008
俺がマティアスに連れていかれたのは、巨大な建物だった。
「ここは? やけに大きい建物だけど」
恐らく丸い外壁を持った外見に、天井は軽く森林を越すほど高い。
しかし、外見は無骨でブロック状の何かで組まれているだけ。色彩もなく、文字すらない。
なんのためにある建造物なのか、俺にはよく分からなかった。
「ここはね……まぁ僕ら魔術師の演習場ってとこかな?」
「演習場? ……今思ったけどさ、魔術を磨くまでしないと生きていけないのか?」
俺は今朝方、なぜかは分からないが、命の危機を感じる事態に遭遇した。しかし、それと言ってもそんな事が頻繁に起こるとは思えない。
それぐらい……俺の見た街は穏やかだった。未だマティアス以外の人物とろくに会話などはしていないが、通りを歩きながら風景を眺めているうちに、笑顔がたくさん見られた。
そんな街なのだ。
だから俺が経験したような、生命を危険を感じるほどのことは、あまりある事ではないはずなのだ。
けど、マティアスは今、目の前にある建物を魔術師の演習場と言った。
ならば、少なからずそれが必要とされているということだ。
「悠麻が知らないのは今更かな。そうだね……まず確実に言えることは、自分が生まれた街でどこかへ旅するわけでもなければ、よほどのことが無い限り魔術は必要ないよ」
あると便利なこともあるけどね。俺が知らないこと対してなのか、苦笑混じりにマティアスはそう言う。
でも、街でじっとしているなら、という話だ。なら、そうでない場合なら?
「……街には危険は少なくても、その外に出るには危険が必要ってことか」
今まで俺が居たのは、結果的には街の中だった。あの魔術師の作った世界も、結局は街の中にあるものだったわけだしな。
「言ってしまえばそう。街の外には、僕ら人以外の生き物が多くいる。中でも特に人への敵対心が強い生き物がいてね。それらを総称して、ライビングって呼んでいるんだ」
「そいつらが危険なのか」
「そう。やつらの種類は多岐に渡っていて、単体を好み強力な種族や、一つの力は弱くても群れで行動するものもいる。
でも、なにより厄介なのが、人を襲ってくることなんだ」
原因は不明。でも確実に向けられる敵意。それに壊滅させられた街や村は、もう数え切れないほどあるらしい。
また、街を出るときはライビングに襲われる。
その過程で、魔術を使い抵抗するのは自然の流れらしい。
「だから、この演習場が建てられた。人間が生き残るために。そのための力を磨くために」
「なるほどな。だいたいは分かった。けど、もし俺が街でただ生活するだけなら、魔術は必要ないんじゃないか?」
今の話を聞く限りではそうなるはずだ。
朝のあれもそうそう起きるわけでもなさそうだし……。
しかし、マティアスは少し複雑な顔を浮かべた。
「あー……悠麻はね、一部のキチガイの魔術師からしたら、恰好の実験材料なんだよ」
「……は?」
なんだって?
実験材料?
俺が、なんで?
