ほふく前進で逃げます
アザラシが泳ぐと結構速いらしいですが、地上では遅いですよね。
えっほ、えっほ。
あ、どうも皆さん。色つき靄が見える設定も忘れかけていたアザラシ赤ちゃんのブランです。どうも、今一生懸命ほふく前進で逃げてます。え?何から逃げてるの?
あははは。ええ、ちょっとウザくなってシロクマことダブちゃんからね、逃げてるんですよ。
ふふふ、もうね・・寝る時なんて抱き枕かヌイグルミよろしく抱き締められて連日連夜寝られたら嫌になりますって・・
ハハハ(≡^∇^≡)・・・・・はぁ(ーдー)
それでせめてもの抵抗として逃げているのです。水中なら幾分速く泳げるのですが(浮かんでいるとも言いますが)今は陸に居るので大変です。
※『』の言葉は人間には分からない言葉で話しています。なので人間には「ガウッ」とか「きゅ!」とかにしか聞こえてません。
『待てって!(;-ω-)ノ』
『嫌です~。私はヌイグルミじゃないんです。そんなに寂しいなら貰ってきたヌイグルミを抱いてて下さい!』
『いや、お前が嫉妬したから―――――』
『してません!(# ̄З ̄)』
してませんよ?ええ、してませんとも。確かに少し機嫌は悪くなりましたが、そんなことありませんよ!・・・・多分
『大体、そんな形相で追いかけてこないで下さい!怖いです(肉食獣に追いかけられているようで)』
『こ、怖い!?( ゜д゜)!!』
何でしょう。この「あ~あ泣かせたぁ」な状況は。私言い過ぎましたか?怖いんですよ?本当に。
皆さんも自分よりも大きな熊が目をランランとしてゆっくり後ろをついてきたら「食べられる!?」と思いますよ!
それくらい怖かったのですダブちゃん。
『怖い・・・怖いかぁ・・・・慣れてたのに、ふ、ふふ・・orz』
『えっ~っと、ダブちゃん? 目をランランとして追いかけられたら誰でも怖いですって。外見とか関係無く(シロクマなら威力増大だけどな!)』
『――――――ホント?(´・ω・`)?』
何ですかね。可愛いように見えてますが、本来の姿を知ってる私としては引きますね。うん。ゴメンダブちゃん。でも何だかトラウマ刺激されてあんまりいい気分じゃないのほんとゴメンね。
イケメンって何やっても許させる訳じゃないって心の中の私が怒鳴ってるのよね。
二重人格とかじゃないよ。
このやり取りの間も私は進むのを止めない。ダブちゃんが泣きそうな顔してても止めない。我が(ホフク)前進を阻むものは何人たりとも許さん! なんつって。(  ̄ω ̄)ノ
『ブラン~~』
『追いかけてこないでぇぇ~』
今日も私は元気です。我が前世の親友よ、貴女は元気ですか?
『無視なのか?(´・ω・)』
『ギラギラした目じゃなくて今度はそのギザギザの歯を至近距離で見せないでぇぇ!?!!( ; ロ)゜ ゜』
こえぇ!?マジでシロクマ至近距離で見ると猛獣だった。パンダも猛獣だけど、笹食ってるよりバリバリ肉食のシロクマの方が恐いね((( ;゜Д゜)))
「ぶにゅうぅぅ!?!?( ;∀;)」
「ガ、ガウゥッ!?( ゜д゜)」
「あの鬼ごっこはいつ頃終わるんでしょうね」
「ブランの気がすむまでだろ」
それを生温かい眼差しで眺めている伯父と甥が居るところまでが当たり前な日々になっている彼らであった。
お、落ち着きまして。改めて私、ブランの新特技をご披露致しましょう!
『ふ、私の右ヒレが真っ赤に・・・燃えないけど』
『その姿はとても可愛かった』
私の1メートル離れた場所から何か小動物を慈しむ眼差しで私を見ていた。さっきの至近距離で驚かれて懲りたのか少し距離を取っている。ゴメンねダブちゃん。でも何でか恐く思えて・・・ダブちゃん召喚(という名の誘拐)されて戻ってきてから、何か恐いんだよね。何でだろ?別に平気だったのにさ。
おっと、新特技の話だった。
私は気を取り直してヒレではなくアシカよりも頼り無い様に見える尾ヒレに良く分からない赤い“何か”を集めるように集中させ尾ヒレに“何か”をコーティングして私は精一杯飛ぶ。そう、飛ぶ。全力てジャンプする。
目標はニーアさん(本人の要望により呼び名を変更。それによりニーア君はニア君と区別することになった)が用意してくれた薪用に切り出された割っていない丸太。その丸太に“何か”をコーティングした尾ヒレをぶつける。
胴と尾ヒレの差があまり(てか短い)私は丸太目掛けて飛ぶがいかせん他の動物の様に長い尻尾の様に(この地方のドラゴン(ファンタジーだね)尻尾で相手を攻撃することが多いとか)相手を見ながら攻撃することが出来ないので(首も無いしね)真逆な方向を向きながら尾ヒレを振り落とす。
と言うより、からだ全体が落ちていく。
普通のアザラシにはないぷにぷにボディのお陰で衝撃吸収バッチリで床に落ちた瞬間のダメージゼロなのです。箪笥に潰されても平気なわけだよ私。
そして攻撃目標の丸太は真っ二つに・・・うん、これはダブちゃんにやったらただではすまないな。
ちなみに“何か”は魔力らしいです。赤い色は攻撃力アップで青が防御力アップ。緑が速度上昇(私が陸地で速度アップしても・・・フッ)で黄色が体力上昇?らしい。ここは良く分からない。
色つき靄は感情が具現化したモノだと思っていたが、どうやら感情に色付けされた魔力だったみたい。
そして私気がつきました。私ダブちゃんや弟君やニーアさんとニア君の側では無意識のうちにリラクックスしてました。ほら、最初に保護されたの人達は疑いの眼差しやら信用してなかったから靄が見えたのであって、集中してないリラクックス状態の時には見えなかったわけです。
何れだけダブちゃんマイナスイオン出てるのよ。顔は強面気味なのに。
でもそこで疑問が。この際ダブちゃんのマイナスイオンが出てる出てないの話は置いとくとして(初対面では顔は強面でも優しそうだった。人のこと食えるか食えないか言ってたけど。それは水に流そう)、ニーアさんの不思議な安心感は何なのだろうか?
抱っこされて移動する時なんて不思議な安心感があって。まるで昔何処かに運ばれて居たような、守られていたような安心感が――――うーん分からない。
けど、ニーアさんはイケメン(中性的)たが嫌いではない。嫌悪感は無いので、うーん、何なんだろこの喉まで出掛かっている様な感じは。
ま、いっか。
そして考えている隙に私はダブちゃんに捕まってましたとさ。
だからねダブちゃん、ヌイグルミを抱っこしてなってば!もう!(# ̄З ̄)