第十三話
残酷な描写あります。
『アビリティ:
☆筋力上昇
☆体力上昇』
を
『アビリティ:
☆中鬼種』
に変更しました。
【忍び足】で森を歩き回る。【隠蔽】も【隠密行動】は発動していない。Lv3となった隠蔽だったが、発動時間はもとの1分から3分までしか伸びておらず、短期戦を望まなければならない。それの発動は敵を発見してからも遅くないと思った俺は【忍び足】しか発動していない。いつもいっぱい遭遇するゴブリンはまだ見かけない。普段から無視する存在なのに、いざ探そうとすると見つからない。
今、俺がいるのはいつも薬草を採取している森ではあるが、それほど深くない。草原から徒歩15分で到着する浅いところである。俺にとっていつもお世話になる果実が実っているありがたいところにだが、逆に言うとそれしかない。魔物にとってそれほど旨味のないところであるため、滅多に見かけることはなかった。
かと言って、このまま深いところに突入する勇気も持たない。何せ、ちょっと前までは薬草採取しかやっておらず、更に前に至ってはスラム住民である。
【忍び足】で森を探索すること30分ほど、よくやくゴブリンらしき足跡を見つけた。その足跡を沿っていくと、ゴブリンらしき存在が見かけた。とりあえず、【隠蔽】を発動してから、そのゴブリンらしき存在に鑑定をかけた。
ホブゴブリン
状態:良好
ランク:8
アビリティ:
☆中鬼種
☆咆哮
人とは違い、魔物はスキルを所有していないようだ。あるいはこのホブゴブリンが持っていないという可能性もある。その代わり、アビリティという能力をもっている。☆にもう一度鑑定を飛ばすと、【ランク1】という情報が返ってきた。
剣を持ったままホブゴブリンに近づく。ホブゴブリンは周りを見回して何かを探している模様だが、【忍び足】で一歩また一歩近づいていく。剣の攻撃範囲内に入ったとたん、ホブゴブリンの頭を目掛けて全力で剣を振り下ろした。
初心者用の剣としてかなり鋭いほうだろうと、ホブゴブリンを一刀両断できるわけないが、剣が頭の真ん中まで入り込み、痛みを感じたホブゴブリンはしばらく大声をあげつつ、両手で周りを一掃して暴走状態となった。剣が半分頭まで入っても即死しないホブゴブリンから離れた。そのあとしばらく暴走し続けたホブゴブリンが力尽きたのか、地面に倒れ込んでいた。もう一度鑑定をホブゴブリンに飛ばした。
ホブゴブリン
状態:死亡
素材部位:魔石、角、牙、肝
魔石のある胸を剣で切り裂いて魔石を抉りだし、内臓を全部取りだした。次に下顎にある牙の周りを潰してから牙をもぎ取った。角も牙のように周りの肉を石か何かで潰してからもぎ取っていた。最後に内臓を鑑定しながら、肝を探しだした。ホブゴブリンの素材を低位収納に入れてから、その場を後にした。




