新天地到着
中々忙しくなって投稿できなかった。ごめんなさい。
これから貯まったら随時投稿していきます。
追伸、何を書きたいのか自分でも分からないので中々に中身のない作品になっております。
どうも皆さまこんにちは。永遠(仮)のアザラシ赤ちゃんフワフワ増量中のブランでございます。
あの小島沈没とクラゲ事件から早くも3ヶ月が経っております。
あれから何事もなく(ダブちゃんが問題を蹴散らしたから)今では新しい家を構えて暮らしています。
陸で
そう、陸で。
これにはたいして深くもない理由がありまして。
暑さでダブちゃん(シロクマ)がダウンしました。そこで人魚に戻って泳いでいました。
底引き網に私がかかりました。
・・・正直大変申し訳ないとおもってます。
水揚げされた私を追いかけてダブちゃんは陸に上がりました。そして珍しい生き物として子供たちに揉みくちゃにされている私を無事に回収、なんやかんやでこの街で暮らすことになりました。
揉みくちゃにされた私は意識も朦朧といていたのでその経緯はよく分かりませんがダブちゃんが人間の姿になれることだけは分かりました。
ダブちゃん曰く
『ハーフの特権』
らしいです。その便利さに少し嫉妬もします。しかし揉みくちゃにされてゴワゴワになった毛並みを丁寧に洗われてブラッシングしてもらってフワフワにしてもらったので良しとします。
みんな、私は何とか元気です。
・・・・そしていつにも増してとても暇なんです。
「ふきゅ~・・」
ダブちゃんは人間社会で暮らすために今は働きに出ています。私は今家の床でブー垂れています。やっぱり陸は私のようなアザラシには不便です。
床に使われている木材が温くなってきたので台所の床に移動します。この体は不思議なことに暑さにも寒さにも強いので夏場のシロクマの様に辛くはないのですが、やっぱり少しは涼しい方が気持ち良いのです。
この家は私が意識を飛ばしているうちにダブちゃんが用意していたものでどういった経緯で手にいれたのか一切知りません。でも、賃貸では無いようなので月の家賃の心配も無いそうです。ホントにどうやって手にいれたの?
法に触れることややましいことはしていないらしいので一先ずは安心ですけど。
さて、台所に移動しましょう。今まで寝転んでいた場所は日当たりが良いので直ぐに暖かくなります。朝方は暖かくて良いのですが流石にずっと日に当たっているのも嫌なので日陰にいどうします。
台所は換気用の窓がありますが日差しがそれほど入ってこないので昼間でも少し薄暗くてひんやりしています。きっと冬は寒いでしょうがここは温暖な気候らしいので多分そこまで寒くないでしょう。アザラシに関係無いですけど。
「きゃふ・・・(ごろごろ)」
最近の移動はもっぱら横にごろごろとローリングして移動する。匍匐前進は遅いしお腹の毛並みがすぐ汚れるので控えている。
この家物凄く床が汚かったのだ。
ダブちゃんが綺麗に掃除しても中々に頑固な汚れで大変だった。基本人魚は水中で暮らしているので床に埃が積るのが関の山で、こんな風に床に汚れがこびりつく事等なかったらしく雑巾片手に苦戦していた。
苦戦していたのも最初の4日程度で直ぐに人間の掃除用具に適応して今ではピッカピカの床を維持している。
しかし、白くて汚れも付きやすい私の毛並みの前にはその努力は虚しく、薄汚れた私が毎日お風呂のお湯を黒く汚しているのだった。
そう、この街では(と言うか、日本の文化が特殊)土足が普通で家の中でも靴を履いてるものだから土埃が家の中に大量に持ち込んでしまうのだ。玄関マットを置いて極力落としてもやっぱり私は黒くなるので近々ダブちゃんは家の床を改装するそうです。
面目なくてすまんダブちゃん。這いずるしか出来ない私が憎い。
「きゅふぃ~(せめて宙に浮ければ良いんだけど)」
こんな調子だから外出もダブちゃんに抱えられてお荷物になって片手を塞いでしまう。買い物に行っても全然捗らない。一回で持ち帰れる荷物が少なくてもう一度行くはめになる。
