仲が良さそうなのじゃ
ふくは単純な疑問をガルドに訊ねた。
「がるどよ。なぜ危険な生き物である龍の封印を解いたのじゃ?竜人族は個体が強いから他種族を利用せぬと聞いておったのじゃが」
ふくの指摘の通り、竜人族は肉体が非常に強固な個体が多く、簡単な魔法に対しては鱗が防御の役目を果たし、その鱗は生半可な物理的な攻撃も弾いてしまうという反則じみた性能をしていた。
ガルドはうつむいて、目を閉じて悩む。
そして申し訳なさそうにふくを見て真実を話す。
「獣の国にいる野狐族の女性にコテンパンにされ、怒った王が封印を解きました……」
「それってふくのことじゃね?」
「わ、わしか……!?んー……、コテンパンにしたことはあったかの……?」
「ま、まあそれだけではなく、【異形の怪物】が国に出てきたことも関連しています……」
異形の怪物――ふくたちが処理に苦戦している【それ】のことだと認識する。
ふくによって部隊の一角を壊滅させられ、その上【それ】の出現で踏んだり蹴ったりの状況でドラゴンに滅ぼされたということであった。
三人は話している最中、ライラはガルドの体を少し離れたところで観察していた。
そして、背後に回ると食いちぎられたであろう背中の怪我を見て、手提げ袋の中から薬草を取り出し、すり潰していく。
薬が出来上がると、それを背中に塗布していく。
「――うっ!?いっ……」
「ゴメン、ちょっと我慢してね。そのまま放っておいたら、傷が膿んでヘンな病気になっちゃうから……」
丁寧に塗り上げると、きれいな布で背中から胸に、胸から背中へぐるぐると巻き上げていく。
「よし!これで大丈夫かな?」
「アリガトウ……えっと……」
「ライラ」
「アリガトウ、ライラ」
ガルドは照れ臭そうに頬を掻きながらライラにお礼を言う。
ライラは「フフンッ」と胸を張り、得意げな顔をする。
ヴォルフはそんなやり取りを見た後、ガルドに訊く。
「野狐の赤子を見たことはないか?」
「いや、私が起きている間は一度も見たことがないのだが……何かあったのか?」
「わしの子が売りに出されたのじゃ。わしらは娘を取り返しに旅をしておるのじゃ」
「そうなのか……見つかるといいな」
「ね、ねえ!ヴォルフさま、ふくさま……ガルドも一緒に連れて行っちゃ……ダメかな……?」
ライラの突然の提案に二人は目を真ん丸にし、首をかしげる。
何とか身振り手振りで説明しようとするが、うまく言葉にできず、「えっと……、その……」としていると、ガルドは頭を下げる。
「私からも頼ませてもらえないだろうか?私にできるのは槍術と水の魔法なのだが……」
「お、おねがいしますっ……!」
ふくは困ったような表情をし、二人の前に座る。
「危険な旅じゃ。そして、食料も持ってきておらん。すべて自力でできることが条件じゃ。それでよいなら付いてきてもよいぞ?」
「もちろんよ!」
「はっ!助けてもらったご恩はしっかりと返させていただきます」
「なんか大所帯になってきたな……。それじゃあ、先を急ごうか、ふく」
「わしは疲れたのじゃ。この吹雪じゃ碌に玉藻を探せぬ。今日は休むとしよう」
ふくはそう言うとヴォルフに引っ付く。
引っ付かれて嫌な気分ではないのだが、なぜそのような行動をとるのか不思議で首をかしげていると、両頬をグニィ~と引っ張られる。
「寝床が欲しいのじゃ!早う狼の姿になるのじゃ!」
そう言われ、急いで狼の姿になり、横になる。
そして、その上にふくは乗り横になる。
あっという間に眠りについた二人を見てライラはクスリと笑う。
「あの二人、いつも仲いいんだよね。ホント、綱彦様さえいなければ良かったのに……」
「別につがいではないのか……」
「そうそう!竜人族のこと、アナタのこと教えてくれない?ウチも火の元素魔法使うから、連携取らないと邪魔しあっちゃうじゃない?」
「それもそうであるな。竜人族は……」
二人の会話は弾んでいき、吹雪が止むことがないまま【太陽】は光を失い、夜である暗闇に包まれる。
真っ暗になった洞穴で二人は横になる。
しっかりと打ち解け、魔獣が現れたときの連携など話し合いもでき、満足したように寝転がる。
「おやすみ、ガルド」
「ああ、オヤスミ、ライラ」
洞穴は静けさに包まれ、四人の寝息だけ響くのであった。
「ぼるふ?起きておるか?」
小声でヴォルフを呼ぶと、返事の代わりに鼻をふくの頭にこつんと当てる。
眠っているライラとガルドのために気を遣ったようだ。
起きていることを確認したふくは、気を遣ったというヴォルフの行動に鼻を「ふふん」と鳴らし、より密着する。
首周りの毛をもふもふと触り、脇の下、胸、おなかとしっかりと撫でていく。
そのまま下腹部、さらにその下に手を伸ばし、優しく撫でまわす。
ヴォルフは突然のことでびくりと体を震わせる。
(き、急にどうしたの!?)
(ぼるふよ?お前のモノでわしの中から、綱彦を消してはくれぬか?できればわしが眠るまで……)
(そういうの、嫌だったんじゃないの?)
(……嫌に決まっとる。綱彦とはしとうなかったのじゃ……。じゃが、無理矢理孕むまで汚され続けた。その記憶が残って嫌なのじゃ)
ヴォルフは獣人の姿になり、ふくを抱きしめる。
ヴォルフは何も言わずひたすら抱きしめ続け、ふくの髪をなでていく。
ヴォルフの胸がなぜかきゅうっと痛みを覚え、困惑する。
そんなことお構いなしに、自身の蜜壺の中に招き入れ、滑らせていく。
「……はやくお前を知っておけばよかったの……」
そう呟いて動きを止めず、ヴォルフを求めた。
何度も。
何度も。
二人が完全に力尽きて眠るまでそれは続いた。
暗闇で誰も気づかないまま、ふくの体に変化が起きていったのであった。
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