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イチゴ狩りはホントに狩りだった件について一言物言いたい

 戦闘なんて書けなかった……orz

 恥ずかしくも二人の前で泣いて私の中の羞恥心が大騒ぎしてます……泣き虫になりつつあるブランです。人前で泣くのは恥ずかしいですよね。



「よし、ブラン。さっきの罪滅ぼしにイチゴ狩りに行くぞ」

「きゅ?(え?イチゴ狩り?海の中で?)」


「え?イチゴ狩り……大丈夫なの?兄さん…」


「あぁ、準備はしておく」



 何か心配そうに兄に聞き直す弟君の物言いに言い様のない不安が……ん?イチゴ狩りって私が思い浮かべるものと違うの?

 まさか危険な本当の狩りだったり……して。


 え、それならついていきたくないなぁ……と思うんですけど。




 ほら、兄よ。私は見た目通り戦闘タイプじゃないし? 役に立たないよ。たつとしても囮程度じゃないですか?


 あ、でも、ホントに囮にしたら一生恨みますから。





 そんな私の不安は見事に的中するのだった。








「ブラン。あまり暴れるな…」

「きゅぶっ!(うっさいわ!)」



 大体今のこの状況が気に入らないんだ!


 なんだよ、赤ん坊みたいにおんぶ紐でぎっちり背負われて……ホントに赤ちゃんだよねこの扱い。

 いつもは外出でも野放し状態だったのに……マジで危険らしいなイチゴ狩り……。心の底から行きたくねぇ……ねえ、お留守番ではダメですかね?







 それから暫くして……




「ほらブラン、あれがイチゴ……まぁ、魔物だけど」

「ぎょえぇぇ!?!Σ(×ω×;)」



 ま、魔物ですとぉぉ!!


 危険だとは聴いてたけど魔物だとは聴いてナーイ!!



 ちょ、危険だと言っても棘とか道のりとか……はい。白状します。

 狩りって聴いた辺りで薄々気付いてました。



「さあ狩るぞ」

「きゅ?」



 え、私このまま?背中で動けないまま戦うのかこの人魚。ホントにこのままなのね。



 えーっと、状況説明をしましょうかね。



 イチゴ狩りのターゲット……イチゴの実を

けた植物系の魔物の説明をします。

 この魔物は蔓と葉っぱが生い茂った見た目で、漂っている海草にも見えますね。目を凝らさないと私も海草だと思ったと思います。兄は目がいいのでしょうか?

 兄が細目の剣(レイピアとか切るというより刺す事に重点を置いた物)を振るう瞬間に敵に急接近した時にチラッと赤いイチゴの実が見えたので……あれがイチゴなんでしょうね。


 イマイチ魔物の動きが早くて赤い……イチゴ?が確認できるくらいにしか見えないねぇ。兄の背中越しだし、見辛いったらないわ。

 そうこうしているうちに兄が仕留めてしまった……兄よ、意外と強かったのな。このイチゴモドキが何れだけ強いか知らんけど。



「ほら、コレがイチゴだ」

「きゅ?(はぁ?)」



 いや、驚いたわ……レモンサイズのイチゴなんですもん。あ、いや、大きめのオレンジかも。よく500円玉と比較されてたイチゴだけど……タバコの箱よりも大きいよ確実に。

 大きいイチゴは高級品だから食べたことなんて無いけどさ……ミカンとか大きな物は大味って言って味も薄目なんだよね……甘く感じるのはそれだけ酸味が薄いから何だよ。どんなに大きくてもミカンの甘味や酸味は小さいものと同じだって聞いたよ。確かテレビで。


 勿論私はSサイズのミカンが好きです。あの酸味がミカンの醍醐味だと思う。まぁ、人によって好みは違うけどね。




「きゅー…(甘味も酸味も程ほどにあれば良いけど……」

「どうした?食べないのか?」



 いや、食べます……けど。魔物の一部って部分が引っ掛かるっていうか……なんというか…ねえ?