「ほら、悠麻は零式なんだって言ったでしょ?」
「あ、ああ」
「それで、零式の特徴なんだけど、扱いが難しくてもマナを大気から取り組む分、魔力がほぼ無限大に使えるってメリットがあるんだよ」
「それがどうして俺を実験材料にする理由になるんだよ」
「その技術が欲しいのさ。僕ら魔術師は、魔術師で有る限り悩むことがある。個人の魔力の総量だ」
魔術師にある、力の限界というのがそれらしい。
魔力はマナを変換することで得られる。でも、そのマナを体内に取り込む量が個人差があるらしい。
マティアスはもちろん多い。だけど、それだけじゃなく、マナを魔力へ変換する技術でも変わってくるらしい。
しかし、俺のような零式は大気のマナを使う。つまり限界がない。
強力な魔術も、いくらだって使いたい放題らしい。
「だから狙われるのか……」
「そういうこと。だから、やっぱり覚えておいて損はないよ?」
「分かった。さすがに実験材料は嫌だしな。自分の身を守れるくらいには、魔術を身につける」
俺がそう言うと、マティアスは満足げに頷いた。
「よし。なら、まずは演習場に入ろうか」
「了解。よろしくお願いしますよ。師匠?」
「な、なんだか性に合わないなぁ。師匠はいいから、ティアって呼んでよ?」
ちょっと頼りなさげな俺の師匠だった。
その後、演習場まで歩いているうちに、この演習場以外にも魔術師を育成するための施設があるらしい。
魔術学院と呼ばれるものは、魔術の基礎や応用など、外に出ても困らない技術を習得するための施設らしい。
他には街や村に危険を及ぼライビングたちを依頼をうけて討伐したりする、魔術を生業とする者を束ねるギルド連盟。
演習場を加えたこの三つが、活発的に動いているらしい。
もし俺が望むなら、ギルドや学院へ所属してみるのも良いと言われた。が、今はまだマティアスに頼っていた方が無難そうだ。
演習場の入口に来ると、やけに人が多いことに驚いた。
「これ、全員が自分の魔術を鍛えるために?」
「いや、中には違う人もいるよ。ここには食事や買い物が出来るとこもあるからね」
たしかに、なかにはラフな恰好をした人もいるし、買い物らしき荷物を持っている人もいた。
そして俺の鼻孔をくすぐる旨そうな匂い。
「でも僕らはこっち」
マティアスに手を引かれて、奥へと進んでいく。
しばらくすると、受付のような場所に出た。
ここに来て最初に気付いたのは……空気の違い。
話声が聞こえ、ガヤガヤとうるさくはあるが弛緩はせずに、張り詰めたものがあった。
しかしマティアスは、そんなことを気にも止めず受付へと歩いていき、恐らくは仕事をしているであろう女性へ声をかけた。
「こんにちは。今、どこか使えるブースはある?」
「あ、こんにちは。えっと、今ですと……って、ディンケラ様!?」
ディンケラは、マティアスの姓だったか。
声をかけられた女性……俺と同じくらいの年齢だろうか。
活発そうなイメージを浮かべさせる笑顔と共にマティアスを見たが、一瞬にして驚きに変わっていた。
すると、マティアスも若干驚いて、彼女へ声を小さくするよう注意を促した。
「今日は個人的な用事なんだ。あまり騒がれたくない」
「す、すみません。つい……それで、本日はどのようなご用件ですか?」
今度はマティアスの要望通り、小さい声で、しかしハッキリと伝わるように言ってきた。
さすが、受付をやっているだけのことはある。
「今日はなるべく広いとこが良い。でも、誰も来ないように貸し切りにしてくれるかな。この子に魔術を教えるからね」
マティアスがこちらを見てきたので、受付嬢さんに軽くお辞儀をする。
「鈴峰悠麻です。一応、弟子ってことになります」
「スズミネ……ユウマ、さまですか。あまり聞かない名前ですね」
「えっと……余り知られていない文化圏なので。名前がユウマで、スズミネが姓になります」
マティアスの名前からしたら、そうなるはずだ。
名前が言いにくいのは、マティアスの言っていたペンダントの性能の限界か。確か、マティアス自身には問題ないレベルの翻訳魔術がかけられているらしいが。
「ユウマ=スズミネ様ですね。かしこまりました」
とりあえず納得はして貰えたらしい。が、やけに俺を見てくる。
「えっと……なにか?」
「い、いえ。すみません。その……珍しい容姿でしたのでつい」
俺の容姿が珍しい?
