6・飲んで
此処で優夜の従姉妹登場!です
「いい天気ねぇ~」
お昼休み、優夜は一人屋上に居た。
親友の2人・・・琉彌は彼氏と冥那は双子の妹である天海と用事があるからと消えてしまった。
本当は2人に一緒に行く?と聞かれたがなんとなく居ずらいので抜け出してきた。
空を見上げると澄み渡った真っ青な空。”快晴”というのは今日のような日を指すのだろう。
ん~と背伸びをする。大きく息を吸って深呼吸。気管から肺に入ってくる空気が心地よかった。
「ねえ?」
唐突に後ろから声がした。
慌てて振り向くと1人の少女。背は自分より低く、紀霧の制服を着ているが中学生ぐらいが妥当に見える少女だった。
「んふ♪誰の許可?誰の許可で此処にいるの?一般生徒」
「?」
一瞬いや一瞬以上理解に困った。
「うちのイヌ・・・?」
その少女は実に可愛らしい笑顔で
「うん。うちのイヌ。ふふ♪アンタはうちの所有物」
そう告げた。
タタタタタタタタタッーーーー
竹林の中を疾風のように走る二人。
長いポニーテールに胸にサラシを巻いた少女。
その横にいるのは茶髪の無造作ヘアーの少年。
すると少女はイキナリ手にもつ竹刀を少年に振り落とす。
カキィン
金属同士より少し鈍ったような衝突の音。
竹刀と苦無の衝突の音。
少年は腰に挿した忍刀は使わず、手に持った苦無で少女の竹刀の攻撃を受け止める。
また、少女もカットラスと呼ばれる、斬ることを目的とした、危険な刃を持っているが使わない。
2人とも手加減をしているのだ。
暫く打ち合って、少女の集中力が限界になったのか、動きをやめる。
「・・・ハァハァッ・・・。ハァッ。光星ッ。ハァ手加減しないでって。」
「・・・ッア。ハァ・・・。久龍も手加減してる・・だろッ」
少女・・・大美山 久龍は
少年・・・高崎 光星に話しかける。
「ックァッ・・・。将来の大美山の跡継ぎなんだからしっかりしないと・・・なッ」
そろそろ息が整ってきた。
「ハァッ・・・ハァッわかってるわッ・・・ハァッ」
まだ久龍のほうは整っていない。
「ハァハァ・・ヒューヒュー・・・。」
逆に呼吸音が変になってきた。
「!?過呼吸か?発作か??」
光星は少し慌てる。
「ヒューヒュー・・・ゲホッ」
(発作か??)
「久龍。薬は??」
久龍は苦し紛れに自分の履いている藍色の袴を指差す。
「ちょっと失礼ッと」
普通男子が女子の袴の中に手を突っ込むことなどありえないのだが、この2人は違う。
袴の内側にポケットが縫い付けてある。その中のケースを取り出し、一つ薬を取り出す。
普通に口に入れてやりたいとこだが、今の久龍にそれは厳しい。
「すまぬな。」
一言そう言って、光星は口移しで薬を飲ませる。
普通はありえない・・・けれど2人にはありえる通常の現象。
どこか遠い日本の山奥、大美山の所有地のなかでのこと。
す、すすまない・・・。