俺は最近、喧嘩を全然していない。だから屋上に行こうと思う。
「ダイガさーん、将棋やりま・・・ってどうしました!?」
俺の部屋で、喧嘩の為に俺の観察をしているマユの声が響く。
声が響く中で、俺は学校が終わって帰ったばかりなのに、ベッドにうつ伏せになって暗いオーラを出している。
「あぁ、マユ・・・俺は最近ストレスが溜まって溜まって・・・」
「そんな時は、将棋をやってストレス発散しましょう!」
「ストレスが溜まってるのは喧嘩をしていないからだ!俺は喧嘩がやりたいんだ!と言う訳で今ここで良いから俺と喧嘩しろマユ!」
「すいません・・・屋上で喧嘩をする約束ですので・・・」
「じゃあお前を今から屋上に引っ張って喧嘩してやる!異論は認めないから来い!」
「ダイガさんは同意していない喧嘩はやらないんじゃなかったんですか~!?」
「じゃあ喧嘩をするまでお前を全裸にして時計台から吊るしてボコボコにしてやる!」
「私をサンドバックにするつもりですか~!!」
そしてマユを引っ張って、俺はファーブ魔法学園に到着した。
「さてと、屋上に行って喧嘩をやるぞコラ!」
「あぁ、もうどうにでもしてください・・・」
俺は門を開け、中に入った。
「あれ?急に暗くなった?」
さっきまで夕方だったのに、急に暗くなった。
すると、門が閉まる音が聞こえた。
「勝手に門が閉まりましたよ?あれ、開きません・・・」
「マユ、あそこに何かあるぞ。」
校舎の玄関の入口に、何か箱の様な物があった。
俺とマユが近づき開けてみると、
「ワ タ シ ヲ ケ シ テ」
と書かれた紙が入っていた。
「私を消して?どう言う事でしょうか・・・」
「・・・ホラー小説で言えば、学校に閉じ込められて謎を解かなければ死ぬって所かな?」
「ア、アハハハハ・・・死ぬなんてある訳無いでしょう、嫌ですね・・・それに謎を解かなくったって門の上を飛び越せば・・・」
マユが甘い事を言っているので、俺は門の上を越す角度で石を投げた。
「あ、あ・・・石が、石が何かに食べられた・・・」
マユの言う通り、石は門の上を飛ぶかと思いきや更に上から来た何かに食べられた。
「あいつに気付かれる前に校舎の中に入るぞ!」
俺はマユを引っ張って校舎の中に入った。
「取りあえず、安全な所を探そう。」
「そうしましょう!」
俺とマユは取りあえず、保健室に入ってみた。
「特に何も無さそうだな・・・」
「あれ?何か紙が落ちてますよ。」
マユが、その紙を拾った。
「サ ヨ ウ ナ ラ?何でしょうこれ・・・」
その時、マユの後ろに白い服を着た女が現れ、手には斧を持っていた。
俺はすぐにマユの手を引っ張り、斧がマユに直撃するのを回避する事が出来た。
「マユ、逃げるぞ!」
「逃げるってどこに!?」
「それは・・・えっと・・・屋上だ!!」
俺はマユの手を握りながら走り出した。
玄関から俺の投げた石を食った化け物が来たが、俺は無視して階段を上った。
「あぁもう!何でここが行き止まりなんだよ!」
俺はすぐに階段を上がろうとしたが、階段が塞がっていたので仕方なく、向こうの階段を目指して走り出した。
「ハァー、ハァー、疲れた・・・マユ、今度は俺を引っ張って走ってくれ・・・」
しかし、俺は疲労してしまった。
「えぇ!?」
「早くしないと追い付かれるぞ・・・」
「・・・もう、分かりました!しっかり捕まっててくださいよ!」
マユは俺を引っ張って走り出した。
マユは魔法学園に入れるだけあって足は速い。しかし俺ほどでは無く、やがて化け物に距離を詰められた。化け物は大口開けて近づいてくる。
「うわー!食べられる!あっち行け!」
