞いてみた。


「ハッチーとは、ハチと容姿は似ているものの、大きさ、能力、全てにおいてハチを上回るモンスターです!!」


「ほうほう……、ハチの上位交換ってやつか」


「普段はここら辺の森には絶対に現れないのですが……!!」


 リーネの表情が段々と驚愕から悲しみへと変化していた。


「え? ……そんなヤバイの……?」


「はい。ハッチーの恐ろしさは能力にあります。ハッチーはお尻の針から――」


「針から?」


「毒の霧をばらまきます」


「き、霧……?」


 針って刺すものだったはずなんだが。


「しかも、その毒というのが猛毒で致死性がかなり高いと聞きます」


 なるほどねぇ……。


 しばしの沈黙。


「それって逃げた方が良くね!?」


「でも、私達はともかく、ユージンはハッチーから逃げられるかどうか……」


 リーネは悲壮な顔を浮かべて、こちらを見ながらそう言った。

 くっ……そうか。レベル1じゃ足も早くないのか……!!


「なら、毒を出す前に倒せばいいのよ!! 師匠の良いところ見せてあげるわっ!!」


 ハッチーと1番近くで対峙していたルクスが、ひのきのぼうを構えて堂々と言い放った。

 ……しまった、少し煽りすぎたか……。


「見てなさい!! これが師匠の本気よ!! えーーい!!」


 ルクスは正面から突貫を仕掛けた。

 それと同時に、


「だ、ダメです!! ルクス!! ハッチーは既に毒を――」

「プシューーーーー」


 リーネがルクスを止めようと叫び、その声に反応したかのようにハッチーが毒の霧を噴射した。


「え!? 嘘ぉ!?」


「ルクスっ!!」


 霧は瞬く間に辺り一面に広がった。

 視界は霧によって黄色の世界に覆われてしまった。

 黄色の霧……?


「うへ~」


「あっ……」


 ちょっとだけイヤらしい声がしたかと思うと、ドサドサと誰かが倒れたような音がした。


「毒は毒でも麻痺毒か!?」


 とりあえず叫んでみるが、誰も反応してくれない。

 やっぱりさっきの倒れる音はリーネとルクスの物か……!!


「くぅ……。このままじゃ俺も……!!」


 少なくとも、レベル1よりは確実にレベルが高いであろう2人が瞬時にヤられたのだ。ならば、レベル1の俺もすぐにヤられてしまうのは自明の理。


「ここで終わってしまうのか!? 俺!?」


 四つん這いで絶望ポーズをとる。

 せめて最後くらいはアニメのようにかっこよく……!!


 ……


 ……


 しかし、待てど暮らせど、俺の体に異常は起きなかった。


「あ、あっれ~?」

初めまして! でしょうかね?

第4話担当致しました内灘太郎です。

初めてリレー小説というものに参加しましたが、中々に楽しいものですね!!

ハッチーってなんやねん!? 麻痺は毒なの!? なんてクレームは一切受け付けませんよ……えぇ……。

なんだが、少しギャグテイストが少なかった気もしますが、楽しんで読んでもらえたのなら幸いです!!

ではまた~♪

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