全く自覚がないのだが……。
服はもう飯を食べる前に買って貰って着替えたから、問題はないはずだし。
「ああ。悠麻は黒髪で黒目だからね。この辺じゃあまり見ないから、仕方ないよ」
マティアスに言われて気付く。たしかに、黒髪を今までに見掛けていなかった。
マティアスは薄い黄色……いや金か? とにかくそんな色の髪で、目の前の受付嬢は少し暗い赤だ。
「えっと……では、スズミネさまは演習場は初めてのご利用ですよね?」
「あ、はい。そうです」
「では、まず登録をして貰います。これに必要事項を記入して頂けますか?」
そう言って手渡されたのは、一枚の洋皮紙と羽根ペンだった。
しかし、インクはない。
「これ、どうやって使うんだ……?」
「ご存知ないですか? この羽根ペンはですね……」
「ごめん、登録は後にしてもらえるかな?」
使い方を聞こうとしたら、マティアスに邪魔をされた。
微妙にではあるが、焦っているように見えるのは気のせいだろうか。
そう考えていると、マティアスに小声で耳打ちされた。
「あの羽根ペンは魔力を使わないと書けれないんだ。今の悠麻が使うと、いろいろとまずいことになる」
使ったら、魔力のない零式って分かるってことか。魔力を扱えれば問題はないはず、とマティアスは言うし、問題が起こる前に早く扱えるようにしたいな。
「本当なら最初にして貰うべきなのですが……今回はディンケラ様もいることですし、ご利用後にきちんと登録して貰えるのでしたら」
渋々、といった様子で承諾はしてくれた。
今のやり取りからするに、仕事熱心な真面目な人、という印象を持った。あまり怒らせたくはないな。
「ごめんね? それで、今日使いたい場所なんだけど……」
しばらくマティアスと受付嬢のやり取りが続き、ようやく場所が取れたらしい。
マティアスに着いていき、さらに奥にあった扉から通路へと出る。
迷路のように左右に曲がることを繰り返しながら歩く。
「ティア」
「うん?」
「あの受付の人とは知り合いなのか?」
「知り合いってことにはなるかな。でも個人的なものじゃなくて、ここを利用しているうちに多少仲良くなった程度」
「そっか」
ティアもよくここを利用するのだろうか。希代の魔術師と言えど、やはり訓練は必要なのか。
ん? 希代の魔術師なんだよな?
「そういえば、ティアは自分のことを希代の魔術師とは言うけど、知ってる人って少なくないか?」
「どうして?」
「だって、有名なやつが居たら、普通は大なり小なり騒がれるだろ?」
「ああ。それね。簡単なことだよ?
僕の名前、マティアス=ハフグレン=ディンケラは確かに知らない人はあまり居ない。でも、希代の魔術師として魔術を使う僕の姿を直接見た人は、極僅かなんだよ」
そう言われて気付いた。ここは俺のある知識のように、簡単に情報が得られる世界ではない、ということに。
もっとも、俺の言う簡単に情報の得られる手段というのも、随分とあやふやなのだが。
「じゃあ、あの受付の人は?」
「エーファちゃんは知ってるよ? というか、バレたんだけどね」
あの時、マティアスの姓を言った受付の……エーファに慌てて注意を促した理由がやっと分かった。
「さて、着いたよ」
着いた場所には、特に飾り気のない扉が一枚だけあった。
しかし、取っ手がない。
どうやって開けるのか分からない、不思議な扉だった。
「これって取っ手がないのに、どうやって開けるんだ?」
「見てなって。すぐに開けるからさ」
そう言ってマティアスは、おもむろに手を目の前の扉の中心にかざした。
その手に白光が灯る。もう二回も見たあの光だ。 一瞬、魔術で扉を破壊するのかと思ったが、さすがにそんなことはなかった。
マティアスの掌の白光に呼応するかのように、扉が右から左へ一人でに動き始める。
開いた扉に魔術らしさを感じながら、そこをくぐると……。
「これは……どうなってるんだ?」
見渡す限りの草原。空は晴れ渡る快晴。
屋内とは思えない、草原の風景がそこにはあった。
「魔術による仮想空間だよ。たまたま空いてたから、取ったんだけど、丁度良い場所だね」
これもまた魔術。
そのことに軽い感動を覚え、空気を目一杯吸い込む。
感触もなにもかもが、自然と変わらない姿がここにあった。
