第十四話
あのあと、ホブゴブリンの魔石をもったまま、冒険者ギルドに行った。目的は時々耳にしたという『強化石板』を利用するためだ。それをアイシャさんに伝えると、冒険者ランクを上げるためには必要だと説明された。8級冒険者である俺が、7級に昇格するには自分の肉体の格を20まで上がらなければならないそうだ。前には聞いていない、と伝えると聞かなかったからとアイシャに言われた。
ちなみにあのあと鑑定した素材はこんな感じだ。
『ホブゴブリンの8級魔石』
価値:1000G
効果:
・強化石板による内蔵変換値<20>
・錬金術の素材
・魔物の強化素材<20>
・魔素内蔵値<20>
討伐者:ライヤ
『ホブゴブリンの角』
『ホブゴブリンの肝』
『ホブゴブリンの牙』
価値:1000G
効果:
・錬金術の素材
魔石以外の素材は価値と効果は同じであり、殆ど錬金術の素材として取引されているそうだ。魔石のところに内蔵変換値というのがあり、その<20>と言うのは別に一気に格を20まで上がるではないそうだ。実は『強化石板』というのは、体内に蓄えた魔素を解放することで、体をより強く作り変えていくそうだ。強化が少しずつだったため、それを実感するのが難しいと言われた。変換値<20>というのはLv3までしか上がらないそうだ。
ちなみに、肉体の格20に至るには通算変換値<2870>が必要そうだ。なんと気の長い話だろう。
そのあと、強化石板を利用させてもらった。なんと強化石板というのは、先日カードを作りだしたあの直方体のことである。冒険者カードをその石板に差し込んで、魔石を石板の上におくと、魔石が石板に沈み込んでいく。そして心なしか白いカードがほんの少し灰色になっていくと感じた。それをアイシャさんに聞くと、なんと強化石板を利用するごとにカードの色が変わってやがて黒になるそうだ。
新人冒険者を表す『白色』
半人前を表す『灰色』
一人前を表す『黒色』
アイシャさんによると、この3段階が全冒険者の9割5分を占めている。だが、それ以上の情報は教えてもらえなかった。なにせ、今この街にはそれ以上の冒険者がいなかったからだ。
それを聞いて違和感を感じつつも、それの原因を聞かなった。




