第七話
「このオファーを受けてみたいと思います。」
「本当ですか?言ってはなんですが、かなり無理難題をふっかけていると思いますよ。」
「うまく行けば、大丈夫と思います」
「そうですか。そう言っていただけると安心しました。」
そう言って胸に撫で下したギルド長さん。えっと何の名前でしょうか?
「失礼ですが、お名前は?」
「うむ。あっそうですか。1年前に一度お名前を教えたのですが、ずっと受付さんと呼ばれているのは私の名前を忘れになったのですか」
「あっははっ、すみません」
確かに名前を教えたことがあったが、いろいろ切羽詰まったため、忘れてしまった。
「いや、薬師ギルドの恩人たるライヤさんだったら、いくら教えてもいいですよ。私の名前はグレイ・スートフマンでこの都市バイアトゥスの薬師ギルドの長を務めています。よろしくお願いします」
「ライヤです。よろしくお願いします」
グレイさんから手を伸ばしにきたので、握り返した。
昨日の鑑定結果によると、6級薬草が308本、5級薬草が55本、4級薬草が5本で自分の鑑定結果と合ったことに安心した。薬師ギルドから15%の税を天引きされ、さらに薬師ギルド所属ではなかったため、さらに5%サービス費として差引された。それでも仮登録な冒険者よりたくさんもらえるのは皮肉に感じる。
「ライヤさん。こちら薬草の金額14160Gで15%の税と5%のサービス費として天引きさせていただきまして、全部11328Gになります。どうぞお確かめください。」
受付さんから銀貨一枚、小銀貨一枚、銅貨三枚、小銅貨二枚と鉄貨8枚を受け取った。たしかに11328Gである。
「確かに受け取りました。ありがとうございます。」
「それと、こちらが冒険者ギルド宛の紹介状で、こちらが職人ギルド宛の紹介状であります。最後にこれが薬師ギルド7級採集士証明書です。」
「採集士?薬師ギルドにこんな職業あります?」
「あっはい。ありますが、7級薬草を一度に100本採集することがボーダーラインとなっていますので、この街で5年の間にそれを納品する方がいませんでしたので、かなり少ないと思います。あと薬師ギルドでもかなりマイナーなほうなので……」
「そうですか。わかりました。えっと失礼ですが、お名前は?」
「あっ大変失礼いたしました。私の名はライトです。これからもよろしくお願いします」
「お願いします」