これじゃあ本当にお荷物だよねぇ
「きゅい、きゅふぅ~(でも浮くなんてそんなことできるわけないじゃない)」
「出来るかもよ?」
私はアザラシだ。アザラシという名の不思議生物になりつつあるけど流石に空中に浮くなん・・・・
「きゅああぁーーー!?!!(⊃ Д)⊃≡゜ ゜」
自分の不甲斐なさと不思議さと役立たずさを嘆いて居ると私以外居ない筈の家の台所で人の声が聞こえた。飛び上がって(上じゃない前方に発射されたように飛んだ)心臓が飛び出るほど驚いた。
「にゅうきゅぁぁぁ!?(何々何なのなの!?)」(≧Д≦)
「はははは、━━そんなに驚かなくても」
落ち着いて声の主を見上げてみると長い髪を前に垂らし、しゃがみながら小首を傾げて麗しいお顔で人の家に浸入しているお方、とても良い笑顔のニーアさんがおりました。
あ、お久しぶりです。
「久しぶり。困ってるみたいだから来てみたよ」
「きゅー(^ω^)」
優しく持ち上げれれて膝に乗せられ撫でられついつい嬉しくなる。この人は無条件で安心する何かがある。ま、悪戯好きな人だけどね。
ダブちゃんが帰って直ぐに私を洗うのが日課になりつつあるこの床由来のお腹の汚れが撫でられていたらいつの間にか綺麗になっていた。この人は本当に何でも出来るのか。こんなに簡単に汚れが落ちたらダブちゃんの手間も省けるのに。
「いや、それはそれで彼は残念がると思うよ?」
「きゅーぅ?(そーかなぁ?)」
そう言われると私を洗う彼はとても楽しそうではあった。表情は変化少ないけど感情の色のモヤが黄色になったり薄い桃色になったり忙しい感情してましたね。嫌ではないのだろう。
「洗うのも楽しみにしているんだよ」
そっかー。そうだったのかー。ダブちゃんもふもふすきだもんねー。
「そうだけど、それだけじゃないんだろうけどね」
それだけじゃないの意味が分からないけど一先ずはニーアさん
「何かな?」
人の考えを読まないでください。
「ゴメンね。ついやっちゃうんだよ」
全然悪いと思ってないのは分かった。それにしても何処から入ってきたのか。玄関も窓も戸締まりバッチリの筈だったのに。ダブちゃんが掛け忘れたのだろうか?
「ん?違う違う、彼はちゃんと鍵を掛けたよ。鍵なんて私には関係ないからね」
ほら私転移出来るからね、と朗らかに笑ながら真相を話してくれた。
私とダブちゃんには予め何かあった時のために異変を感じたら感知出来るようにしていたそうで、悩んでいた私の感情を感じ取って何事かと思って私の場所に転移。すると薄ぐらい台所できゅふきゅふ(ブツブツ)と呟いている私を見つけて何事かと思い近づくと汚れ問題で悩んでいるのを聞いたので声を掛けた。
これがニーアさんの経緯でした。
「いくら悩んでるからって悩み込みすぎだよブランちゃん。私まで負の感情が届いたよ」
「きゅ、きゅふぅ(それはまたご迷惑をお掛けしました)」
「いや、暇してたから。むしろ甥っ子に外に出ろ出不精って言われてたくらいだし」
ニーアさんが出不精だった事が判明した。どうでも良いのだが甥っ子のニーア君(ニア君とも呼んでいる。ニーアさんと差別化をしてます)がスゴい毒舌ってことも分かった。
それよりも!
「きゅ?ふきゅぅ?(方法があるって本当ですか?)」
「勿論あるよ。何、簡単なことだよ」
いまだに膝の上に置かれている私の頭辺りを優しく撫でて微笑む。ホントにこの人は嘘を言わない人だ。感情のモヤは全く濁っていない柔らかい薄い黄色をしている。
そして私の質問にも嘘をついていない。モヤに、感情に出さないだけならば底が見えない人だ。が、
なんだかかんだでお人好しなのだこの人
「方法はね━━━━」
「きゅ?(え、そんな方法?)」
ニーアさんの提案した方法は意外と言うか結構原始的なものであった。
早速私とニーアさんはその方法をためすのだった。
そこに帰ってきたダブちゃんが驚き、嘆いたのは私は予想できなかった。
ニーアさんはニコニコと見守っていた。




