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それで、この銀髪女子はいつになったら俺と喧嘩するんだ?

 俺が銀髪女子から喧嘩を申し込まれ、その銀髪女子が喧嘩を有利にする為に俺の部屋に住み着いた。


 だが、その銀髪女子にだけ俺の事を調べられるのは不公平なので俺もアイツを調べる事にした。


 アイツがいない隙を見計らって、色んな奴にアイツを知っているか聞いてみた。


 すると、アイツが俺以外にも喧嘩の為に住み着いた47人の内、11人がこの学園にいたので、話を聞く事が出来た。


 まずは違うクラスの同じ学年の男子だ。


 「あぁ~お前もマユの喧嘩を受けちまったのか・・・」


 アイツの名前はマユと言うみたいだ。


 「アイツのやり方は少々強引だが、強いと言う事だけは確かだな。俺では敵わなかった・・・」




 次も違うクラスの同じ学年だが、女子だった。


 「私もマユの喧嘩を受けて、一緒に風呂に入ったんだけどね、そこで私がすねを蹴られると弱い事を見抜かれてボコボコにされちゃった・・・貴方も気を付けてね。」


 お前は千本目の刀を奪おうとして敗北してそいつの家来になった大男か?




 上級生にもマユに喧嘩を申し込まれた奴がいたので、聞いてみた。


 「アイツの話は止めてくれ!!あの子守唄が蘇って眠れなくなる!!」


 やっぱりあの子守唄は不評の様だな。




 また別の上級生に聞いてみた。


 「マユ!?食事!風呂!子守唄!そして殴られ蹴られ・・・フヒ――!!!!!」


 はい、撤収!!




 11人の中には、何と教師も混ざっていた。


 「私はその頃小学校の六年生で、マユは一年生だったのだが・・・流石一年生のあの体系・・・最高だった・・・あれを何度夢で・・・」


 はい、撤収撤収!!




 「ダイガさん、大分情報を集めたみたいですね・・・ですが、私も貴方の事を色々・・・」


 「はい、撤収!!」


 「撤収すんな!!」


 「冗談だ、それでお前はいつになったら俺と喧嘩するんだ?」


 「貴方に勝てる策を思い付くまで喧嘩しません。」


 逆に思い付かなかったら一生喧嘩しないで俺の部屋に住み着くのかよ・・・


 「面倒くさいからここで決着を着けよう、かかって来いよ。」


 俺は喧嘩の構えをしたが、


 「残念ですが、喧嘩をする場所は屋上の約束ですので。貴方は合意の無い喧嘩は絶対にやらないんですよね?」


 畜生、痛い所を突かれた・・・


 「やっぱりあの時のウィンクは時間指定の了承じゃ無かったんだな?」


 「・・・・・」


 図星か。


 「しかし、分からないんだよな~」


 「何がですか?」


 「何でお前は喧嘩なんかやってるんだ?」


 「・・・・・」


 「・・・悪い事聞いたか?」


 「いえ、そんな事はありません。」


 良かった、トラウマでも蘇ったのかと思った。


 「私が喧嘩をやっているのは・・・ある人が喧嘩を否定しなかったからです。否定しなかったから喧嘩をやり続けて強くなったんです。」


 「なるほどな、肯定してくれたから止めようと思わなかったと・・・そいつはどんな奴なんだ?」


 「・・・教えません。」


 まぁ良いか、別に興味ないし。


 「興味無さそうな顔ですね。」


 「おぉ、どうして分かったんだ?」


 「私は人を見る目には自信がありますので。」


 「なる程、これまで47人の家に押しかけて全勝しただけはあるな。」


 「・・・全勝した訳じゃありませんよ。」


 「え?負けた事があるのか?」


 「勝負が着いていなくて引き分けになったのが一件あるんですよ。」


 「引き分け?誰と?」


 「教えません。」


 またか、面倒くさい奴だな・・・


 「ところで、貴方も何で喧嘩なんてやってるんですか?」


 俺が喧嘩をやる理由か・・・


 「元は喧嘩なんかしたく無かったけど、俺の言う事を信じて貰う為に勉強やらスポーツやら頑張って、でも信じて貰えなくて自暴自棄になったと言うのが理由かな・・・」


 「なる程・・・分かりました。」


 そう言うとマユは、どこかへ走って行った。


 (帰ろ・・・)




 とうとうマユは俺の家には帰って来ず、俺は静かな眠りにつけた。


 そして学園に向かう道で・・・


 「ダイガさ~ん!」


 マユが待ち構えていた。


 「昨日はどうして俺の部屋に来なかったんだ?」


 「あれ?私が貴方の部屋に来ることを期待・・・」


 「掃除やら晩御飯の支度やら楽しみにしていたからだよ。」


 「そうですか、家政婦扱いですか・・・そんな事より、やりますよ!」


 「・・・何を?」


 「部活ですよ!部活!」


 「・・・・・部活?」




 「ここです!私達の部室は!」


 訳も分からないまま、俺はマユに部室に連れて行かれた。


 そこそこ広い部室だ、ここなら喧嘩も出来そうだな。


 「と言うか良くもこんな部室が手に入ったよな~感心したぞマユ。」


 「へっへっへっ・・・奪い取った甲斐がありました~」


 あ、感心して損した。


 「マユ、ちょっと聞いても良いか?」


 「何でしょうか?」


 「そもそもここは何をする部なんだ?」


 「喧嘩です。」


 「・・・ごめん、もう一回言って貰える?」


 「喧嘩です!喧嘩をやるんです!」


 「喧嘩~?」


 「そうです!喧嘩は良い物です。何故なら喧嘩はこの世のテーマその物ですから!さぁ、そうと決まったら部員を探しに行きましょう!えい、えい、おー!」


 「お、おー。」


 俺の好きな喧嘩・・・それを部活動にする事がはたして出来るのか?そもそもこいつは誰からどうやって奪ったんだ?と言うか俺と喧嘩はいつやるんだ?


 そんな事を思いながら、俺はマユと部員を探しに向かった。

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