「言ってみれば、これもまた魔術師が作った世界。でも朝のあれより、よっぽど高度なものだよ」
なんでも、数少ない上級の魔術師を起用しているらしい。
でも実際のとこ、今はどうでも良い。ここまで来てやっと本来の目的が達成出来るのだから。
「で、まずは何をすれば良いんだ?」
マティアスの方へ向き、尋ねる。
「魔術に馴染みがない悠麻がまずはしないといけないことは、マナを感じること。零式と言えど、基本は変わらない。マナを魔力に変え、それを魔術として影響を及ぼすんだからね」
「つってもなぁ……そう簡単に分かるものなのか?」
「さぁ? 僕らみたいな普通の魔術師は、幼い頃から慣れ親しんで来たものだから、逆にないことの方が分からないんだ。
それに、零式を知っていても、見たのは初めてだからね。勝手が分からないとこもあるさ」
「……頼りねぇ」
「ま、まあそう言われるとは思ってたけど……仕方ないか。悠麻、ちょっとこっちに来てくれない?」
「ん? 何かするのか?」
呼ばれたのでマティアスの方へ寄っていく。
彼の目の前まで来ると、俺は少し見上げる格好になる。
「少しふらつくかもしれないけど、頑張ってよ?」
マティアスはそう言って、俺に手をかざした。
彼の手に、また光が灯る。
瞬間。
俺の中に何かが入りこむ。
それが身体中に行き渡り、中心にまた集まる。
その気味の悪い異物感は、しばらく俺の中に留まり続けた。
気が付くと、それらはいつの間にか感覚がなくなり、気付けばいつものような感覚だった。
「今の……は?」
「よかった。きちんと分かったんだね? 今のがマナ。僕の持つそれを、少しだけ悠麻に流し込んだんだよ」
あの……自分に馴染まないような、気味の悪い異物感がマナ?
「僕のものだから、多少は違和感があるかもしれないけど、そこまで気にならいはずだよ?」
いや、俺のは違和感どころではなかった。
明らかな、異物感。
自分とは相容れない、そんなことを連想させるようなもの。
「ティア。今のが本当にマナなんだよな?」
「うん、間違いないはずだけど?」
「俺さ、そのマナって奴は異物感しか感じないんだけど……」
「……そっか」
沈黙が流れた。
戸惑う俺をよそに、マティアスは溜息をつく。
「……悠麻、やっぱり君は始まりの三人と同じだ」
「どういうことだ?」
俺が問うと、マティアスは少し沈黙した。
次にマティアスが呟いた言葉は――
「君、この世界の住民じゃないね?」
――俺にショックを与えるには充分過ぎた。
「なっ……」
悪いことではない。だが隠していた事がばれ、絶句してしまった。
「やっぱりか。だから零式なんだね、君は」
風が一陣、俺達の間を駆け抜けた。
◆◇◆◇◆◇
始まりの三人。その事については、マティアスはあとで説明すると言った。
とりあえずは、魔術を扱うことが先だと。
しかし、釈然としない俺を見兼ねてか、マティアスは俺に少しだけ始まりの三人について教えてくれた。
端的に言えば、彼らは俺と同じ異世界の人間だった。そして、彼らは大気のマナを魔力へ変換する術を見つけ出し、自らのものにした。
マナの扱いに長けた彼らは、強大な魔術を使い、ライビングたちと戦ったらしい。
当時からライビングたちに悩まされていたこの世界の住民は、それを盛大に喜び、彼らから魔術を扱う術を学んだ。
それは時を経て改良され、今のような魔術の形になる。
これが始まりの三人の話らしい。
詳しいことは……面倒だから今はまだ良いか。
「さっき悠麻に送ったマナ、それは分かったんだね?」
「ああ。一応な」
とりあえず始まりの三人のことは頭から離し、マティアスの話に集中する。
「なら、それと同じような感触を大気から感じとってみて」
「そうは言っても……どうやれば良いんだ?」
「まずは集中する。自分が一人だって、思うくらいで良い。そうして、自分の周りを感じるんだ」
集中するか。
なら、まずは目を閉じる。
マティアスの存在を無視し、とにかく一人になるように……。
そして、自分の周りにあるはずの、あの異物感を探す。
小一時間経っただろうか。俺は、ようやくマナの感触を掴んだ。
集中したせいか、汗がやたらと流れる。しかし、その成果は充分あった。
「感じれた? 時間がかかるのは仕方ないから、確実にやっていくからね?
