第21話 永正6年(1509)京
この作品は歴史的な史実とは別次元の話ですので、
全て私の妄想・非常識・変態の展開ですが今後ともよろしくお願いいたします。
年が明けて、京にいる朝孝(塚原卜伝)から便りが有り元気な様子で何よりだ。要件は刀の具合が悪いとの事だ。果し合いやり過ぎだよ~・・・
京に行く事について、日程や果たして行けるのかを八十八さんに相談してみた。結果、小太郎を含め数人の構成で向かう事になった。一応身内だし今回は許可が下りた。お土産と新しい刀を持って十日位で京を目指す。
何のイベントもなく京の朝孝(塚原卜伝)の住処に着き、荒れた京の様に少し険しく逞しい本人と鹿島の懐かしい者たちと再会した。早速、刀を見せてもらい数カ所の刃こぼれが有り厳しい戦いを連想して気持ちが引き締まった。これを数年使い続けるのは危険と判断して回収する事にした。
「これら全部回収します。代わりにこれを」と、二本の高級品+1一寸の長さ違いを渡した。二本を両手で持ってじっくりと観察している。
「前より切れそうだな」
「前より丈夫な素材です。・・・」と答えた
「今は金が無いが・・・」
「童の頃、最高の刀を献上する。と啖呵をきりましたから、約束を果たしただけです。」と言ってお互い笑って、互いの近況報告を遅くまで語りかった。
朝孝(塚原卜伝)に同行した懐かしの面々には小田原の清酒が京で人気の高級品で有名らしく大変喜ばれた。朝孝(塚原卜伝)はパンに肉をサンドした料理に仰天していた。京は建物や人は多いが治安が悪く相模屋も堺に支店を構えるくらいだ。数日観光して、皐や芳、春さんや夕その他にお土産を買ってトンボ帰りだ。
「鹿島に帰ることが有れば、小田原のあの村に寄ってくれ、大歓迎する。」と言って小田原にもどった。三月初めに一月ぶりの我が家、風呂につかり旅の疲れを取る。
超人小太郎が訪ねてきた。旅の疲れなどないみたいだ。
「山の臭い小屋・・・5年もたつけど、目的も無しで人を配置しているのが可哀そうなんだけど・・・」
「そろそろ結果が出るから楽しみにしてくれ」と言って小屋から採取した硝石を加工する計画を開始した。量産可能なグレネードの試作品を作ることにした。
早雲さんや氏綱さんが見守る中で実験開始。
「3から5の間に破裂します。」と言って投げる。急いで盾に隠れ
「ボン!」という音がなり投げて3秒で破裂した。防具を着けた案山子数体がバラバラになり、どの様な被害が出るのか想像できる結果だ。皆、沈
黙の後・・・
「使い方で攻勢と、劣勢を逆転する道具として使えるな。」と早雲さんと氏綱さんがニヤリと悪い顔をした。10日後に秘密工房が出来た。
* 氏綱の視点
今回も恐ろしい武器を作ったな、あれをくらったら、ただでは済まぬ。爆発と同時に破片が飛んで一発で数人が死傷する危険な武器だ。おまけに火も要らない、以前の火炎瓶も恐ろしかったが、あれは、遠くに投げれるし、あれが儂の前に転がって来たらと思うと、背筋が凍る。
直道め~、何処にでもいる様な顔と風貌に覇気が有るわけでもない普通の男から、人を喜ばす物から、人が恐怖する物をつくる、異質の者だ。本人もここで暮らす事を望み。伊勢の子をもうけ伊勢の者になった事は伊勢に神の意思を感じる。
あいつも外腹の夫でも弟だ、戦に出せぬが、いずれ奴が作るモノで一騎当千の武器を次から次へと作るかもしれん・・・・まぁ~美味い甘味、酒、料理などたまらん。
そして極めつけは、銭だ、ここ数年で10倍の増益だ、今まで見たことが無い銭の量だ。お陰で、思い切った政策が出来ると、父も言っていた。奴が銭をかけて作ったモノは10倍になって帰ってくる。米に関しての同じで、奴の提案が今で十倍の収穫になっている。奴は「美味い米、食いたいんです。」とだけ言って裏もない様だ。
なんとも不思議な奴だ。
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