【太陽】の復活と魔物の襲来じゃ
セイラは魔道具の様子を見て一言告げる。
「整備や補強を繰り返していきますが、年に一度は二人の魔力が必要になると思います。魔素は送り続けられますが、魔力は自動的に送る事はありません。まあ、そんな事をすると、ヴォルフ様はこの魔道具を肌身離さず持っていないといけませんから……」
「そうか……まあ、その間隔で魔力を送ってやれば良いんだな?」
「……そうじゃ。ポチお、にゃんよ。お前たちの世界では一年というものが何日かわかるのかの?」
「うん。三百六十五日だよ。それが一年で、四年に一度は閏年で三百六十六日になるよ」
「そうか。ではセイラよ。日付がわかるようなモノを作っておくようにするのじゃ」
ふくが指示を送るとセイラは頷いて城の中へ向かっていった瞬間……。
――ドゴォォォォッ……!!
町から爆発音が聞こえ、城の正門へと走る。
町の至る所から黒い煙が上がっており、戦闘をしているようであった。
「何事じゃ……!?」
「ふく様……!わたくしの眼には魔物が町中に居ます……!!」
「ぐぅ……っ!!ぼるふ!わしを乗せて早く行くのじゃ!」
ふくはヴォルフの背中に乗り、走って町中へ向かっていった。
セイラは胸に手を当てて残ったヒトを見る。
「ガルドとライラはふく様の援護に向かいなさい!にゃんとポチおは……わたくしと共に国民を避難させ、救助に向かいます!」
五人は拳を合わせてそれぞれのやるべきことに向かっていった。
ふくとヴォルフはいち早く魔物の元へ到着すると、挨拶がわりの【絶対】による凍結を行う。
魔法の発動が今までより速くなっており、赤くブヨブヨな身体を持つ魔物であっても解かすことの出来ないほどの強度になっていた。
「なんだか、身体の力が溢れてくる……!」
「【太陽】の力を解放したからじゃろうの……。わしも……新しく編み出した魔法を使うてみるとしよう……!」
衝撃波の魔法のように指をパチンと鳴らすと、魔物の身体の内側から爆発四散し、魔障石も打ち砕く。
普通ならどす黒い靄が出てくるのだが、今回は出てくることもなく、魔物は霧散して消えていく。
「これは……聖なる光の力……!?」
「よく気づいたの。にゃんが手がかりを教えてくれたのじゃ。これなら多少多く出たとしても対応が出来るじゃろうて。……しかし、こやつら今までよりも動きが鈍いと思わぬか?」
「確かに……何か嫌がってはいるよね……」
「やっと追いついた……!うぇ……」
「ライラ、大丈夫?」
「うん、ちょっと走りすぎて息切れしちゃった」
ライラとガルドが追いつき、四人一組の小隊を組むことができるようになった。
ライラとガルドは魔力を昂らせ、魔物と相対する。
すると大穴の方から強い圧力と怒気、憎悪の感情が込められた魔力が町を覆う。
ライラとガルドはその威圧感に圧倒され、その場に腰を抜かす。
「い……嫌だ……!こ、こんなの相手できない……!?」
「……な、なんなんだ……この嫌な魔力は……!?」
ふくとヴォルフはその持ち主の方へ身体を向けると、ライラとガルドに指示を出す。
「らいら、がるど。お前たちは、せいらと共に民の命を守るのじゃ。お前たちとポチお、にゃんの力を合わせれば、数匹くらいの魔物に対応できるじゃろう。じゃが、無理だけはするでないぞ……!」
そう告げると嫌な感じの魔力の元へ向かっていくのであった。
ライラはふくの言った事をしっかりと噛み締め、二人でセイラの所へ向かうのである。
ふくとヴォルフは大穴の近くまで辿り着くと、【暗黒】の魔法により攻撃を受ける。
間一髪の所でヴォルフは回避し、地面へ着弾する。
「へぇ……。今の回避するんだ」
「何者じゃ!?」
ヴォルフは崩れかけた建物の上に飛び乗り、声の主を確認する。
顔面の四分の三は竜の顔になっており、背中に翼、長い尻尾を持った青年(?)のような魔物が立っていた。
「ドラゴン……。ふく、少し気を引き締めた方がいいかも……」
「そうじゃの。嫌な魔力を発しておるわ」
魔物は親指と人差し指だけ伸ばしてヴォルフに向けると球状の黒い物体が突如ヴォルフを覆う。
しかし、魔力の壁に阻まれ、ヴォルフに当たることはない。
そして、【太陽】から光が注ぎ、【暗黒】の力が弱まり、霧散して消えた。
「くそ……忌々しい太陽が……」
喋る魔物は太陽の光を嫌うようで、顔に降り注ぐ光を手で遮る。
「ふむ……お前は【太陽】の光が嫌いなようじゃな。『みすりる』の坑道で出会うた者と似たような感じじゃが、地上から来た者で間違いないかの?」
「ミスリルがあるのか……!これは良いこと聞いたぞ……!確かに、おれは地上から来た人間だ。だが、あんな世界はどうでもいい。今からこの世界を支配しておれの国にするんだからな!ハァーハッハッハッ!」
高らかに笑い、爆音が鳴り響く国に笑い声が響き渡る。
突然笑い始めた魔物に対し、ヴォルフは首を傾げ、ふくはジト目で睨みつける。
ひとしきり笑い、気が済んだのかため息を吐いて、竜の瞳でふくたちを睨みつけた。
「まずはいらない者の排除だ。お前たちを倒せば残りの雑魚どもは片手で捻り潰せるんだろう?」
その言葉にふくはギリィッと歯を鳴らし、鋭い眼で睨み返す。
「やってみるのじゃ……!わしらを倒せるか……!!」
その言葉をきっかけに戦いの火蓋は切って落とされたのだった。
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