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作戦名“ホームでボッチ”始動

 毎回自分のネーミングセンスの無さに脱帽です。



 うちのブランは器用ではありません。

 作戦名が変わった?気にしない気にしない。前のよりこっちの“ホームでボッチ”作戦の方が良いと思ったんだもん。



 さて、言い訳もこれくらいにして……あ、どうも。泥棒(仮)を撃退しようと思い立ちました、アザラシ赤ちゃんのブランです。皆さんは泥棒が家に侵入してきても反撃しようとは思わないでくださいね?危険ですから出来るだけ助けを呼んで逃げてください。



 作戦としては家に色々と仕掛けられているトラップを駆使して撃退してやろう……という至って簡単な作戦です。影の牢ですね分かります。あの美人なのにオタクの彼女ならきっと良いコンボを決めてくれそうですが……私はそんな事はなく……無難な金ダライでも設置しようかなぁ……なんて思ったんですけど、問題はどうやって設置するかなんですよねぇ。敵キャラの残念AIとは違って相手は生きてる人間ですからね。あ、あの泥棒(仮)は人魚ではなくてまんま人間です。どうやって息してるのでしょうね……これも魔法か何かでしょうか?



 ただいまマジックミラーの越しに泥棒を監視しております。実は私のセーフルーム(床下収納の事ね)は色んな所に繋がっているのでこうして色んなところから部屋を観察出来るのですよ……フフフ。


 泥棒は見られていることにも気付かず物色中……こんなに散らかして……兄達が掃除するのが大変だなこれは。


 あ、今思い出したぞ! この隠し通路を使えば……金ダライなんて簡単に落とせるじゃないか♪




 と、思ったのだが……


 兄がトラップを仕掛けてあったのを思い出した。設置しなくても出来るじゃないか!?




 兄がどんな思惑で仕掛けたのか不明な仕掛けの数々……を使うにはセーフルームの壁にある色んな罠発動ボタンを押さないといけないのだ。便利なことに罠に掛かる位置に居るときにしか発動しないようになっている。凄いな…魔法かな?



 ボタンにはそれぞれ絵が描いてあり、字が読めない私でも分かるようになっている……兄はなにがしたかったのだろう。たまに兄は私に対して人間並みの知性を求めてるよね。良いんだけどさ……なんか複雑……



 話を戻そうか……



 今の状況だと丁度金ダライと……何だろう人が何かを踏みつけて転んでいる絵が描いてあった。これは相手を転ばすトラップか何かだろうか? それと花瓶みたいな絵があるのだが……どうなるんだよこれ。



 あと、定番のトラバサミがあるけど……私これ好きじゃないのよ。家で飼ってた猫がお隣のジジイの仕掛けたトラバサミに掛かっちゃって後ろ足切断しちゃったから大機っ嫌いなのよ。滅べば良いよトラバサミ。



 ええい!どうにでもなれ!!



 私は丁度発動可能な金タライのボタンを勢いよく不器用な前足で押したのだった……



 結果としては……重力無視したタライが泥棒の頭にクリティカルヒット! 泥棒はピヨっている。効果は抜群だ!……コンボとか決められたりして……もう家でボッチよりも影だか牢だかの方があってる気がするわ……兄よ、まさか物騒な罠は無いよな? 絨毯が真っ赤になるのは勘弁のんですけど。



「な!なん・・・」(ピヨピヨ…)


「(あ、ピヨってる時ってホントに頭の上にヒヨコがピヨピヨしてるのね……)」



 可愛いなヒヨコ。てか、ゲームかよ。



 そんな私の感想は間違ってないと思う。




「な、な、なななっ…」


「(フフ……第二弾発動!)」



 適当に押した(命に別状はないと思われるもの)ら今度は床が飛び出して泥棒は宙を舞った……オイ、だから水中だから、重力可笑しいだろ。ドーナッテルノヨ?



「うわっ!」



 これまた重力無視して床に落ちた。もうびったーん!!って音がしたくらい派手に床に叩きつけられていた……下手な罠より痛いかも。


 そして私は遠慮なく第三弾を続け様にお見舞いしたのだった……



「ぐぁっ!?※×*~゛〇※!@」



 第三弾は何故か水中ならではの渦潮ミニが突如出現。泥棒は哀れ渦に飲み込まれ洗濯機に放り込まれたかのようにグルグルと回されまたもやピヨっている。この家に来たのが運の尽きだね。



 そして第四弾。手は抜かない。泥棒は駆逐すべし、慈悲は無い。侵入した方が悪いわ。



 そしてフィニッシュを飾るのが……どういう仕組みかさっぱり分からない相手を簀巻きにする罠だった。魔法ってなんでもありなのね割と。恐いわぁ……ホントに魔法(と、兄)恐いわぁ……



「~~~~~」(ピヨピヨピヨ…)


「(はぁ……終わった)」



 私としてはただボタンを押すだけの簡単なお仕事だったのだが意外に疲れてしまった。失敗しないか不安だったのもあるが、泥棒とはいえ人を傷つけてしまわないか内心びくびくしてた所為でもあるだろう。慣れないことはするもんじゃないね。



「きゅぅ……(早く帰ってこないかなぁ…)」



 気付けば日はとっくに暮れてブドウ擬きが淡く光っていた。あ、今日はブドウ擬き食べてなかったなぁ…明日にでもお腹一杯食べようと呑気に考えていたのだった。


 この頃の自分を本気で殴りたいわ……



 ネタバレするとね……このあと大変な目にあうことになるのよ。






 楽しんでます。余程暇だったのでしょうか?



 兄弟の為に――という体でやってますが……本音は楽しんでます。



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