お前やるじゃん
翌朝
川村が登校すると校門の前で安達が立っていた。
「川村君、おはよう」安達が言うと川村は「おはよう」と言った。
「あなた、寝不足?」安達が言うと「そんな事無いよ」と川村は答えた。
二人は校舎に向かいながら安達は口を開いた。
「川村君。あなた私が嫌いでしょう」
川村は「突然なんだい。朝から」と答えた。
「あなた、横西先生が好きなんでしょう」安達が言うと「違うよ」と川村は答えた。
「ウソ。私には解るわ。もうお付き合いやめましょ。じゃあね」と安達は言い、走って行った。
「ようよう、御両人。朝から夫婦ゲンカかい」と石岡が川村に声をかけた。
川村は、その言葉を無視し歩いて行くと「川村君、おはよう」と横西が声をかけてきた。
「安達さんが走って行ったけど、どうしたの?」と横西が聞くと川村は「何でもないですよ」と答えた。
横西から化粧の匂いがすると川村は心臓がドキドキした。
思わず川村は横西の眼を見ず、豊満な胸に視線が行った。
「何か悩みがあれば相談して」と横西は川村に言い、校舎に入って二人は別れた。
「川村。お前やるじゃん」と石岡は川村に言い、ニヤケながら校舎に入って行った。