第三十五話 享禄二年、元服
この作品は、歴史的な史実とは別次元の物語です。
妄想的で非常識、そして変態的な展開ではありますが、
今後ともよろしくお願いいたします。
氏康(石原莞爾)の元服は、氏綱の左京大夫任官と同時期であった。北条氏を名乗る家督の元、氏康は十五歳で元服したのだ。
ちなみに俺は四十歳で、子供は芳に男児二人の計三人が、夕には女児二人の計五人いる。子供が大好きな夕は意外と、夜になると積極的で大胆になる……男子が欲しいのだろうか?
夕の弟たちも今では町の風魔衆として亥助が、薬学の研究施設で安蔵が働き、かなり役に立つ人材になった。
年明け、小太郎がふらっとやって来て、氏康(石原莞爾)からの指示で長距離狙撃銃を受け取りに来た。狙撃距離一キロ弱の狙撃小銃二八式を十挺渡し、隠密部隊の風魔に似合いの銃だと小太郎は喜んだ。
今回の中・遠距離スコープは評判が良い。遠距離用の単眼鏡も別注であった。
後日、「もっと前からこれが欲しかったよ!……遠距離用単眼鏡が〜あ〜!」と、ぶつぶつ文句を言いながら小太郎が帰っていった。
アウミールが漂流した時に手に入れたトウモロコシを、釧路や十勝で大量に増やし、バイオ燃料を作って石油の代用に使う。本来は逆なのだが、北米の開発には時間がかかりすぎるし、近場は同盟国今川の相良油田。今は無理だ。
簡単なディーゼルエンジンの小型ピックアップトラック(十二人乗り、積載二トン)を制作し、テスト走行をして、不具合がないか点検を兼ねてドライブをした。
箱根方面に十二名乗り込み山道をドライブした。悪路なのであまりスピードを出さずに運転した。途中、気分が悪くなる者もいなく、無事に帰ることができ、細部の点検をしてその日は終了した。
平地では六十キロくらいのスピードは出るし、舗装した道路だと、百キロもいけるかもしれない……鎌倉まで三十分もあり得る。軍の移動時間短縮は重要だ。
制作工員を補充しなければ、年間十台も作れない状態では話にならない。警備の関係で近場に工場を建築し、単純作業の人員配置を進める。
夏になって、釧路の牧場から大量の羊毛と芋が届いた。外国から毎年羊を数頭仕入れ、数百頭になっている。炭鉱と牧場と農業が主要な産業であり、老いた羊は食用にしている。
羊の管理のため、牧羊犬ボーダー・コリーをユダヤ系イギリス人から購入した。そのままでは駄犬になるからと、躾専門の人を招いて教えてもらった。それを牧場の管理者に教え、管理者がそれを広めるという具合だ。
但し、犬への指示は英語になってしまった。牧場の管理者には鋳物のジンギスカン鍋を大量に持たせ、鍋の使い方を豚肉と野菜で専用のタレを使って味わってもらい、犬たちと帰っていった。
次回、寒い時期に肉を持ってきてもらい、ジンギスカンを楽しみたいと思う。
羊は寒い場所が飼育に適しているから、信濃や甲斐の高地なら飼育できそうだが、今は無理をせず釧路と十勝で頑張ってもらおう。また来年数匹が来る予定だ。慣れた犬は可愛いので自宅で一緒に暮らし始め、牛や山羊がいる広場で毎日駆け回らせて、運動不足のストレスを溜めないようにしている。
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享禄三年、小沢原の戦い
この年、扇谷上杉朝興の要請で、甲斐から勝沼信友と小山田信有が大月の地に布陣した。これに対し、氏綱は主力を甲斐に出陣させ、さらに多目元忠に別動隊を率いさせ郡内に兵を出した。氏綱と信友とで決戦が行われ、数で上回る北条軍が勝利した。
氏綱が甲斐に向かった隙に、朝興は主力を率い、武田軍と氏綱を挟み撃ちにするため、氏康(石原莞爾)を目指して南下した。朝興方五千に対し、氏康は千の兵で相対した。
初陣の氏康(石原莞爾)は、朝興が多摩川を渡り油断している上杉軍に夜襲を仕掛け勝利した。風魔は敵の現場指揮官を次々と狙撃し、指揮官不在を衝く作戦がうまくいったようだ。
翌十月、越後では内乱が起こり、長尾為景に対して「反・為景」を掲げる上条定憲、上田長尾房長、宇佐美貞満、中条藤資(揚北衆)などが結集した。この年は、謙信(幼名・虎千代)が誕生していて、史実どおりに生まれたようだ。
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今回の戦で音楽隊の披露をした。曲は「陸軍分列行進曲」。小田原のメイン通りで横笛や縦笛、大中小のドラム、シンバル、管楽器も用意し、メインのドラムメジャー、そして特注の主指揮杖を用意した。
領民に演奏付き軍隊の行進を披露した。ドラムに合わせて兵士が足並みを揃えて行進していき、貴賓席には、氏綱、幻庵(高橋是清)、そして氏康(石原莞爾)がいた。
軍の指揮官が刀を構えて「頭あー!右!」と号令をかける。刀を下げると、幻庵(高橋是清)と氏康(石原莞爾)は敬礼のポーズを取っていた。行進をする兵士は領民にとって頼もしく映ったに違いない。管楽器があると違う!ラッパは軍には必須だ。
小太郎から内外の話を聞きながらコーヒーを飲む。
氏綱はパレードは非常に良かったと褒めてくれた。幻庵(高橋是清)と氏康(石原莞爾)も同様の意見であった。小太郎は奇妙なものだと思ったらしいが、外から見ても意外といいものだと領民の反応も良かったらしい。娯楽が少ないからね!
「武田軍の話で思い出したのだが、甲斐の太郎はどうしているのか?」と尋ねると、
「公家屋敷の近くの屋敷で生活している。仕官学校に通っている。」とのことだった。
立派な指揮官になるルートが出来上がっている様だ。
俺は、小太郎と自宅リビングで夕食を頂き、酒を飲む……ふと壁に飾られたアウミールから貰ったビウエラを見て閃いた。そうだ!ギターを作ろう。次の管楽器の制作を後回しにして、趣味にかける時間は惜しまない。
数ヶ月後にフラメンコギターが完成した。近くに稲村ヶ崎もあることだし、五十年ぶりに「夏の果実」を弾いた!……弾けたし!歌えた!それも昔より上手い?……考えるのを止めた。子供達は大喜びだった。それから、数曲を歌い、お開きとなった。
幼稚で語彙力が乏しいことは自覚しておりますので、
誤字のご指摘は大歓迎です!
最後までお読みいただき、ありがとうございます




