━━━第六章・名と狐火を継ぎし弟子━━━ 8
筆名・嵯峨 卯近
ワープロ原稿紙 A4・39字詰め34行 / 126枚
※2009年に、とある新人賞へ応募した小説で、同時に人生初の長編作品です。
結果は、一次選考突破で二次選考落選でした。
話の作り方が強引なのと、キャラ視点がブレているのと、和風世界なのに現代用語使いまくりで違和感が激しいのと、問題点が結構あります。
あと、あらすじは当時の応募規約に則って書いたもので、思いっきりネタバレになっております。
以上の注意点を踏まえて、長々とした拙い小説ではございますが、読んでいただけると幸いです。
「でも……遅かったよね……。あたしって、なんてバカなんだろ……」
そう──これが最初で最後なのだ。
双ちゃんが死んだら、すぐ後を追うからね。もう強くなんかならなくてもいいよ。何もかも忘れて一緒に、あの頃みたいに笑って暮らそ──。
「あぁ、そうだ。言っとくがコイツ……、命に別状はなさそうだぜ。なぜかは知らんが、どうやら手加減されたみたいだな」
狙いすましたようにポンと手を叩いたバサラは、とんでもない衝撃の事実をカルく告げる。
「…………ええええええぇぇぇ! うっそおおおおおおぉぉぉ!」
あまりにもショックが大きすぎたのか、言葉ではとても表現できない壮絶な顔をしたキサは、全国に響けとばかりの大絶叫。
「あ……あたし……、これが最後だからって……、思い切って……、あんな恥ずかしい事、言っちゃったのに……」
がっくりと両手を地につき、うなだれるキサ。身体は相変わらず火に包まれているが、雰囲気は真っ白に燃え尽きたという表現が、よく似合う。
「よくも……、よくもダマしたわねぇ! このバカアニキーっ!」
そして、真っ白な灰になっても蘇る不死鳥のように、怒りの炎を羽ばたかせてバサラに鉄拳を繰り出した。
「はったり、オレオレ詐欺は、キツネの嗜みだぜ? 騙される方が悪いのさ」
「んなもん、嗜みにすんなーっ!」
キサの拳を器用に避けつつ、さわやかな笑みを浮かべたバサラ。きらりと歯が光る。
「お前は、キツネの癖に単純アホゥだからなぁ……」
「あーっ、またアホ言ったな! しかも三回目っ! もう許さないからっ!」
勢いの乗った渾身のストレートがバサラの腹に突き刺さった──かに見えたが、実体の無い幽霊を殴ったようなもの。キサの身体は素通りして、そのまま双七郎が横たわる場所まで転がっていった。
「まぁ……、いいじゃねぇか。おかげで、<もののふ>になれるんだぜ。殴るどころか、逆に感謝してほしいもんだ」
そう言われて、双七郎の身体を視線に捉えたキサ。
吐息が荒くなり、胸の鼓動が上がってゆく。獲物をロックオンした肉食獣のように、しなやかな動きで近寄って彼の着物に手をかけ──。
「なぁ……。お前、何か勘違いしてないか? ヨダレでてるぜ……」
「うっさい! そんな訳ないでしょうがっ!」
バサラのツッコみをムキになって否定したキサは、慌てて手を離す。
(やっぱ……、ここは口づけすれば、いいのよね?)
恋い焦がれていた彼と初めての──高揚する気分を抑え、すーはーと息を整えようとするも、うまくいかない多感な十四歳。目をぎゅっと瞑り、あとは野となれ山となれ。
エロい展開注意?!




