表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/105

━━━第五章・敵地潜入━━━ 12

筆名・嵯峨さが 卯近うこん

ワープロ原稿紙 A4・39字詰め34行 / 126枚


※2009年に、とある新人賞へ応募した小説で、同時に人生初の長編作品です。

結果は、一次選考突破で二次選考落選でした。

話の作り方が強引なのと、キャラ視点がブレているのと、和風世界なのに現代用語使いまくりで違和感が激しいのと、問題点が結構あります。

あと、あらすじは当時の応募規約に則って書いたもので、思いっきりネタバレになっております。


以上の注意点を踏まえて、長々とした拙い小説ではございますが、読んでいただけると幸いです。

 錫杖しゃくじょうの首根っこを両手で持つ黒頭巾くろずきんの坊主が、不気味にたたずんでいた。

「おぬし……かような所で何をしておる?」

 空吉そらきちの位置からは見えないが、坊主の後ろに落ちた小石は二つに割れている。

「びっ、びっくりしたっスよぉ……。あんたこそ何してんスか?」

 気配はまったく無かったはず。空吉そらきちひたいから、冷ややかな汗が流れる。

「質問に答えぬか!」

 この坊主、まともな道を歩んできた人間ではない。おそらく、裏を生業なりわいとするプロであろう。なんちゃってスパイを気取った空吉そらきちとは、まとっている空気そのものが違うのだ。

「み……、見張りっスよ。お偉いさんからの命令っス!」

「ほほぅ……、それは妙な事を申すものだ。賊が逃走した方角と逆を見張れとは……?」

「うっ……」

 そう、ここは双七郎そうひちろう達が向かった西とは正反対。つまり、鶴城つるぎの東門をくぐって少し歩いた場所である。言葉にきゅうした空吉そらきちは、そのままごまかし続けるべきか、いっそ実力行使に出るべきか、頭を悩ませていた。

 が──、

それがしり合うおつもりか……。それもよかろう」

 坊主の言葉にハッとする空吉そらきち。無意識のうちに身体が構えていたのだ。こうなった以上、やぶれかぶれだ。

それがしの……<もののふ>のあざなは、影法師かげぼうし。将軍様に仕える影の身ながら、正三位を戴いてござる」

 名乗りを上げた黒坊主に、空吉そらきち愕然がくぜんとする。

(まじっスか……)

 あまりにも、実力が違い過ぎる。三位以上を冠する者は殿上人てんじょうびとと呼ばれ、恐れ多くも皇尊すめらみこと拝謁はいえつを許されている。それに──どこまで眉唾まゆつばかは知らないが、山や街を簡単に吹き飛ばすほどの破壊力を持つらしい。

「いざ、殺生せっしょうつかまつる……」

 シャラランと錫杖しゃくじょうを流れるように振り、腰を落として構えた影法師かげぼうし。冷徹な雰囲気を身にまとった彼に、すきはどこにも見当たらない。

空吉そらきち親分おやびん、ただいま到着っち!」

 待ち人、やっと来たる。まさに地獄に仏とはこの事。

 絶妙のタイミングでチュウ太が空吉そらきちの肩に乗り、ささやいたのだ。

「お覚悟めされよ!」

 影法師かげぼうしが音もなく地をって迫り来る。しかし、先程とは打って変わって自信に満ちた笑みを浮かべる空吉そらきちが──突如として消えた。

「なんと!」

 いくら正三位がすごいとは言え、足の速さで競うなら必ず勝てる。チュウ太と合体して韋駄天いだてんと呼ばれる<もののふ>になった空吉そらきちは、そう強く確信した。

(駆けっこでは、誰もオイラにかなわないっすよ!)

 瞬時に、辺りの景色が変わった。夜風と一体化したかような速さで、森を颯爽さっそうと駆け抜ける。

(そろそろ、いいっスかねぇ……)

 あの場から、相当離れたに違いない。

 手頃な大木を見つけた空吉そらきちは、腕をクロスして衝撃に備える。

「ぐはっ」

 森の深淵しんえんにこだまする衝突音。

 走り出したら如何いかなる者も追いつけないスピードを誇る<もののふ>の弱点が、何かにぶつからないと止まれないというもの。まさに身体を張ったランナーである。

(ここまで来たら……)

韋駄天VS影法師。

サブキャラ同士がぶつかり合います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