一緒にバニー!
コラボ作品ですー。
十位さんからお借りしてます。
「というわけで!」
「着てみましたバニーガール!」
「どうよ!」
「あ、あう……」
詩歩は紫、汐那は蒼、緋蓮は赤、未央はピンク色のバニ―スーツに身を包んでいた。
その絶景とも言える光景を見た男性陣は。
「深理しっかりしろォォォ!」
「傷は浅くはないが生きろオイィィィ!」
「…………」
深理がだくだくと致死量の鼻血を噴いて倒れており、涼護も夏木もバニーどころではないようだった。
心臓マッサージなど、もはや冗談なのか本気なのかわからない応急処置を深理に施している。
「…………」
「…………」
「え、枝崎君大丈夫!?」
「あっははははは!」
詩歩と汐那は能面のような顔つきになり、未央は大慌て、緋蓮は大笑いしていた。
○
「……で、なんでそんな格好してんスか」
「趣味」
「オイ」
両頬に紅葉とつねられた痕をつけた涼護が尋ねると詩歩はあっけらかんとそう言い放った。
現在の詩歩の格好はバニーガールだ。その爆乳の半分以上が外気に晒され谷間がくっきりと見え、下半身はレオタードと網タイツ。お尻には丸っこい尻尾に頭にはウサギ耳のカチューシャだ。
「というのは半分冗談で、これも仕事よ」
「どんな仕事ですか」
「衣装のサイズ合わせってとこね。私レベルだと早々いないでしょう?」
「……それはまあ」
むしろ詩歩のような圧倒的スタイルの持ち主がごろごろいたらたまったものではない。
思わずまじまじ見つめた涼護に、詩歩はわざとらしい声をあげた。
「いやん、なんて情熱的な視線ー」
「棒読みやめろ。つーか、なんで蜜都たちの分まで」
「半分趣味だからねー。借りてきちゃった」
「その結果があの惨事なわけですが」
そう言った涼護が振り向いた先では、深理がソファに横たわっていた。
傍らに膝立ちになっている未央は、桃色のバニーのままで心配そうに深理を看ている。
衣装自体は色以外詩歩と変わらないが、着る者が変わると印象もかなり変わる。耳が垂れ下げっており、その姿はロップイヤーのようだ。
「未央ちゃんのバニーは深理君には刺激強かったみたいねェ」
「あいつあんな純だったかな……」
「好きな子のバニー+恥ずかしがってる姿だもの。クリティカルヒットよ」
「……そーですか」
確かに顔を赤くして恥ずかしがっているあの姿にはクるものがあったと涼護も思うが、そうしているのが未央だと思うと驚くほどに食指が動かない。
そんな失礼なことを考えながら、涼護は深理と未央の二人から視線をもうひとつのソファに座る緋蓮へと向けた。
「で、少しは落ち着いたか緋蓮」
「も、もうちょっと待って……おなか痛い、苦しい……!」
「笑いすぎだバカ」
深理が鼻血を噴いて倒れたのを見て、先ほどまで緋蓮は過呼吸寸前になるまで大笑いしていたのだ。
その結果、腹筋を痛めて現在呼吸困難に陥っている。頬を赤らめて息をぜいぜいと吐いているその姿は、緋蓮でなければきっと色っぽいものだったのだろう。
着ている赤いバニースーツの露出度自体は高かったが、いかんせん緋蓮の体型が貧しいために色気というものがまったく感じられない。似合ってはいるが、印象的には背伸びした子供の仮装がせいぜいだ。
「ほい、水。飲むか緋蓮ちゃん」
「お、置いといて夏木……今飲んじゃったら噴きそう、ぶふ……」
「ちょっ、大、丈夫か?」
また小さく噴き出した緋蓮につられて笑いそうになるのをこらえる夏木。
いくらなんでも、二人とももう少し落ち着けと思う。
「ところで乙梨君、言うことあるんじゃない?」
「あ?」
呼ばれて、涼護はいつの間にか自分の近くに立っていた汐那を見た。
汐那のバニーガールは蒼色だった。その場でくるりと回転した彼女のおしげもなく晒された白い背中が色っぽい。細くしなやなか脚は網タイツをまとうことでさらに艶やかさが増している。片方が垂れているウサギ耳が可愛らしい。
「どうどう? 可愛いでしょー?」
「あー可愛い可愛い」
涼護がおざなりにそう返すと、汐那がそれはわかりやすく頬を膨らませた。
つっついてやりたくなる悪戯心を自制する。
「おざなり。もっとちゃんと褒めてよー」
「俺にそういう洒落を期待するな……だいたい、」
「『可愛すぎるんだよ。思わず押し倒したくなったじゃねェか』」
「…………オイ、何してる」
言葉の途中に下手くそな声真似で割り込まれた。
涼護は半目になって自分の後ろにいた下手人を睨みつける。
「緋蓮、お前さっきまで瀕死だったろ」
「面白そうな気配がしたので復活した!」
「どんな蘇生魔法だテメェ」
下手人は緋蓮だった。
涼護が鬼のような形相で睨みつけても平然とし、あまつさえ声真似を続けていた。
「『本当、食べちゃいたいぜ』」
「緋蓮、お前ちょっと紐なしバンジーするかゴラ」
「私は乙梨君なら食べられてもいいよ。ただしおいしく残さず食べてね」
「蜜都は黙ってろ」
ボキボキと涼護が拳の指を鳴らし始めると緋蓮が笑いながら逃げ出した。
追いかけ追われ、部屋中を走り回る赤いウサギの少女と赤髪の悪人。
その光景を見た汐那は懸命に笑いをこらえていたが、夏木と詩歩は隠すこともなく爆笑していた。
赤二人の足音と三人の笑い声で、深理が目を覚ました。
「……お前ら、何騒いでる。やかましい」
「あ、枝崎君大丈夫?」
「……笹月ぶぐあっ!」
「枝崎君!?」
目覚めた深理だったが、未央の姿を見た瞬間また鼻血を噴いて倒れた。
ずっと傍らで膝立ちしながら看ていた未央の胸が、起き上がった深理の目の前に来てしまっていたのだ。
夏木と詩歩の笑い声がさらに大きくなり、懸命に我慢していた汐那もついに吹き出して笑い始めた。
「あっははははは!!」
「また深理がダウンしたー!」
「起きぬけおっぱい御対面はクリティカルだったみたいねェ」
笑い声が部屋中に木霊し、その中には涼護に捕まっていた緋蓮の笑い声も含まれていた。
カチューシャのウサギ耳を掴まれた緋蓮はその場にうずくまって大笑いしている。
「あははははは、もう深理最高!」
「お前は笑いすぎだっての!」
笑い転げている緋蓮の頭上に、涼護はごつんとゲンコツを落とした。




