表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/49

驚きの白さ

 勢いのままに……止まると消沈しそうですがどうぞよろしくお願いします。

 きゃっはー♪どうも皆さまアザラシの赤ちゃん名前はまだない私です。



 あれから今日で一ヶ月たちました。それでも私に変わりはありません。


 アザラシって生後どのくらいで独り立ちするんでしたって?



 まぁ、そんなことは今は別に良いでしょうね。





 そんなことよりも、何故か今この海底ではとあるブームが巻き起こってます。



 ―――あれです。アザラシブームです。



 誤解しないでほしいのは私が逆ハー系の溺愛とか人に囲まれるのが嫌いって事です。静かな昼寝ができません。お昼ね大事!これ私のルール。



 おっほん……えぇっとそれで私に似せた縫いぐるみ(なんか私も欲しいくらい可愛い)とか私が刺繍されたハンカチとか私の知らないところで凄いブームです。


 それなら別にいいんです。それで引き取ってくれた二人――私に生臭いミンチを向けてきた二人―はウハウハだから私の所為で掛かる出費に頭を痛めなくてもいいのですから。


 まぁ、煩いのと変態とか誘拐とか危険が増えたことは頂けないけど。







「きゅ~」



 窓ガラスが填まった窓から危険な視線を感じる。でも私はそっちは見ない。危険な人と目を合わせちゃ危ないから。運動不足解消(になってるか不明)の為にゴロゴロしてます。あと、前にも進めるようになりましたよ♪ 腹筋が割れないと良いのですがね……。嫌だぞ腹筋が割れたアザラシ赤ちゃんなんて……。





 そして、ここ一ヶ月で色々と分かってきた。



 1つ、この世界でアザラシは居ない。


 2つ、この世界はやっぱり異世界でファンタジーな生き物がオンパレード。


 3つ、元の世界に帰れる可能性は絶望的。




 そしてこれが一番重要。え?帰れないことが重要じゃないのか? 転生してる時点で無理だと何となく初めの内に諦めてたんだよ。で、話戻るよ。



 重要なとこ、それは――――やっぱり私チートでした。



 うん。王道だよね。そう思うよ私も。



 でもね、チートっていっても「俺TUEEEE~」とか無双系ではないってこと。私の場合はなにも食べなくてもお腹すかない死なない。これはこの一ヶ月食べてない私を心配した保護者二人が医者に見せて「体内に魔力を随時取り込んで生きている」ってさ。だから何も食べなくてもいいみたい。楽だけど何も食べないのも寂しいなぁ……口が。



 でも、こんなカワユイ体……手なんてパタパタして水を掻くくらいしか出来ないよ。敵に攻撃なんて……あぁ、尾っぽでビシバシ叩く位じゃね?


 そしてとっても頑丈なんですよねぇ……。水中呼吸も本来できないのに出来ているのもチートな能力だそうです。水中の魔力を酸素に変えてるとかなんとか……誰でも息が出来るわけではないらしい。



 良かったよ、これでもし息できなかったら死んでました。みんなも知らないアザラシの赤ちゃんを水中に引き込んじゃダメだぞ。冗談抜きに死ぬ。





 そこから私が導きだした答えがあるのだが……。





 ここから出ようと思う。




 何せ煩いし、危険だし……この頃あの二人が不穏な動きをしている。どこかに売り捌く気かもしれない。良い値で買うと打診してきた富豪がいるみたい。物陰に隠れて聞き耳たててたから間違いない。



 あ、忘れてたわ。もう1つチートな能力が有るんだった。そのお陰で買い取りたいと言ってきた富豪が「悪いやつ」って分かったんだよ。



 あの二人に引き取られて一週間した辺りから私の目がおかしくなった事があった。私以外の生き物に色がついたもやが見え始めたのだ。最初は「あれ?もしかして病気?」かとも思ったが、アザラシブームによって靄の色には法則が有ることが分かったんだよ。


 幸福感には薄いピンクな靄が、怒りや嫉妬には赤い靄、悲しみには青い靄、好奇心には黄色、恋愛感情には濃いピンク、犯罪的な感情には紫……あと、無関心には白っぽいグレーの靄がそれぞれ出ているのだ。