次は……」
その後もマティアスの指導を受け続けた。
マナの感覚を掴んだら、次はそれを魔力に変える訓練。
そしてそれを俺の側へ留める訓練。放つ訓練。
あとになればなるほど、それを習得するために時間がかかる。
慣れない俺は、気を抜くとすぐにマナの感覚がどこかへ行ってしまう。
それをまた探し、変換し、側に留め、放つ。
コツを掴むのには相当の時間がかかった。マティアスが居なかったら、もっと時間はかかって居たはずだ。 彼の教え方は、確かに上手かった。的確なアドバイスをくれ、失敗をしても怒鳴ることなく、間違いを指摘をする。
さらに数時間……。
「はぁ……はぁ……クッ! 喰らえ!」
俺は訓練用の魔術で作られた、狼のような獣……ライビングの一種を相手に立ち回っていた。
立ち止まっての一連の動作は出来るようになり、動きながらそれを出来るようにするための訓練だ。
今、俺が放った魔力を当てたそれは消え去り、また新たに別の場所から出現する。
いきなり飛び掛かってきたそいつを、横へ飛ぶことで避け、魔力を扱うために集中をする。
(マナの感覚……あった。これを魔力に変換させる)
魔力に変換させるコツは、そこに意味を持たせること。
例えば今ならば――破壊。
(……出来た。そしてそれを掌に集めて……って、まずい!)
集中しすぎたせいか、自分に近付くライビングに気付かなかった。
またも飛び掛かってくるのを紙一重で避ける。冷や汗を感じるが、またさらに集中する。
(今集めたこれに、形を持たせて――放つ!)
「ハッ!」
飛び掛かったあと、体勢を戻せずにいた狼もどきに、充分に狙いを定めた純粋な魔力の玉が当たる。
しかし、狼もどきは吹っ飛びはしたが、倒れない。瞬時にそれを判断し、その場でさらに魔力の玉を作り出し、放つ。
「これで、終わりだ!」
立ち止まっての魔力の扱いは大分慣れたおかげか、ほぼ一瞬で出来るようにはなっていた。
破壊するための魔力の玉が当たった狼もどきは、今度こそ黒い粒子となり消滅する。
次の相手は……出てこない。
安心し、ほっと息をつく。
「お疲れ様、悠麻。一先ず、第一段階はクリアかな?」
「はぁっ……はぁっ……そりゃ、よかった」
ずっと動いていたため、息が荒い。確かに、魔術には体力が必要らしい。
「魔力の扱いはこれで出来たわけだけど、魔術はこれからだよ?」
「…………だよ、なぁ……」
まだ俺はマティアスの使った、あの光弾のようなことは出来ていない。まだ魔力に意味を持たせ、当てただけだ。
あの光弾のように、さらに効果を付け加えることを属性付与と言うらしい。
……まだまだ先は長そうだ。
そのあと、マティアスに回復魔術をかけて貰い、疲れを多少和らげて貰った。
「まぁ、今日のとこはこれくらいにしておく?」
「……そうだな。さすがに……疲れ、た……」
急にどっと疲れを感じ、芝生に倒れ込む。
いつの間にか俺は夢の世界へと旅立っていた。
長くなってすみません!