俺は化け物に魔法を放った。
すると、化け物は怯み転んだ。
「チャンスだ!走れマユ!」
「分かってますよ!」
マユは屋上へ続く階段を上り、屋上まで後少しのドアに辿り着いた。
そしてドアを開けようとしたが・・・
「あれ?開きません!」
何故かドアは開かなかった。
「下に赤と青と黄色のコードと文章があるぞ!えっと・・・我、持たんし。何じゃこりゃ!?」
意味不明な文章に俺は混乱した。
「間違えたコードを切ると二度と開きません・・・ってふざけんな!!」
文章の下に、こんな注意書きがあった。
俺が色々と考えていると、大きな足音が聞こえた。
「あの化け物が起き上がってこっちに来ますよ!どうしましょう!」
「どうしましょうって、どうするんだよ!?」
俺とマユは慌てふためいた。
慌てた拍子にマユの服のポケットから紙が落ちた。
俺はその紙を拾った。
「ワ タ シ ヲ ケ シ テってこれさっきの紙じゃないか!こんなもん役に・・・あれ?」
役に立たない、と言おうとしたが、俺はある事に気が付いた。
我、持たんし。にはワタシと言う単語がある。それを消すと、ワレ、モタンシ・・・レモンだ、レモンになる。レモンの色と言えば・・・
「黄色だ!!!」
俺が黄色のコードを手で千切ると、鍵が開く音がした。
俺は立ち上がり、マユの手を引っ張ってドアを開けて入った。
屋上はいつもと変わらないが、あの化け物は何故か入って来ない。
「それで?俺とマユをここに閉じ込めた奴はここにいるのか?」
「もしかして、ここから脱出するのかもしれませんよ。」
俺は石を投げてみたが、新たな化け物は上から来ない。
本当にここから地面に着地しろとでも・・・?
「ダイガさん、あそこに箱がありますよ。」
俺はマユの指さす方向を見ると、確かに箱があった。
すぐに近づいて箱を開けると、中には紙が入っていた。
「ス デ 二 モ ト ニ モ ド ッ テ イ ル・・・既に元に戻っているか、確かにここから人が見えるな。」
明かりも見えるので間違いは無いだろう。
「ハァー、怖かった・・・ダイガさん、戻りましょう。」
「賛成だ・・・」
俺とマユは、帰る事にした。
そして無事に帰り着いて夜になった頃。
「そろそろ寝るか・・・」
俺が自分のベッドに向かおうとしたら、
「ダイガさん・・・」
マユが俺のパジャマを引っ張って来た。
「どうした?マユ。」
「一人で寝るのが怖いので一緒に寝てくれませんか・・・?」
なる程、学園であんな事が起きたからか。
「分かった、そう言う事なら仕方ない。」
「ありがとうございます・・・」
そして俺とマユが一緒にベッドに入り、しばらく経って・・・
「すや・・・すや・・・」
マユがすぐに眠ってしまった。
別に寒くもないが、俺はマユを抱き枕にして目を瞑った。
そして朝になり、俺が目を覚ました。
「すや・・・すや・・・」
目を覚ますと、マユの顔が目の前にあった。
すぐにマユから手を離して起き上がろうとした。
「・・・あ、ダイガさん・・・おはようございます・・・」
だが、マユが目を覚ました。
「おはようマユ、良く眠れたか?」
俺が声をかけた数秒後、マユが突然顔を赤くした。
「え!?え!?何でダイガさんが私のベッドに!?忍びこんで来たんですか!?」
「いや、ここは俺のベッドだし、一緒に寝ろと言ったのはマユだし・・・」
「キャ―――!!!!!」
マユが顔を赤くしたまま俺の部屋を飛び出した。
そしてまたドアを開けた様な音がした。
「外にでも出たのか・・・?だとしてもパジャマのままでどこに行くんだ・・・?」
俺は疑問に思いながら、朝ごはんを作りに台所に向かった。