 あぁ、悩んでいるとイチゴ特有の甘酸っぱそうないい香りが……ヤバイ、涎が出てきたわ……



「……涎垂れてるぞ」

「きゅいっ!?(なっ、バレてた!?)」



 すまんな兄よ、服に涎がつきそうだった。まぁ、海の中だからそれほど関係は無いんだろうけど……ほんとゴメンね。



 美味しそうなイチゴの香りに誘われ覚悟を決めて口のなかに入れてもらう。前足が使えないからね。ヒレだし、持てないから……あーんしてもらってるなんて考えない。恥ずかしいから。



「(◎ω◎)!?」

「ブ、ブラン?」



 口のなかに――よく入ったなオレンジサイズのイチゴ……――入れて噛み締めると爽やかな酸味と控えめだけど上品な甘さの絶妙なバランス……そして何回も噛みたくなる美味しさ、そして呑み込むともっと欲しくなる……コレは前世で食べたイチゴの中でも断トツに一番美味しい!!


 あの漂う海草の一部って事実を忘れそうになるほど美味しかった。………もう少し食べたい



「きゅ!きゅきゅきゅぃー!!(うまーい!あによ、もう一個食べたい、本音を言えばいくらでも食べたーい!!)」

「そうかそうか…美味しいか……涎拭こうな?」

「きゅっ!きゅい!(あ、ほらあそこ!居るよ居るよイチゴ狩りじゃぁ!)」

「(何だろう…テンションがおかしい…)」



 フハハハハ……もっと食べたい!……もっと食べたい……はっ!(゜ロ゜)!



 わ、私は何を言っていた……コワッ!このイチゴモドキ麻薬みたいな依存性があるよコワッ!


 ……でも食べたい……イヤイヤ…これでもし麻薬と同じ様な効果があったらどうする!

 ん~……でもそんな危ない代物食べさせないよね?



 なら大丈夫……?



 でも待てよ……どこぞの猫だって他種族には麻薬みたいな劇薬を耐性があるからっておやつ感覚で飲んでなかった? あれのお陰で色んな人が人生狂わされてたぞ……しかも猫でもたまにラリって暴れてたやつもいたし……ほ、程ほどにしないとね!



 私がイチゴモドキを気に入ったのに気を良くしたのか次々と狩りにかかった。何か若干ウキウキしてないか?兄よ。



「ドンドン狩ろうぜ?」

「きょきゅ?( え、絶滅の危機?)」



 思いが通じたのか兄は説明をしてくれた。何でもブドウモドキと同じで人魚たちの悩みの種で、定期的に狩らないと爆発的に増えるらしく、個人的に何体か狩ったところで直ぐに増えるとのこと。

 ちなみにどうやって増えるのかは不明。イチゴ部分は疑似餌?なので植えても生えません悪しからず。




「大漁大漁♪」

「きゅっ、きゅきゅ~きゅきゅきゅ~きゅきゅきゅきゅ~きゅきゅ~きゅきゅきゅ~きゅ~きゅ~♪」

「ご機嫌だな(何か聞き覚えがあるような曲調だけど…)」(ザシッ…ザシュ!)



 狩りと言えば「ひと狩り行こうぜ!」とCMで言ってたあのゲームでしょ。音痴とか言うなかれ……わかり辛いのは仕方ないの……だよ。


 ちなみに私はポータブルの1からやってました。他の機種から新しいの出てたけど、そこまでしてやろうとは思えなかった。3D高かったし…



「きゅ!きゅ!きゅ! きゅー! ゲフッ……」

「お腹一杯だな」



 イチゴモドキをバンバン狩っていく兄に多少の尊敬を抱きつつ、その背中で揺られお腹一杯の私は家に帰る頃には夢の中へと引きずられていったのでした。イチゴもう食べられない……ゲフッ




 


 想像すると不思議な光景ですよね……アザラシを背負った人魚(男)って。しかも細身の剣を振り回している……海中で。



 それでも背負われる本人(?)には余計なお世話。どうせならお留守番したかったとブランは思ってたかもしれません。



 それでもイチゴが美味しかったので全て吹っ飛んだと思います。単純です。




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