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 気が付いたら12時になりそうになっていた。何を言っているよかわからないが(以下省略)



 国は王の崩御に混乱するかと思ったが……至って普通のままであった。


 日頃から怠けて王太子に仕事を任せっきりの王が崩御したところでなにも変わらない。

巣くっていた老害達は早々に政から手を退かされ隠居することになった。二度と政には関われないように……。




 そして扱いに困ったのは膨れ上がった後宮の妃達の処遇であった。ある者は早々に荷物をまとめて出ていき、ある者は居座り、ある者は子供を次の王に……と、下界よりも騒がしくしていた。



 そんな妃達の我が子を王にする企みは日の目を見ることなく、新に王に即位したのは王太子であった。噂では今回の崩御は彼の仕業では…と囁かれていたが、国民達の関心は如何にして自分達の暮らしを豊かにしてくれるかなのであまり騒がれることなく順調に即位した。



 王になれなかった王子や姫達は親の考え等端から関係ないとばかりに友好的に新王を歓迎した。



 そして、ある者は王位継承権を破棄して旅に出た。またある者は王に付き従い支えたという。



 そして一番の前王のお気に入りの妃は国で一番高い塔に一生幽閉されることになった。また彼女は生粋の人魚なので海をその目で見ることは一生叶わなかった。


 その妃の子供たちも悲劇の引き立て役として人気を泊した。特に兄弟の兄の死は弟を案じ、自分の分の水まで差し出した弟思いの兄として後世まで美談として語り継がれた……



 ―――が、現実とは言い伝え通りとは限らないもので……





「がうっ(現実とは言い得て妙なり)」

「きゅっ!(何か間違ってる気がする!)」



 死んだことにされた兄はある人の魔法によってシロクマになってしまいました……。



 何でも、「魔力が桁違いに多いから下手な勢力に目をつけられると色々と面倒」な事を理由に「じゃあ人止めれば良いじゃん」と人としては死んだことにして新にシロクマライフを楽しむことになった様です。



 私この急展開に付いてけませんよ。




※この『』の時は人間には理解できない動物的言語で喋っています。人間には「がうっ」や「きゅぅ」にしか聞こえません。



『それにしても…自分に肉球があると複雑だな……触ってもありがたみがない』

『ありがたみって……兄はどうしてそんなに楽天的なんですか?』

『………お前が話していると違和感を覚える……だが可愛い!』


『こうして聞くと変態ですね』



 はたから見れば襲われそうになっているアザラシ赤ちゃんと襲うシロクマ……でもシロクマはアザラシをなで回している……奇妙な光景だ。



『それと、俺の名前は兄じゃないぞ…』

『名前知りませんもん』

『……言ってなかったか?』

『ペットに一々名乗らないでしょ……それにアンタら兄弟は名前で呼び合う事なんて無かったじゃないですか……』

『それもそうか!』



 シロクマになってから兄のテンションが高すぎてヤバイ。そんなに嬉しいのか。そうなのか。





 こうして私――アザラシ赤ちゃん――と兄、改めヴァイス――二人とも白って意味だよね?――はアザラシとシロクマと、何とも不思議な組み合わせてで旅をすることになりました。



 ……私のダラダラライフは夢のまた夢に……まぁ、別に楽しそうだからいいかもね!





 とうとう兄――ヴァイス――は人間(人魚)を辞めました。新にシロクマとして旅に出るようです。



 はたから見れば襲われているアザラシと捕食しようとしているシロクマですね。勘違いされないことを願いましょう。

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