第1話 運命のふたり
月光が照らす美しい夜空、満月の月に現れる2つの影
?「……今日も華麗に参上だね、シャドウ」
シャドウ「ええ、参りましょうか。ブラン」
白髪の美女と黒髪の美女がガラスを突き破ると警報が鳴り響き、警備員達がゾロゾロと現れていく
警備員「何者だ!?」
ブラン「私はブラン」
シャドウ「私はシャドウ」
ブランシャドウ「2人揃ってブランシャドウよ」
2人が自己紹介をすると2人同時に警備員達に飛びかかり、肉弾戦で100人ほどの警備員を倒していく。
警報を聞いて奥からもローブを着た魔法士達がブランシャドウの元へゾロゾロと現れてくるが、ブランシャドウにとっては造作もない。攻撃してくる魔法を軽々しく避け、さらにはシャドウの逆転で魔法の方向を逆転し増強効果で警備員達も魔法士達も次々に倒されていく
ブラン「シャドウ!そろそろ…」
シャドウ「ええ、向かいましょう!」
2人が頃合いを見て、目的の場所へ動き出した
ブランシャドウの狙いは地下最奥にある禁忌空間であり、封印魔法もブランの手にかかれば解除は余裕である
ノワール「焼き尽くしなさい!」
ノワールは手から炎を出し、部屋の中へ放り投げると炎は一瞬で燃え広がり、棚にしまわれてある本全てに火がついた
?「禁忌書庫が!!!!」
ブラン「……お久しぶりですね、ルゼウス王太子様。こんな簡単に侵入出来るなんて王城の警備弱すぎじゃないですか?」
シャドウ「本当にそう」
ルゼウス「もう10年ほど姿を見せてなかったというのに…………禁忌書庫を燃やして何をする気だ!またあの事件みたいなことを繰り返す気か!!!!」
ブラン「…さぁね」
シャドウ「とりあえず、任務完了。帰るわよブラン」
ブラン「はぁい」
ルゼウス「待て!!!」
ルゼウスが魔法を使って2人を拘束しようとしたが、2人はあっという間に姿を消してしまった
燃え盛る部屋に天使のような白い羽根と黒い羽根を残して。
ーとある部屋ー
ブラン「ねえシャドウ、お母様からの任務…私たちにできるかな…」
シャドウ「…私たちならやれるわ、ブラン。モノクローム再復活として気合を入れましょう」
ブランとシャドウがアイコンタクトで決意を伝え合うと2人の体がみるみる変化し、先程の大人の女性体型から高校生ぐらいの体型に変化したのだ
シフォン「うん、身体の異常なし!やっぱ若い頃の姿って良いなぁ!」
ノワール「えぇ、シフォンはどんな姿でも可愛いわ」
シフォン「全然!ノワールの方が可愛いのに〜」
ブランとシフォン、シャドウとノワールは同一人物である。神使の姿でいる時がブランシャドウ、人間の姿でいる時がシフォンノワールであり、本来の姿はブランシャドウなのである。
シフォン「というよりこの管理書にはあと1冊あるっぽいね。物を探す力なんて持ってないからなぁ………………禁忌本はなんの力もないただの知識書だし…おばあちゃんの意地悪!!」
ノワール「しかも私達の力のほとんどを制限してしまったから使いにくくて大変よね…」
ブランの祖母にあたるのは神の頂点である皇帝神ミリルのことであり、ブランは神国で3番目に偉い神であるが現在は神の力の99.99%ほどの封印されている為爆発的な身体能力と一定数の術を扱えるほどの神使まで降格してしまったのだ
シャドウはブランの幼馴染であり、ブラン自身もシャドウの生いを詳しくは知らない状態である
シフォン「まぁおかげでちょっと殴っただけで世界崩壊させたりくしゃみしただけで星が爆発したりしないから楽だよね〜!おばあちゃん強すぎ!」
シフォンはルンルンで月明かりに照らされる裏道を歩いており、ノワールはそのシフォンの姿を微笑みながら見ていた。
ノワール「あのね、シフォン。今度一緒にパフェ食べに行かない?貴方が気に入りそうな店を見つけたの」
シフォン「えっ!?パフェ!もちろん!!食べたい!」
シフォンがノワールの提案に満面の笑みで答えると2人が首からかけている神石ことセレントアミュレットから優しい光が現れた
誰かに見られないように端に駆け寄り、アミュレットを服の中から取るとアミュレットから皇帝神ミリルの姿が映し出された
皇帝神ミリル"ふたりとも元気にしてる?"
シフォン「おばあちゃん!!!!」
ノワール「通信だなんて何かあったのですか?」
皇帝神ミリル"もうすぐで禁忌本の焼却も終わりそうらしいね!思ったより早くてびっくりしたよ〜!さすがブランちゃんとシャドウちゃん!"
