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なんで…こんな事に……。
いつから…こんな事になった……。
発端は、いくら記憶を探っても思いつかない。有ったような気もするし、無かったような気もする。
――俺が、何をした?
疑問だけが渦を巻く。
気が付けば知らない路地裏。最早、5W1Hのどれもが分からない。
鈴峰悠麻。歳は15。時期的に、現在は中学を卒業したばかりで、高校入学前の春休み。
その筈であった。
今朝目が覚めた時に目前に有ったのは、部屋などというきちんとした場所ではなく、全く見覚えの無い景色。
そして今、俺は《何か》から逃げている。
その《何か》が何なのか分からない。そもそも、なぜ俺がこんな所に居るのかも分からない。それ以前に――
俺は、かろうじて名前と年齢が分かるだけで、それ以外何もかも分からない、所謂《記憶喪失》になっていた。
二人での合作なので、一話ごとに作者が交代します。
次の話は逸鬼さんにチェンジです。