 

 紫の靄は外から覗いている誘拐犯とかお金に目が眩んだあの二人とか、多分欲望の色なんだと思う。私の綺麗だと思う紫じゃなくて、澱んで下水みたいなどろどろ感がある。



 だから、売られる前に逃げたいんだよね。



 可愛いと可愛がっていた二人も金には叶わなかった。まぁ、人なんてそんなものか。






「きゅふぅ~(世知辛いねぇ)」





 さて、食べ物も必要なし、体も頑丈。何処に行こうかなぁ……。




 その前に泳げるのかな?私…………?












 皆さまさっきブリです。ぶり美味しいですよね。今食べてます。刺身にしたいんですけど今はこんなペタペタの可愛いお手手……包丁握れないですよね~。丸かじりしてます。


 え?なんで食べてるんだ?生臭いのは嫌いだろって?てかどうやって捕った?


 内臓ごちゃ混ぜのミンチじゃなければ食べれます。てか、食べたくなりました……てへ!



 ………ごめん、自分でも気持ち悪かったわ。


 あぁそれと、無事泳げました♪初めのうちはぎこちなかったけど慣れたら凄いスピードも出ます。そのお陰で速い鰤にぶつかって捕れたんです……はい、意図的に捕ったんじゃなくて偶然捕れたんですよねぇ~。


 お亡くなりになった鰤も捨てとくなんて勿体ないかなぁと思い食べてみましたよ。油が乗ってて美味しいです。誰か醤油か酢味噌をお持ちの方は居ませんか?


 にしても……ここ南国。鰤ってもう少し寒いところにいるもんじゃなか?暖かいよここ。



 ま、それはおいといて……




 あ、そうそう。あの二人のもとからは無事逃げました。てか、今逃げてる途中です。どうなるんでしょうねぇ~あの二人。お金――だと思う金貨みたいなもの――を受け取ったのに品物の私が居ないなんてねぇ~。柄が悪そうだったし、何かされるかもね。



 ま、私には今更どうしようもないんですから考えても是非もなし…?





 それにしてもこの鰤美味しいです。正直鰤だと胸を張って言えないんです……ハマチかも知れないし?


 ハマチもなにも異世界だからどうなんだろ?これがもとの世界で生息してた魚と同じとは言えないよね~……チョイ待ち!……異世界の物を食べても大丈夫なのか私!?



 ま、今のところ大丈夫だし、問題ないみたい。そう思いたい……。






 今のところ追っ手の心配は無いみたい。それでも気は抜けないよね。真っ白のこの毛並みは見つかりやすいし。出来ることなら大人のアザラシみたいな

色が良かったかも。いや、可愛さで言ったらこの姿も捨てがたい…。でも自分じゃ可愛さを堪能出来ないし……あれ、宝の持ち腐れじゃね?



 こんな産毛でも水を弾く(本当のアザラシ赤ちゃんは弾かないと思う)お陰でこのふわふわを損なうことなく水中でも活動できるって……変なとこでチートだよね。乾かさなくて良いのはありがたいけど、今のところ陸に上がる予定はないのでどうでも良いか。



 あ、そうこうしてる内に鰤全部食べちゃったよ。余程お腹すいてたのかな?空腹感無いけど満腹感はあるのね。骨まで食べてるなんて……あ、改めて思うけど歯があったのね……アザラシって本来なに食べるんだよ。鯵とか?小魚系だよね?



 よくこんな大きな鰤(仮)を食べきったもんだ。うん。太らないかなぁ……そう言えばここ一ヶ月マトモに運動してない所為か首の括れが無いよね……可愛いよ?けど人間の前世を持ってる身としてはゆゆしき事態……ま、泳いでれば痩せるか……な?




 彼女は知らない。可愛がっていた周りから「フリット(この世界でアメリカンドックみたいな食べ物)にエビの尻尾の先を付けたみたいにくびれがない」と言われていたことを。


 そう。最初からくびれなど存在しなかったことを。




 それを知るのはもう少し先のはなし







 はい、チート来ました。ですが無双系にはなりません。のほほん能天気主人公ですから。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