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シロクマさんとアザラシちゃん

 ~あらすじ~



 前世は人間なアザラシ赤ちゃんの私――ブランは人魚の兄弟に拾われ悠々自適な生活をしていた。しかし、兄弟の親は王さまで、色々と面倒に巻き込まれ……兄は人間であることも放棄してしまった。


 そして兄は新にシロクマさんライフを私と送ることになった。



 端から見ると捕食者と獲物な組合せでの旅は前途多難な予感……



 今ここです。以上あらすじ終わり。



 ※編集関係で面倒なので『』の場合は動物的な言語で話しています。人間には「グアッ」とか「きゅ?」にしか聞こえていません。



『さて、どうしようか……』

『旅に出る云々より前に決めることが山ほどあったんじゃないですか?ヴァイスさん?』

『……早まった感が否めないが……まぁどうにかなるだろ』



 何でそんなに嬉しそうなんだ。それにその鋭い爪が装備された熊の手で撫でられるとヒヤヒヤする。何だか今にも食べられそうで恐い……



『この手中々器用なんだぞ。手の器用さは人間と同じにしてもらったんだ……後、味覚もな。勿論生肉も食えるが……』

『え゛!?』

『食べるものによって切り替え可能なんだ』




 それは私と似た様なもんだね。私も魚を生で何も味付けせずに食べても美味しく感じるもの。食べ物関係はバカにできないからね。


 味覚そのままに草を食えなんて言われても困るでしょ。私なら確実に餓死する。




『先ずは今まで住んでた辺りの海底とか島々を回ろうと思うんだ……種族的に陸にはあまり上がれなかったから楽しみだな♪』

『そうっスか……ダブちゃんは純粋だねぇ~』

『……ダブちゃんってのは俺のことか?』



 そうだけど?だってヴァイスってWから始まるよね? 一々ヴァイスって呼びにくいからダブちゃんでいっかなぁ……て。



『・・・ま、まぁいいか。(まさかこの年になってまでちゃん付けで呼ばれるとは…)』



 それよりも一応今回の崩御騒動の説明をしてほしい。せっかく言葉が通じるのだから説明してくれてもいいと思うのだ。



『話せば長くなるが……一言で言えば「クーデターに加担した」かな』

『大事じゃないですか!?』



 おおう、やっぱり兄は今回の崩御に関わってたのね。



 どうもダブちゃんは名前を貸しただけって言っているが本当のところ多分それだけじゃないと思う。そして弟君――アスールって言うんだって――は知らされてなかったけど勘づいてたね。何か言いたげにしていたけど「兄さんはもう自由になってもいいと思うよ?」って一言で片付けちゃった。

 一人で背負い込んでた事も文句のひとつでも言いたいけど、今まで育ててくれたからもうこれ以上自分という存在に縛られてほしくなかったんだろうね。



 それと……兄――慣れはいな名前呼びは――ダブちゃん(ちゃん付けは意地)達の年齢が漸く分かったよ!

 何とダブちゃん……15歳でした。……フケてる…フケてるよ。とても15には見えないよ! 苦労したんだねぇ…と涙が出てきた……ホロリ。

 そして弟君(多分呼び方このまま)は……驚きの12歳でした。3歳違いでここまで外見に差が出るか。人類(人魚だけど)の神秘だね。



『フケてて悪かったな』

『それだけ苦労したんでしょ…ホロリ』

『そういうお前は何歳なんだよブラン』


 私?・・・・何歳なんだろ? 多分半年は経ったと思う。でも一年は経ってないから……生後半年かな?



『……まぁ、妥当な…ん?半年? お前もう毛替えしてる時期だろ?』

『それが一向に赤ちゃん体質が抜けなくて……このままいくと永遠の赤ちゃんアザラシまっしぐら…』

『それはそれで構わないけどな』

『この可愛いもの好きめ!』




 シロクマになっても相変わらずな兄――ダブちゃんでした……。



 意地でもこの名前で呼び続けてやる!!





 旅に出る二人に何かが起こる?



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