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運転歴20年以上!農道給食オカンがエスティマで日本横断! 〜佐藤家のご当地グルメ満期家族旅行〜  作者: 月神世一


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8/13

EP 8

いろは坂の絶景と、嬬恋キャベツが弾ける宇都宮餃子100個食い!

群馬の名湯で癒やされた佐藤家を乗せ、エスティマは栃木県へと車を進める。

日光へと続く名物峠「いろは坂」の急カーブも、恵の「寸胴鍋のスープをこぼさない」神ドラテクにかかれば、まるで遊園地のパノラマコースターのように快適なドライブコースだった。

「ほら信長、千姫。窓の外見てごらんなさい、絶景よ!」

「うおー、すっげえ緑! 親父、あそこの山の斜面、土留めの工事すげえな」

「バカ野郎、景色見ろ景色!」

エスティマはまず、栃木県最初のチェックポイントである『日光東照宮』へと到着した。

ここでも、地元の観光協会と巫女さんたちが「ジャパンカップ参加者様、ようこそ日光へ!」と、笑顔で一行を出迎えてくれた。

「佐藤家の皆様、長旅ご苦労様です。本日は特別に、皆様の旅の安全と……息子さんの必勝祈願をご用意しております!」

「えっ、俺の?」

驚く信長を前に、神職の方が優しく微笑む。

「ええ。各県から、佐藤家が熱血野球少年と走っていると情報が回ってきております。来年の夏こそ、甲子園へ行けますように」

その言葉に、信長の目頭が少し熱くなった。

豪華な装飾が施された本殿の前で、家族4人で手を合わせる。鷹人が信長の肩を力強く抱き寄せた。

「ありがてえな。全国の人がお前を応援してくれてるぞ、信長」

「……おうっ。俺、絶対来年は打つ。打ってハワイ……じゃなくて、甲子園行く!」

決意を新たにする信長を見て、恵も目を細めた。

「さて! 心がスッキリしたところで、次はお腹を満たしにいきましょうか! 宇都宮が呼んでるわよ!」

エスティマは日光を下り、宇都宮市の中心部にある特設会場へと滑り込んだ。

そこには、巨大な鉄板と、宇都宮餃子会のハッピを着た職人たちがズラリと並び、万雷の拍手で佐藤家を迎え入れた。

「ようこそ宇都宮へ! さあ、我が県が誇る『宇都宮餃子』を限界まで食べていってください!」

職人さんが山積みの餃子の皮と豚挽き肉を指差す。そこへ、恵がトランクから抱えてきた大きな段ボールをドンと置いた。

「すみません! このお肉に、群馬の皆さんからいただいた『嬬恋キャベツ』をたっぷり混ぜて包んでもいいですか?」

「おおっ! 標高の高い嬬恋村で育った、甘みが強くて葉が柔らかい極上キャベツ! それは願ってもないコラボです! 奥さん、一緒に包みましょう!」

恵と宇都宮の職人たちによる、超高速の餃子包みセッションが始まった。

給食センターで鍛えた恵の指先は、職人にも引けを取らないスピードで、次々と美しいヒダを作り上げていく。

ジュワァァァァァッ!!

巨大な鉄板に餃子が円形に並べられ、お湯が注がれて蓋がされる。

数分後、蓋を開けると、ごま油の香ばしい匂いと共に、見事な羽根つき餃子が焼き上がった。

「うおおおおおっ!! 匂いだけで気絶しそうだ!!」

信長が特製の酢醤油とラー油を用意し、熱々の餃子を口に放り込む。

「熱っ! うまっ!! 噛んだ瞬間、肉汁と一緒にキャベツの甘みが爆発する! しかも群馬のキャベツ、シャキシャキ感が半端ねえ! いつもの母ちゃんの餃子も美味いけど、これは別格だ!!」

「ガッハッハ! こりゃあ無限に食えるぞ! 職人さん、どんどん焼いてくれ!」

鷹人と信長が、競うように焼き立ての餃子を胃袋に吸い込んでいく。

あっという間に50個、80個、100個……。見守っていた地元民たちも「あの親子、底なしだべ……!」と驚愕の声を上げた。

「ちーちゃん、ぎょうざ、からいー。あまいのがいいー」

ラー油の匂いに鼻をつまむ千姫。そんな彼女の元へ、地元の苺農家のおじさんが、ピカピカに冷えた特大のグラスを運んできた。

「お嬢ちゃんには、栃木が誇る『とちおとめ』と『スカイベリー』を限界まで使った、果肉たっぷりの特製プレミアム苺ミルクだ!」

「いちごみるく!!!」

千姫が両手でグラスを持ち、ストローで勢いよく吸い込む。

濃厚なミルクに、これでもかと潰された新鮮な苺の甘酸っぱさが弾ける。

「ん〜〜〜っ!! おいしー! ちーちゃん、とちぎ、だいしゅき! これ、いちごみるくのおうさまだー!」

口の周りに特大のピンクのヒゲを作りながら、満面の笑みでバンザイをする千姫に、会場中から「可愛い〜!」と黄色い歓声が上がった。

大満足の宇都宮餃子パーティーを終え、エスティマに乗り込む佐藤家。

「佐藤さん! これ、栃木からのお土産です! かんぴょうと、とちおとめ一箱! 次の県でも美味しいコラボ、期待してますよ!」

「ありがとうございます! 苺は悪くなる前に、車の中でデザートにいただきますね!」

群馬のキャベツを見事に使い切り、新たに栃木の『かんぴょう』と『とちおとめ』をトランクに積み込んだエスティマ。

人々の温かい声援とお腹いっぱいの幸せを乗せて、家族の旅は次なるチェックポイント・茨城へと向かって走り出した。

ジャパンカップ・第8チェックポイント、栃木県。

佐藤家、心温まる必勝祈願と、100個の絶品コラボ餃子で無事クリア!

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