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見た目と味が一致しないとダメだと思うの

 タイトルはあまり意味ないです。ごめんなさい……m(__)m

「もう、二人して何時までも見つめあってるんだもん。まさか兄に新たなナニかが目覚めたかと……」


「新たなナニかってなんだ?」

「きゅ?きゅふ?(え?弟君意味わからんよ?)」



 弟君に止められて第三者視点からどんな風に見えたかを改めて知りました。若干困惑気味のブランです。

 弟君の発想力には脱帽です。そんな風に見えるなんてあり得んだろ。コチトラ(あ。なんか片仮名にすると虎の種類みたい)アザラシだぜ弟君よ。

 どこをどうしたらそんな風に見えるんだい。


 そして兄よ、君は鈍いぞ。さては小指を箪笥(ああ、嫌な記憶が……)角にぶつけても時間差で「あ、ぶつけた…」と言うタイプじゃなお主。



「確かにそういう趣向の人間もいるけど……ブランにも選ぶ権利があるよ」


「いや、だからなんのことだ?」

「きゅー…きゅふっ……(ダメだこりゃ…遊ばれてるのに気付いてない)」



 私は見切ったぞ弟君よ。君は兄をからかって遊んでるな?さっきから口の端がヒクついてますぞ。でも、兄の鈍感さで微妙に立場逆転しそうになってるけどな。


 そして兄よ、私が気が付かないと思ってお腹をなでようとするな!気づくから……やめなさい!!


 撫でようとした手を叩いたのは仕方ないと思う。誰だって嫌だもの。これでも心は乙女です………何かな?何か文句でもあります?




 それにしても兄よ、君は何回叩かれれば学習するのかな?いい加減にしてくれないカナ。



「――――だもん……あれ?ブランの目が据わってない?」


「ん?気のせいじゃないか?」

「ぎゅふ……(ふっ、兄は何処までも鈍感だな)」





 それはそれとして……あのご両親の使いの人たちどうしたのよ。帰っちゃったよ?険悪ムードだったけど……良いのかなぁ?



 今さらだけど両親の事はホントにどうでもいいの? 私だってこんな姿になってから両親が恋しくなってきたし……長く会ってないなら尚更恋しくならないのかな? 普通の両親達が懐かしいよ私は。



 それとも長く……それも小さな頃に不快な別れをしたらそう思うのだろうか?


 ごく普通の両親とごく普通の人生(約20年弱)を送ってきた私としては理解できない事だわ。




「きゅ~?(寂しくないの?)」

「ん?なんだ?」

「きゅっ?(弟君と二人っきりでこんな辺鄙な場所で暮らしてるの……寂しくないかい?)」




 私だったら……どうだろう。兄の話では小さいときに二人を置いて出ていったらしく、それ以降音沙汰はなかったそうだ。それでも兄の腹違いの兄が援助してくれてたらしく何とか生きてこれた……波瀾万丈ねお二人さん。何か自分のことじゃないのに涙出てきたわ……あ~パールになるの忘れてたわ…




「おっ、おいっ!どうして泣き出した?」

「きゅっふ……(いや、同情したと言うか……自分に置き換えたら…涙出てきたのよ)」


「ブランどうしたの?」




 無性に泣きたくなることってないかい?今まさにそれなのよ。勝手に同情しただけなのよ……バカみたいでしょ?同情したって言って心のどこかで「自分じゃなくて良かった」何て思ってるんだよ。

 この兄弟に拾われなかったら、どこかで一人寂しく生きていかなきゃいけなかった……



 そう、同情したって言ってるけど……実際は自分のことしか考えてないんだよ私は。



 醜いでしょ?言葉が通じないからバレないと高を括ってるんだよ。酷い奴でしょ?わたし。





 ポロポロ溢れては水中に浮かんでは沈みを繰り返す真珠になった涙は片付けないと邪魔ってくらいに多くなってきて漸く止まった……


 いや、ごめんね勝手に泣いてゴミ(勝手に真珠なった涙は要らないと思う)増やしちゃって。掃除大変だよね……主に弟君。



 あ?兄?………ねぇよんなもん……いえいえ嘘です。ゴメンね……お腹をポンポン赤ん坊にやるみたいにあやしてるのは納得いかないけど。





「きゅー……きゅっ!?(や、恥ずかしいです!?)」

「まだ赤ん坊だからなぁ……(‥、)ヾ(^^ )」


「そっか、ブランまだ赤ちゃんなんだ……(‥、)ヾ(^^ )」



 う、うん。………精神的には赤ちゃんじゃないんだけどね。どっちかと言うとお姉さんなのよ私。

 赤ちゃん扱いされると恥ずかしいわぁ~。









 あ。



「きゅっぷ!?」

「( ̄ω ̄)?」


「え?」





 

 わ、すっかり忘れてたわ。




 私が逃げてきた理由。そう、色々と見えちゃって売られるのを悟ったからだったわ。此処の居心地が良かったから意識の遥か彼方に追いやってたわ…。


 恐るべしこの兄弟の包容力…。


 きっと数年後にはモッテモテになるだろうね…




 ま、兄の方は無愛想で近づき難いけどね。





 ちなみにあの感情が滲み出た様なカラフルな煙はこの兄弟からは出てなかった。言ってなかったがあの御迎えに来た人達はもやもやした灰色っぽい汚い水色の靄が出てました。何でその時気付かなかったし、私。




 何が違うんだろ。何か法則があるのか……偶々なのか今の段階では解らんが………まあ、それで死ぬわけでもないんだし、今は考えても仕方ないよね。





 悩みすぎても仕方ない。そう思い立ったので意識を二人に戻すと……エンドレスなでなでを兄に現在進行中でされてました。そんなに私の毛並みを堪能したいか。もう、諦めようかな?



「きゅー……(脱力)」

「泣き止んだな」


「今度は疲れたの?」




 弟君も私の頭をポンポンとあやすように撫でた。




「ぎゅー……ふっ…」




 何となく兄の腕の中に居たくなくなったので(何か恥ずかしい)抜け出すと案外簡単に抜け出せた。

 そして床に転がる真珠を前足で転がしてみる……涙という液体から固形物に固まったにしては均等に粒が揃っていて……売ったら高そうだと言っておこう。価値があるかなんて知らんがな。






 願わくば、私の身が狙われないことを切に願っている……そんな今日この頃。






 ま、どうせ何かあるんでしょ?フラグ建ったんでしょ?












 フラグは確実にありますね……どうなるんでしょ?(何で知らんのだ自分)

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