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当て付け
放課後。
野球部のグランドに安達は向かい、顧問の真鍋に「野球部に入りたいんですけど」と言った。
真鍋は「それは構わないがソフトボール部の方が良いんじゃないか」と言った。
「いえ。私は真鍋先生に野球を教わりたいんです」と答えた。
「解った。でも最初は玉拾いからだぞ」と真鍋が言うと「はい。喜んでやります」と安達は答えた。
そのやり取りを聞いていた川村は「当て付けか」と思い、真鍋に「私、退部します」と言い、校舎に向かった。
川村は教室でユニフォームを脱ぎ、制服に着替えると視聴覚室に向かった。
視聴覚室では生徒の練習を横西が見守っていた。
川村が「横西先生。軽音楽部に入部させて下さい」と言うと「それは良いけど、あなた野球部は?」と横西は聞いた。
「退部しました」と川村が言うと横西は「何の楽器やるの?」と聞いた。
「何でもやりますよ」と川村は答えた。
「そう。じゃ、ドラムをやってみなさい」と横西は言った。