第三十三話 大永五年、朝廷
この作品は、歴史的な史実とは別次元の物語です。
妄想的で非常識、そして変態的な展開ではありますが、
今後ともよろしくお願いいたします。
相模屋の畿内担当と宇野藤五郎を含めた護衛兼務の北条家臣二十名の一行と、武野新八郎たちが案内を兼ねて堺に向かった。堺の港から皮屋の武野紹鴎の所で荷物の搬入をしつつ、相模屋の堺支店へ向かう。
後日、堺の会合と、近衛尚通を含めた公家たちと会合をもつ。ついでに幕府へご機嫌伺いをする。
宇野藤五郎に朝廷と幕府の関連事項を任せ、相模屋は堺衆と別行動だ。近衛尚通関係や蹴鞠伝授書の飛鳥井雅綱へのお礼。事務方の不足を補うことも兼ねて、困窮する下家の人材を勧誘する。
いつでも京を離れることができる人や家族を集め、城の隣接地に官庁を作り、周辺に公家屋敷を配し、周囲の治安を確保した町を形成していく計画だ。
相模屋と武野紹鴎は、茶器や姿見、酒その他北条の特産品を携えていた。それと武器。武野紹鴎は公家との繋がりも深く、近衛尚通とは違った繋がりが期待できる。そして寺社や武家にも顔が広い。後に弟子の千利休(今は赤子)も出てくる。戦国の時代に煎茶、紅茶、そして茶器が、どのような変化が起こるのか楽しみだ。
今回の成果は、近衛家から氏綱に嫁が決まり、幕府の面子も立ち、堺では新しい商いの展開があった。職人と移住希望者と下家の人々と三隻が満員になった。
宇野藤五郎の話によると、武野紹鴎が新しいお茶に刺激を受けて、煎茶道と紅茶道を全く別の様式美を思いついたようで大変興奮しているらしい。
それと、茶器だ。これは量産していないから数が足りない。軽さと優雅さ、そして白の美しい形状、煎茶用の湯呑も美しい。加えて絵付けに関して「ポルトガル国王への献上品や輸出用に美しい絵付けをしたい」と伝えていたので、(ポルトガル国王は日本の帝と同じと伝えている。)御用絵師である狩野派の絵師たちを紹介された。それと西洋の油絵――城の風景、海岸、人物、花、果物など十点を頂いたので、「向学のために見てはいかがか」と伝えたことも、絵師の動員に繋がったのかもしれない。
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* 武野紹鴎の視点
新八郎の持ってきた西洋甲冑は、展示用の人型の案山子に装着し、店の目立つ所に展示した。
ただの鉄でなくステンという新素材で、銀色に輝いてとても見栄えがする。
細部の加工も含め、職人の奥深さを感じる。話では、伊勢直道という者が製作の指揮をしているらしい。
直道殿が「甲冑を分解して製作してもよい」と言うことは、これに価値を感じていないということだ。機能的に鎧の方が優れているからか……槍働きしない者には良いが……数がでないな……一点物として高額に販売するか!
火縄銃は良い買い物だ。月百丁ペースで製造するらしい。南蛮製は高くて仕入れられなかったが、一定数を仕入れたら八貫五百文の販売価格から値引きするという話だ。ポルトガル人が「武器は北条の方が良い」と言うが果たして……まあ、安いことは良い。
極めつけはお茶だ。これは素晴らしい。煎茶(深蒸し煎茶)の味の完成度が素晴らしい。
紅茶という新しいお茶も素晴らしい。味もさることながら香りが素晴らしい。
砂糖を紅茶に入れて飲むなど、様々だ。南蛮では大流行しているらしい。
それから、北条の器だ。景徳鎮の白磁より軽いし、美しく優雅でうっとりする。
ポルトガル王への献上品として、あの美しい器に絵付けを希望しているとのこと。出来上がりを帝や将軍にも献上するとのこと。当然、我々に仕入れ販売の窓口が委託された。
これは我らに運が巡ってきたようだが、浮かれず、気を引き締めることが重要だ。
松田屋の純米酒も直道殿の奥方の親が作っているらしい。新八郎は忙しくなりそうだし、北条へ送る人材を増やさなければいけない。それと、摂家の皆様にもお知らせしなければならない。
幼稚で語彙力が乏しいことは自覚しておりますので、
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