ノワール「お褒めいただいて光栄です陛下。ブランはとても頑張っています。本当に凄いです。さすが陛下の孫です」
皇帝神ミリル"シャドウちゃんは本当にブランちゃんのことが大好きだね〜!あ、あとふたりとも今そっちで指名手配みたいにされてるんでしょう?無闇に本名言わないようにね!いつ会話が聞かれてるか分からないから神の力ほとんど使えないこと忘れずに!まぁ何か本当にやばいことあったら私が助けに行くから"
シフォン「はーいおばあちゃん」
皇帝神ミリル"………あわ、ごめんごめん。ついふたりの顔見たら雑談しちゃうねぇ。ふたりに伝えたいことがあって折角人間界いるなら色んなこと経験した方がいいと思ったの。リリスティアちゃんにもちゃんと話は通してあるから!!禁忌本による人間界崩壊までそっちの時間だとあと3年ぐらいだしそれまでに何とかしてくれればいいよ〜まぁ崩壊と言っても2人の力戻せば収まるだろうしそんな焦らなくても良いけどね。まぁ禁忌本はついで程度に思っといて〜!友達とか作れたら作ってくるんだよ〜!特にシャドウちゃんはいつまでもブランちゃんばっかり甘えちゃダメだよ〜"
ノワール「ぜ、善処します…」
ブラン「私達頑張るね!!!お土産買って帰るから楽しみにしてて!あ、あとアレやって!かっこいいおばあちゃん見てさよならしたい!」
皇帝神ミリル"えーしょうがないなぁ。ふたりの前では素を出してたいのにぃ…………皇帝神ミリルの名において命令を下す、己の使命を全うしこの私に成果を捧げなさい"
シフォン「んふぅ…!!!」
ノワール「っ!!」
ふたりの体がそそり立つ、アミュレット越しでも伝わる皇帝神の覇気が。ふたりを冷たく見つめるその瞳の力がまるで心臓を鷲掴みするような感覚を覚えた
シフォン「流石おばあちゃん!!かっこいい…!」
ノワール「少しだけ生きている心地がしませんでした」
皇帝神ミリル"……えっ、結構優しめに言ったつもりなんだけど…本気で言ったら今のふたり卒倒して死んじゃいそうだし…。まぁとりあえず頑張って!私の可愛い孫たち!"
皇帝神ミリルはそう言うと笑顔で手を振っており、そのまま通信が切れてしまった
ノワール「……陛下って本当にいつまでも元気よね…」
シフォン「うんうん…オフモードの時だけめっちゃ気楽な態度になるからお仕事モードのおばあちゃん見るとギャップ萌えしちゃうなぁ!」
2人は雑談をしながら己の戻るべき場所に戻り、そして翌朝を迎えた
シフォンとノワールは学生服に着替え、ローファーを履き、学園の門をくぐった
シフォンとノワールの姿が見えると周りの生徒達が騒ぎ始める
何故ならばシフォンとノワールが通う学園の中でトップクラスの優秀者であり、さらには人間とは思えないほどの顔立ちであるからだ
神の地位に就くものは全ての者が美しいと思う造形になることが多く、シフォンとノワールは人間の中で美しすぎるレベルの顔の造形とスタイルを生まれつき持っている。さらにはシフォンことブランは皇帝神の力の後継者である為、顔立ちが皇帝神と近く学園1の美人とされている
後輩達「シフォン先輩!ノワール先輩!おはようございます!」
ノワール「おはよう」
シフォン「みんなおはよ〜!」
後輩A「シフォン先輩本当に天使〜!ほわほわしてて良い匂いするし髪の毛とかもわたあめみたいで御伽噺に出てくるうさぎみたい!」
後輩B「ノワール先輩はあのクールさが堪らないよね!
あのサラサラの黒髪に長いまつ毛…そして凛々しい瞳…まるで私が獲物になった気分だわ…ノワール先輩に可愛がられたい〜!」
シフォン「あははっ、また私たち噂になってるね」
ノワール「シフォンの可愛さと美しさなら噂になるのは当たり前よ」
そして場面は教室へと移る
シフォンとノワールが通う学園の名は王立リリスティア女学園であり、女生徒のみの学園である
高嶺の花であり、全生徒の憧れの的である2人は今日も優雅に活躍していた
シフォン「7528年 神聖王エルムヘルタが即位し、税を徴収するようになりましたが税率が民には重い負担でありさらには医療費も税で補うことは難しく財政難に陥り、国の存続が危うい状況になりました。リリスティア王国は輸出物の量が他国に比べて少なく、輸入に頼ることが多い故に神聖王は税率を抑え、その税の代わりに農作物を納める若しくは特産品を納めるように政策を変えました」
セレナ「…流石ですシフォンさん。完璧な回答です」
シフォンが答え終わると教室には黄色い歓声が溢れ、隣の席にいるノワールは嬉しそうに小さく拍手を恐ろしいほどの速さでしていた
ノワール「流石シフォン、暗記能力がずば抜けているわ」
シフォン「神界の歴史なんかに比べたら全然少ないからね〜」
そして体育の授業ではノワールが華麗な動きで全員が持っている帽子を全て奪い取り、短距離走でも50mほどであれば3秒で走り去ってしまうほどの人間ではない実力を見せつけていた
シフォン「ノワールやりすぎー!!!」
ノワール「…あっ…」
クラスメイト達「ノワールさんかっこいいいいーー!!!」
学園1の有名人の2人の知名度は学園だけではなく学園外でも有名なのだ
冒険者連合の助っ人として駄獣の討伐や迷子の捜索、終いには新米冒険者達への指導なども行っている
もはや非の打ち所のない完璧な2人組であり、誰もが彼女らを尊敬しているのだ
そして夜 アミュレットが眩く光り始め、禁忌本の在処を示す光の道標を放射した
その様子を見たシフォンはノワールに顔を向けて勢いよく立ち上がった
シフォン「ノワール!お仕事行くよ!」
ノワール「ええ!」
2人「アミュレットよ私達の栄光を喚び戻せ!エンゲージ!!」
アミュレットに封印されているふたりの力が一気に解き放たれ、シフォンの髪の毛は長くなり青色の瞳は銀色へと、学生服から神使の服へと。ノワールの髪の毛も長くなり、紫色の瞳から赤色の瞳へと、学生服から神使の服へと。
地面へ再び降り立つと辺り1面に羽根が舞い、そこに居たのは20歳ぐらいの容姿をしたブランシャドウであった




