魔物の掃討!
「『大いなる火の力よ、周りの魔の力を集め、我の魔力と共に押し固め、炸裂せよ!』」
ライラは周囲の魔力を【収束】で集め、自身の魔力と【圧縮】し、三体の魔物の中心に目掛けて投げると、それは爆発した。
避難は全て終わっていた為、ライラは全開で魔法を放っていく。
そうでもしなければ、ライラの魔力では魔物の魔力の壁を突き破れない為である。
ライラの【火】の魔法で焼き払われた魔物はどす黒い石が露わになる。
すかさずライラは先ほどと同じように【火】の魔法を炸裂させ、石を砕いていった。
度重なる大魔法を放った事で、その場に倒れ込む。
「ライラっ!?」
ガルドはライラをすぐに回収し、一時撤退する。
戦線を離れ、誰もいない空き家に隠れる二人。
肩で息をし、苦しそうに胸を押さえるライラを見て心配そうな顔をする。
そんなガルドを見てライラは彼のふわふわな頬の毛を撫でる。
「えへへ……。ガルド君?ウチは大丈夫だよ……?多分だけど……ガルド君とウチの子供ができた……かも……」
突然のカミングアウトでガルドの思考が停止する。
それは初夜から日にちがそれほど経っていないため、信じることができず、竜人族は非常に繁殖力が低い種族であった為である。
「信じられない……でしょ?ウサギを舐めちゃダメだよ?ウチらは、弱い生き物だから早く子供を作らないと絶滅しちゃうの。そして、早く産まれる。だから、今、魔力が足りないのは……そういうコトだと思う」
「なら、戦地に出てはダメだ」
ライラはガルドと戦う気でいたが、それを許可しなかった。
それはライラとその子供のためだった。
「……ライラは城に行ってくれ。ライラと子供を守るのは私の役目だから」
ガルドは槍を担ぎ、外へと出ていった。
一人残されたライラはポロポロと涙を流す。
「……死なないでね……。ガルド君……!」
涙を拭い、お腹を抱え、魔物に見つからないように城へと向かっていった。
ガルドはカブトムシのような見た目を持つ魔物と対峙する。
魔物の身体は非常に硬く、ミスリルの槍は全くと言って良いほど歯が立たなかった。
【水】の魔法を纏わらせて突くが、それでも弾かれる。
角による攻撃を槍でいなして、甲殻の隙間を狙っていくが、僅かに刺さるだけで有効打にならなかった。
非常に相性が悪く、苦虫を噛み潰したような表情をする。
ガルドの魔力を持ってすれば、水の塊に閉じ込めることもできるが、二、三体程倒せば魔力が尽きてしまう。
魔物の数が多いため、大規模な魔法は放てずにいた。
「くそ……!他のやつも倒さないといけないのに……!」
城に向かって歩いていく魔物を見て段々と焦りの表情を見せるガルド。
一跳びで上空に跳び上がりガルドは、自由落下の加速を上乗せし、魔物に槍を突き立てた。
しかし、槍は貫通せず、根本からボキリと折れ、壊れてしまう。
ガルドは魔物の振り回した角で岩山に叩きつけられ、意識が遠のいていく。
(ライラさん……ごめん……。何も……できなかったっ……)
魔物の角がガルドに向けられ、突き刺さる事を覚悟し、眼を瞑る。
「『大気の塊よ、我の魔力に呼応し、その圧力を高めよ』」
何処からともなく詠唱が聴こえ、眼を開けると、魔物は見えない何かに上から押さえつけられ、身動きが取れずにいた。
「『彼の者を地面と結びつけ!』」
魔物の角が地面と混ざり合い、より強固に拘束された。
二つの致命傷を与える事は無かったが、地面から離れることができずに魔物はもがいていた。
そして、ガルドの前にポチおとにゃんが現れる。
戦闘用の魔法でないはずの【結合】と【変圧】を戦闘に使えるように工夫した攻撃方法に納得する。
「セイラさんに援護するように言われました!大丈夫ですか?」
「助かった……!」
「早く倒さないとアイツの拘束が解けるよ!」
「……私の魔法では魔物の甲殻を破れないんだ……」
落ち込むガルドに対し、ポチおは彼の肩にポンと手を置く。
「大丈夫!水は最強の刃物だから!まだ、魔法は放てるよね?」
ガルドはポチおのやろうとしていることに理解が追いつかなかったが、先程の【結合】の使い方を見て、妙案があるのだと感じ、頭上に水塊を生成する。
にゃんは【変圧】を使い、超高圧の水滴となる。
水滴の一点だけ圧力を解き、押し固められた水がそこから一気に噴き出す。
その勢いは非常に鋭く、魔物の甲殻を易々と切り裂いた。
そして、魔物の中にある魔障石も切り裂き、【水】の元素魔法を吸収し、石はサラサラと消えていき、魔物の身体も霧散していった。
自身の魔法を想定外の方法で強化された事を実感し、呆然とする。
「魔法は便利だけど、もっと使い方を限定すると力を増すみたいなんだよ。ガルドも事象魔法と付与魔法を勉強してみると良いよ」
「そう……だな。水の圧力で甲殻が切り裂けるのは知らなかった……。二人のおかげで助かった……!そうだ、ライラさんが城へ向かったんだ。すぐに追いかけたいんだが、協力してくれるか?」
「勿論さ。はやく、迎えにいってあげよう!」
三人はライラを追いかけに城へと向かったのだった。
そして、一同は城の前で衝撃的なものを目の当たりにするのだった。
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